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九州七社会とは?九州知るなら抑えるべき構図と関係性

はじめに

九州の大手企業と聞くと、皆さん思いつく企業はどこになりますか?
九州電力、JR九州などのインフラ系などを中心に思い浮かべるのではないでしょうか?
今日はそんな大手企業の集まりである、九州七社会について解説いたします!

九州七社会とは?


九州七社会とは、九州の有力企業7社で構成される任意団体で、正式名称は「互友会(ごゆうかい)」です。九州の経済をけん引する企業として知られています。

【九州七社会の構成企業】

福岡銀行
西日本シティ銀行
九州電力
西部ガス
西日本鉄道
九州旅客鉄道(JR九州)
九電工


九州七社会は1950年代に、総会屋対策の情報交換を目的として発足したようです。
その後、総務担当の取締役や担当者が定期的に集まり、地元行事や学術・文化活動への寄付の方針など、調整が必要な議題を協議してきたようで、実際に、博多祇園山笠やスポーツ大会などでよく目にすることも多いです!
現在では、寄付金の調整などはしていないようですが、九州経済への貢献への意思は非常に強く感じる企業群です。

九州七社会それぞれの企業の特徴は?

ここで、九州ビズ太郎は気になりました。
銀行とガス/電気と鉄道って競合だし、喧嘩にならんのか?どっちが優位とかないんか?と

それぞれの企業特徴を見てみましょう。

福岡銀行

■事業の特徴

ふくおかフィナンシャルグループの中核企業である福岡銀行。
九州・沖縄エリアの企業のメインバンクで1位が福岡銀行。(データ元:https://www.tdb.co.jp/report/economic/4ntmdu92lb3/
福岡県内では、福岡市側に力が強く北九州は同じ七社会の西日本シティ銀行がシェアが高い状況。
近年では、アクセンチュアとの提携を活かして次世代バンキングシステムの構築を進めています。この取り組みでは、「Banking as a Service(BaaS)」型のビジネスモデルを視野に入れ、金融機能をさまざまな事業者に提供することを目指して、「みんなの銀行」と言う完全デジタルバンクも立ち上げ、スマートフォンだけで完結するサービスを提供しております。

■九州ビズ太郎の一言

デジタル化を推進/中途採用も積極的な雰囲気と変化の様子は感じますが、Openworkのクチコミなど見てもまだまだお堅い印象は強いようです。
営業開拓などしていくときにも、「福岡銀行が利用している」は強みになるでしょうし、福岡銀行と提携して営業などできると彼らの持つ販路はものすごく活用できそうですね!

西日本シティ銀行

■事業の特徴

九州・沖縄エリアの企業のメインバンクで福岡銀行に次いで2位がこの西日本シティ銀行です。2004年に株式会社西日本銀行と株式会社福岡シティ銀行が合併して西日本シティ銀行が発足。合併当時は、不良債権処理に追われるなど苦難の船出でしたが、20年経過した現在では完済し、盤石な総合金融企業として九州を引っ張っております。
KPMG ジャパンと共同でスタートアップ支援も行っており、中小企業の支援にも強みを持っております。(参照:https://www.ncbank.co.jp/assets/a5d6dd906a3c43e5bbf96d8adc3d2a13/4afdae87360b42bcb2e982ed4aafaca5/240729-01.pdf

■九州ビズ太郎の一言

待遇面など純粋に比較すると、福岡銀行の方が良いと地元の方々は仰りますが、意外とどっちが大きいかあまり知らない人も多いほどに福岡銀行と双璧をなしている存在です。
大濠公園近くに、ものすごく立派な研修施設兼社員寮を持っており、人への投資も積極的な企業になります!


