猫を飼ってない人間

僕は生まれてから半世紀、ずっと側には猫がいた。
ある時期には犬もいたのだが、猫に関してはずっと猫と共に人生を歩んできた。
しかし、今、僕の側には猫がいない。
数週間前に精一杯の介護も実らず…いや何か足らなかっただろうが、とにかく猫が失われてしまった。
数年分の涙をこの日消費して猫を悼んだが、どれだけ涙に暮れようと悲しみは癒えることはないように思えた。
僕は今まで側にいた猫、犬を看取ってきた。ランク付けなんて出来なくて、どの猫犬もひどく悲しくて今もってどれも同じくらい悲しい。
忘れなよ、うちも猫を無くしたから気持ちわかるよ、新しく飼えばいいじゃん、忙しくして忘れてみれば?彼女作ればいいよ
どんな事を言われてもすべて頭に入ってこないし、言った相手を憎悪するほどに、今はそんな状況かと言える。
部屋の中は猫残したもの、たとえばベッド、水飲み、毛布、おもちゃ、トイレ、キャットタワーその他のものすべてが猫を思い出させる。

そしてその記憶が少しずつ僕の頭の中から失われていくのもやはり怖い。

約20年という歳月は重いが、いつかは乗り越えなければならない

しかし今は全力で悲しんで猫の安らぎを祈ろうと思う。

お疲れさまです。

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