別冊櫻坂を語るだけ②〜8th Single「何歳の頃に戻りたいのか?」〜

公式旧Twitter(X)に突如として投稿された謎の数字。
Buddiesはこの手の仕掛けに敏感なようで、ものの数分で謎の数字の特定に成功していた。

数字が意味していたものは、緯度と経度。
そしてそれらが交わる場所は、「京都パルスプラザ」。
この場所は櫻坂46の7th Single「承認欲求」のオンラインミーグリの会場。
「夏のツアー発表か?」と浮足立つBuddiesもいる中、何を表しているのか確信めいたものはなく、オンラインミーグリの日を迎えた。

オンラインミーグリ当日、スクリーンに投影された映像によって、「8th Single」のリリースが発表された。
ここまで書いておきながら、当方、現地にいなかった。事の顛末はしっかりとX上で確認した。


はじめに

そんなこんなで発表された8th Single「何歳の頃に戻りたいのか?」。
去る2024年1月24日の22時からMVが公開されていたので、今回はその感想と勝手な考察を書き留める。

イントロ(~0:37)

バーのような店の中。カウンターに寝そべる今作センターの山﨑天。
徐に起き上がりトマトジュースを飲み干す。
(飲酒不可年齢なのにバーに入れるものなのか、疑問懸念は止まないが一旦無視。)
場面が変わり、Xで流れてきたのと同じイントロに乗せて、天が駆ける。
衣装が明らか合成でチラチラと変わったりスタオバに味を占めたロゴ。

とりあえず、イントロはめちゃ好み。なんたってスタオバ好きだからな。
重低音系のエレキはみんな好きでしょ。(偏見)

ハートをグッと掴まれた感じ。
考察?知らない子ですね。
(作曲ナスカ、編曲APAZZIは本気出しすぎ豪華すぎ)

A-1(~0:50)

今回は海外の広場っぽいとこが舞台らしい。そのうちロケ地は分かることでしょう。
早速、当方の推し(大園玲)が登場。歓喜。

歌詞は結構センシティブというか、過激な印象を受けた。
「一瞬 〇意さえ浮かぶ」
攻めたね。まるで「不協和音」みたい。

この時点で2列目までと3列目にMV衣装の違いがあることはわかるだろう。
2列目まではとある飲食店?のテラス席利用客、3列目は店のウエイター。
今回もいつも通り3列目の露出多くないんだろうな、寂しいな、なんて思ってました。歌割もここまではセンター経験者だけだし、それが順当だと思ってました。
Aメロが終わるまでは。

B-1(~1:08)

カメラの向きが変わると、そこには3列目メンバー。
くねくねダンスが何を意味しているかは正直良くわからなかったが、今回の謳い文句が「新・櫻前線」なので、TAKAHIRO先生お得意の既存のフレームワークからの脱却とかをイメージしたコンテンポラリーダンスなんじゃないかなと推測。
良くも悪くもここのダンスは櫻坂っぽくはないかな、と思った。
今までのイメージ/櫻坂からの脱却、みたいなのを表現してそう、と言われたら割と納得度高めじゃないですか。

そしてここで異変に気付く。
あれ、3列目メンバーしかパフォーマンスしてないゾ。

どうやら今回は1,2列目と3列目で何かしらの対比構造を作りたいんじゃあないか?と感じた。
客とウエイター、パフォーマンス(ダンス)してる人としてない人、歌ってる人と歌ってない人、対比がいくつか見られる。
これは、いままでの櫻坂とこれからの櫻坂との対比に結び付けたいんじゃないかしら。
根拠はあんまりないけど、そんな気がする。
もっと言えば、欅坂から通算しての1期生がほとんどいなくなった。
”1期生=欅坂”という深層心理的なイメージはどうしても根強いものがあると思うのだが、そこからの完全脱却もあっての今回の表題メンバーとMVの対比構造なのかな、と考えたら、個人的には6割納得くらいはいける。

そしてBメロ終わりに再び天が登場。
袋いっぱいの落ち葉を撒き散らし、サビへ。

1サビ(~1:37)

天が3列目メンバーと向き合ったり背中を向けたりしながらパフォーマンス。

ここもまた異質。
まず、天の衣装。一人だけド派手。宇随”天”元かよ。
1,2列目メンバーでさえシックな黒ベースの衣装、3列目メンバーは白エプロンが目立つ真っ黒のウエイター服。
んーーーー、これは意図的に天が真の意味でセンターになっていることを表したいのかな。

アイドル業界で言うところの”センター”は、列状になったフォーメーションにおいて、1列目中心にいることを指すと思うのだが、センターという言葉を図式化した時に、どちらかというと直線の真ん中よりは円の真ん中(中心=センター)の方がしっくりくるのは当方だけだろうか。

ここに秋元康やらTAKAHIROの戦略を感じた。
これまでの櫻坂だけでなく、これまでのグループアイドルが作り上げてきた直線ベースのフォーメーションをもぶち壊していくのが、「新・櫻前線」なのではなかろうか。

新しい櫻坂46において、まずは直線のフォーメーションは取り払う。
センターは円の中心で輝いてこそ、センターなのだ。一番前で映ることを優先するのは彼女たちにおいてのセンターではない、そういう気概のようなもの、覚悟のようなものがひしひしと伝わってきた。

「夢を見るなら 先の未来がいい」
正にこの言葉の通りの未来を創っていく、そんな楽曲になる予感がした。
まだ1サビだけど!!