九州電力

■事業の特徴

九州の企業で最も売上高が大きい企業がこの九州電力です。
売上高は2兆1,394億円(2024年3月期)
九州エリアの電力という名前通りのイメージの部分以外にも、グローバルな活躍も一部していたり、ディベロッパー的な取り組みもしていたりと幅広く事業を展開しています。
七社会には発足当初から西部ガスと西日本鉄道と共に加入しており、同じくライフラインを支える西部ガスとはライバル関係にあります。(西部ガスは電力事業もあるため)

■九州ビズ太郎の一言

人材レベルや採用力は最も高いと思われるのが九州電力です。九州大学の学生や、九州出身の旧帝大学生なども多く入社しております。
九州のインフラを支えているため、九州のための貢献という文脈で様々な取り組みをしており、今後も目が離せません。

西部ガス

■事業の特徴

九州のガスはこの西部ガスに支えられています。
しかし実は、ガス事業の売上は60%ほどで電気や都市開発など他事業で40%近い売上を創出しております。
九州電力のライバル会社ではあるものの、売上高で比較すると差分は大きく2,563億円(2024年3月期)と実は10倍近く違います。
七社会には発足当初から九州電力と西日本鉄道と共に加入しており、九州電力とはライバル関係です。(九州ビズ太郎の家は西部ガスです。笑)

■九州ビズ太郎の一言

対象エリアは福岡、長崎、熊本のみと後述する西日本鉄道と西部ガスは他企業と比較すると、展開エリアがやや狭いです。近年は、都市開発にも力を入れておりマンション販売戸数も増え、収益の柱に育っております。

西日本鉄道

■事業の特徴

「西鉄バスが止まる天気はやばい」という言葉をXで見るくらいに、屈強なバス網を持ち合わせている印象が強い西日本鉄道(略称:西鉄)。社名に鉄道と入り、バスのイメージも強い西鉄ですが実はこの2つの事業の売上は全体の20%ほどなのです。
そんな彼らの稼ぎ頭は、国際物流部門。空運海運どちらも行っており、国内4位の事業です。
また、不動産事業も積極的で2025年4月末にはONE FUKUOKA BLDGをオープン予定。彼らの本社機能も移転しさらなる飛躍が期待されます。

■九州ビズ太郎の一言

西鉄は、売上約4,000-5,000億円のため、西部ガスよりやや大きな規模と捉えて良いです。エリアはほぼ福岡。国際物流部門は東京なので、九州という文脈よりは福岡〜世界のような文脈が近い印象です。晴れやかな印象の仕事もありながら、バスの運転手など生活を支えるお仕事も多く仕事の振れ幅は大きそうな印象。

九州旅客鉄道(JR九州)

■事業の特徴

九州一円に電車を張り巡らしていただいているまさに九州のインフラ・JR九州。
売上は4,204億円(2024年3月期)。鉄道事業はおよそ40%ほどで、不動産事業や飲食事業なども展開しております。
JR九州の豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」は、米旅行誌「コンデナスト・トラベラー」の「読者が選ぶ 世界の豪華列車」で3年連続で1位に選ばれるなど観光列車も強みにインバウンド需要を取り込めております。
その他、電車の自動運転やダイナミックプライシングなど新たな取り組みも積極的に行っております。

■九州ビズ太郎の一言

民営化され、JR九州が発足して以降2016年3月期まで一度も黒字化していないほどに、赤字体質で苦しんでいたJR九州ですが、近年は安定的に利益を出すことができるようになっております。他の本島以外のJR北海道やJR四国の状況を見ると、JR九州がいかにチャレンジングに様々なことに取り組んだ成果なのかと感じます。新しいことにも積極的なので今後の展開が楽しみです。

九電工

■事業の特徴

九電工と初めて聞いた人は、一瞬「九州電力の子会社?」と勘違いする方も多いのではないでしょうか。もちろんそんなこともなく、電力会社と電気設備会社という関係で業務の多くで関わっていることが想定されますが、企業としては完全に別です。
そんな九電工は、実は九州以外の全国〜世界に展開しております。そのため、社名と実業が合わないことを解消するために、2025年10月に社名変更をする予定のようです。
売上高は4,408億円(2024年3月期)

■九州ビズ太郎の一言

一般生活ではあまり接することはないですが、サブコン業界の活況と共に株価も数年前と比べてかなり上がってきている銘柄です。業績も好調。
陸上競技中心に、スポーツ支援にも積極的な会社なので今後も応援していきたいですね!

最後に

九州七社会の分析はこちらで終わります!いかがでしたでしょうか?
九州七社会は九州エリアを引っ張る存在で、今も昔もこれからも中心になっていく存在です。
しかし実は、麻生グループ/トヨタ自動車九州/昭和グループなど九州七社会よりも大きな売上を誇る企業も多くいるのが九州エリアの面白いところ。今後はその辺りも解説するのでぜひご覧くださいませ。

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