きゅうり君の恋愛講座

　タンポポ君に誘われてゲイバーに行くこととなった。タンポポ君が恋活パーティで出会った。友達（まさおくん）が週末のみそこでアルバイトをしているそうだ。
もしかしたらそこで素敵な出会いがあると良いねなんて話しながらむかった。きゅうり君25歳ぐらい。ゲイ向けの結婚相談所の失敗談などの失敗話を手土産に持っていた。
　ゲイ界隈だけに関わらないことだと思うが、お酒を飲んでいる時に盛り上がるのは、下ネタや過去の失恋話である。仕事の愚痴などはストレートの友人にも話せるので、日ごろそばに居る人には言えない話で、尚且つ終わった不幸話が一番盛り上がる気がする。

バーで出会ったマリーちゃん

　タンポポ君に連れられてゲイバーに行くと、まさお君の友達も遊びに来ていた。
・ガタイ君…小学校の先生をしている当時20代男性。意外にも経験豊富でお酒好き。
・マリーちゃん…ガタイ君の女友達、清楚系のかわいらしい小動物系女子。きゅうり君と同じふけ専で話しが盛り上がる
・タンポポ君…きゅうり君とはゲイ向けのマッチングパーティで知り合う。売れ残り同士仲良くなった。当時30歳ぐらいだったが、恋愛経験は皆無。少し勉強はできるとても優秀なハイスぺだが空気は読めない。

マリーちゃんはきゅうり君と同じ、万年セカンド感が凄く感じ取れた。
会話を始めるとやっぱりなという場面が多々あった。
ガタイ君やタンポポ君に話をふられて、答えるが最後の締めは二人に持っていかれる場面が目立った。もちろんここで彼氏を探すつもりなど毛頭ないだろうが、いつもそうだというマリーちゃんそれじゃダメよと促した。
そして極めつけ、きゅうり君と同じふけ専で「20歳未満の年の差恋愛している人が、私おじさんが好きなのというとそれはふけ専ではない」と思うと話していた。バーのみんなが引いていたが、一人例外な人物が居た。そうきゅうり君。

マリーちゃん相談する相手を間違える

　ほぼ恋愛経験のないマリーちゃん、そして、25歳前後でも恋愛で大きな失恋もしたことがなかった。ふけ専の特徴として、既婚男性が多く波風立てずきれいに去っていくことが愛人としての美徳なのはわかるが、友人にすがることも大切とアドバイスした。第三者に話すとき、人は順序立てて整理して話、最後に感情を持ってくることで、短い時間で愚痴を言える。これを行える人と、愚痴は私と彼両方の共通の人じゃなきゃ嫌だという人では、後の拗らせ率、そして消化率が違う気がする。
　マリーちゃんはしっかりと前者であった為頭の中での整理するという事は出来ていたのだが、なんせ相談しているのはガタイ君一夜限りの関係もありでしょと考えている友人なのである。
　マリーちゃんは、何で相談しても上手くいかないのかなと悩んでいた。

鶴の一声きゅうり君

「恋人がほしいなら、そもそもこんな所に居ちゃダメよ」
マリーちゃんにきゅうり君は言った。勢いがついてしまっていたので、お店の客席部分の半分には響き渡っていたと思う。ガタイ君とタンポポ君、それを言っちゃお終いよ。楽しく飲もうと言われるきゅうり君。
　「でもね、恋愛相談するならしっかりと教えてくれる人を選ばないとダメ」「ガタイ君は愚痴を聞いてくれる友人としては最高だけど」「マリーちゃんが次の恋を探しているなら、ゲイバーで暇つぶしている時間もったいない」とマリーちゃんに伝えた
　となりのタンポポ君は「「出たー立川の母」どこの占い師よりも重みがあるわ」とヤジを飛ばしていた。

マリーちゃんの幸せを願う事、それはきゅうり君自身の幸せを願う事

　マリーちゃんに一見厳しい言葉を述べたきゅうり君。でもマリーちゃんから嫌われることはなかった。マリーちゃんも気が付いていて、でも誰に相談しても、あえて進んで一番の傷口に塩を塗る事をするのはオネエぐらいだ。
　そして、好きな男性のタイプ・50代以上希望・ファザコン気質など共通点が多いマリーちゃんときゅうり君、彼女の相談に乗り、幸せになってもらう事は、共通点の多い同士として、自分が幸せになる事だと、約1時間の恋愛相談で気付かされた。マリーちゃんとその後会ったことは今のところない。飲み屋は止まり木とゲイバーのママが言っていた。マリーちゃんがその後ゲイバーという止まり木に依存せずに幸せになっている事を祈る限りです。

noteでは僕「きゅうり君」の17歳からの27歳までの恋愛と、
27歳から29歳までのリアルな恋愛は諦めて腐男子として生きている等身大の自分を日記を公開しようと思っております