[聴覚心理]院試備忘録3.中耳
3-1.キーワード
鼓膜,耳小骨,卵円窓,インピーダンス,耳管,インピーダンス整合
3-2.構造
鼓膜、耳小骨、卵円窓、中耳腔から成り立つ
耳小骨は鼓膜側から順に槌骨(ツチ骨)、砧骨(キヌタ骨)、鎧骨(アブミ骨)の3つからなる。
鼓膜から受けた空気振動は耳小骨を経て卵円窓から内耳に入力される。
耳小骨がある空間を中耳腔といい、耳管に接続している。
3-3.中耳の機能
空気振動を中耳の中のリンパ液に伝える機能が主たる機能です。
加えて耳小骨による過大音を吸収して内耳に大きな音が伝わるのをある程度、防いでくれます。
空気振動は耳小骨によって骨の運動に変換されます。
骨の運動が内耳のリンパ液という液体に伝えられるのですが、ここで問題が生じます。
水面に向かって大きな声を出してみたとき、その水面はどのくらい揺れるでしょうか。
おそらくその揺れはとても微小です。
ですのでその振動を増幅してあげる必要があります。
その役割をインピーダンス整合といいます。
中耳ではパスカルの原理とテコの原理によって増幅が生じています。
パスカルの原理は同じ力を加えたとき、面積が小さい方が圧力が大きくなる現象です。
具体的には鼓膜と鐙骨の末端の面積比は17:1です。
計算してみると約25dB増加します。是非計算してみてください。
次にテコの原理は支点力点作用点っていうやつです。
例えばシーソーでは自分より重い相手を持ち上げるには、相手を中心に近いところにして、自分は端っこに座ると相手を持ち上げることができますね。
具体的には砧骨のテコなどによってテコ比は1.3:1となり、計算すると2.5dBの増加となります。
また、耳管は咽頭に接続しています。
これによって外部の気圧と中耳の気圧を同一にしています。
3-4.furthermore
耳小骨筋反射
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