[聴覚心理]院試備忘録7.求心性と遠心性

7-1.キーワード

トノトピー、求心性神経路、遠心性神経路、

7-2.概説

音をきく能力がある器官は二つに分けられます。
1つが聴覚末梢系、2つ目が聴覚中枢系です。
聴覚末梢系が外耳、中耳、内耳です。
聴覚中枢系が脳幹(蝸牛神経核から大脳まで)です。
そして今まで見てきたのが聴覚末梢系から聴覚中枢系までの流れで、これを求心性神経路といいます。
求心性神経系や聴覚求心路など表記は色々あります。
そして遠心性神経路は聴覚中枢系から聴覚末梢系への流れです。
イメージとして、手の触覚を例に考えてみましょう。
熱いものに触れたとき、熱いという情報が中枢系まで送られます。
その結果、直ちに手を離すという行動を取らせることで熱いという情報が消失します。
聴覚だと、とても大きな音が聞こえてきたときに耳を守る機能が備わっています。
求心性は上向性、遠心性は下向性と言い換えられたりします。
また、神経路という言葉は伝導路とも言い換えられたりします。

7-3.求心性神経路

有毛細胞から脳幹にある中枢神経系を経て大脳まで電気信号が運ばれていきます。
この時の電気の反応から聴性脳幹反応(ABR, auditory brainstem responce)という検査が行うことができます。
重要なキーワードとしてはトノトピー(周波数局在性)です。
前の章で述べましたが、周波数ごとに反応する部位が異なるというものです。
このトノトピーが重要な理由は、ある刺激に対して中継核のどの部分が反応するかを同定して中継核の働きなどを明らかにできるからです。

7-4.遠心性神経路

現在、考えられていることは強大音に対して有毛細胞を保護するために外有毛細胞の大きさを変化させることです。
特に聴覚野(AC)、下丘(IC)、上オリーブ核(SOC)から多くの指令が出ています。

また、この働きは耳音響放射(OAE, otoacoustic emission)によってみられます。
これは刺激に対して内耳から音が出ていて、これを測定するというものです。
検査に関しては別の章でまとめます。

6-5.furthermore

神経伝達物質(グルタミン酸、アセチルコリン、アスパラギン酸...)
螺旋神経節細胞の応答
グルタミン酸受容体の局在

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