間奏1(~1:45)

ついに1,2列目メンバーがパフォーマンスに合流。
先に睨んでいた通り、天を囲む形になった。
次の展開がもう楽しみで仕方がない。
オラ、わくわくすっぞ!(cv.野沢雅子)

A-2(~1:59)

天様、衣装チェンジ。3列目メンバーと同じくウエイター服へ。
舞台もレストランの店内のような場所へチェンジ。

歌割も変わった気がする。
3列目メンバーに回ってきた感じ。いのが歌ってたから。
変わらないのは、パフォーマンスが3列目メンバー主体ということ。

天がゆーづと優を引っ張ってきて前に放る。
同じ3期生ながら、2列目(優)と3列目(ゆーづ)と立ち位置の対比?がある。
歌詞の中の「現状維持」「明日に期待」をこの二人に結び付けることもできそう。
なぜこの二人なのか、そこはまだまだ考える余地がありそう。

B-2(~2:17)

このパートの前半では優ゆーづのダンスバトルのような恰好を採っている。
最初は睨み合い、対立するかのような表情で踊る二人だが、次第お互いを好敵手のように意識しているともとれる表情となり、ダンスも調和のとれたようなものに変わる。

そしてカメラが反対方向に向く。そこには再び衣装チェンジした天様。

天様に導かれるように、スタオバの組体操を連想させるように円状にメンバー、ダンサーが集まり、天様がその中の一人の手を引く。

2サビ(~2:47)

引かれた手から円が解ける。
円の中に入って行く天様。

メンバー、ダンサーに囲まれた中心で、森田ひかる、藤吉夏鈴が交互に天様と踊る。
森田の振り付けには、共にWセンターを務めた「摩擦係数」のものが含まれており、藤吉とのダンスでは「Start over!」のそれが。
そして、次々とカメラで抜かれるメンバーたち。谷口、山下、守屋、田村。
ここでフォーカスされたメンバーが、今後の櫻坂にとってのいわゆる”エース格”メンバーなのだろう。

特に、中心で山﨑とダンスを繰り広げた森田、藤吉両名に関しては、某平手氏を彷彿とさせる表現力の持ち主だと思う。
今後はこの3人が櫻坂を先頭に立って引っ張っていくという暗示のようなものとして当方は受け止めた。

間奏2(~3:08)

お得意のコンテンポラリーダンス風パフォーマンスと組体操。
組体操は「なぜ恋」の”フライング藤吉”を連想させた。
そして、このパート全体はどことなく「桜月」や「スタオバ」のラスサビあたりをオマージュしているようなそうでもないような。

Cメロ

短いが、ここも間奏2同様に過去楽曲のオマージュという印象を受けた。

「今が過ぎる足音が聴こえなくて (目の前の景色に 意識を奪われて)
こんな今もいつの日か輝くんだ (大人への階段)」

歌詞から推察するに、ただ過去楽曲をオマージュ/イメージしているだけではないと考えられる。(そもそものこの前提が違う可能性もあるが)
今=7thまで、と考えると、秋元先生から見た櫻坂は、ここまで一心不乱に我武者羅に駆け抜けてきたということなのだろうか。
今作でついに欅坂時代にリリースしたシングルの枚数に追いついたことになる。彼女たちにとって、「欅坂46」は自分たち自身でもあるが、同時に超えていかなくてはいけない大きすぎて偉大過ぎる存在だったのだろう。
目の前の1作1作に魂を込めて楽曲の制作に取り組むほかなかったのだろう。

ここまでは本当に苦しいことの方が多かったのかもしれない。
だが、彼女たちは見事に櫻坂46として大輪の櫻を咲かせている。
そして、これからもその櫻は枝を大きく広げて行き、Buddiesも合わせて大きな櫻を作り上げていくことだろう。
そして、これまでの彼女たちの足跡を彼女たち自身で振り返り、懐かしむことができるようになるのではないか、そんな予感がする歌詞だと思った。

ラスサビからアウトロ(~4:45)

舞台を再度外に戻す。
舞い上がる落ち葉、思い切り飛び上がるメンバー、ダンサーたち。
天様はまたまた衣装チェンジ。カラフルな布がつぎはぎされたような衣装。
なんとなくだが、小林由依卒業ソロと同様に、これまでの櫻坂楽曲をつなぎ合わせるというのをイメージしたものではないかと感じた。

ラスサビのダンスフォーメーションも円形。
こうなってくるともうライブやらテレビやらのカットが使えない場面でのパフォーマンスがどうなるのか、楽しみで仕方がない。

今作に限ったことではないようには思うが、ラスサビでセンター以外のメンバー(特に3列目)がカメラに抜かれる率が高いように感じた。
便宜上、直線状のフォーメーションを組んではいるが、メンバー全員でワンチーム、ということを表現しようとしているのではないだろうか。

そして何より、メンバーそれぞれの表情が良い。非常に良い。
希望に満ち溢れた笑顔。
「私たちは欅坂に追いつき、追い越していく。私たちが最高のグループであることをここからまた見せつけてやる」
そんな意気を感じさせてくれる表情。
これまでのシングルで見せてきた笑顔とは異なり、”心の底から未来が明るいと確信している表情”であると感じた。

そして天様に寄って終曲。
最後はまたバーに戻って、まさかの天様からタイトルコールとタイトル表示。
かなり珍しいことだと思う。特にタイトルコール。
櫻坂46にとって新たな一歩を踏み出すきっかけになる。
大きな挑戦を始めるための楽曲になることは間違いない。

感想

この曲を聴いて、MVを観ての全体的な感想だが、まずは推しが3列目だけどけっこう映ってて嬉しかった。
あとはやっぱり良い曲(小並感)。
だって、メロディもいいし、挑戦的なフォーメーションと歌割り、パフォーマンス、全てが櫻坂らしい。とても良い。
多くは語るまい。

そんな8th Single「何歳の頃に戻りたいのか?」、たくさん聴いてたくさん愛したいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?