果たせぬ贖罪:3年間の詰まり

SNS歴が4年半に到達した、ある男の物語である。


彼は幾度となくアカウントを変更しつつも、あるタイミングで出会い、現在に至るまで必ず一人のフォロワー(以下A)を大切にしている。彼らの趣味趣向は、お世辞にも綺麗に一致しているとは言えない。だが、彼らは古くからの付き合いがあるため、男は大事な局面には、Aに相談することもある。

何故なのか?それは男が起こしたあるトラブルが元である。

そして、以下の内容は、かつてAに相談した内容に関わることでもある。​



1.過去

2年目、男はAと初めて出会った。彼らは共通のフォロワー(以下B)に、男の依頼でAとの仲介を依頼され相互フォローとなった。しかし、程なくして、男は以前から発生していた鬱が再発した。

実は、その原因となったのはBの私情によるアカウント変更であった。Bとも仲良くしていた男は、Bの移行先でフォローする条件に当てはまっていなかった。当時学生であった男は、妙な家庭環境からインターネットリテラシーを把握していなかった。

この不運が災いし、男はBに粘着するようになった。当然、Bも把握しているため、しばらくしてBにブロックされることになった。そして、男は三度アカウント移行を行い、新たな環境で一から再出発した。


今思えば、Aは感謝してもしきれないほどに親切であった。そう感じた経緯は、奇妙にも似たようなトラブルであった。


2.現在

凍結や環境への嫌気を経験しつつ、現在では6個目のアカウントで再出発をした男。Aはもちろん、前回のアカウントで友好になった新たなフォロワー達とも最初期に相互となった。

特に趣味趣向が非常にマッチしている6人のフォロワーと、グループLINEを作成した。また、発起人(以下C)とはまたほかのメンツとは違う、トクベツな趣味を初めから共有していた。

また、このLINEメンバーと繋がっていることは、前回のアカウントで自発を貰ったフォロワー(以下D)のおかげと言っても過言ではないだろう。男は感謝していた。

…………が、そのDを1年後に嫌うようになっているとは、誰が予想できただろうか。


1ヶ月ほど前からだろうか、徐々にCが病んでいく様子が見受けられるようになった。紆余曲折を経、男は原因の仮説をたて、他のグループメンバーを緊急招集した。

ここでその仮説を簡単に並べると、

・Cは誹謗中傷を受けていた

・犯人はCだけでなく、男が所属するグループメンバーだった

・その正体は、あのDであった。


つまり、身内内攻撃なのだ。

男は仮説を他メンバーに伝え、こちらもまた奇妙なことに、D自身も独自に動き出した。アカウント削除、Twitterではメンバーをブロック解除、そして…表面だけの「謝罪」。

(謝罪後に悪化したが、この件はまた別の話…)


3.後悔

結局、現在ではCはD及びその取り巻きをブロックしたことにより、騒動は鎮静化している。だが、男は騒動の中であることに気づいた。実はこの騒動、男にとって初めての経験ではない。

身内間の騒動、被害者からのブロック、それによって鎮静化、そしてアカウント削除…。

そう、3年前に男が加害者として当事者となった、あの騒動と状況が非常に一致しているのだ。

男はこの件が非常に心残りであった。特に、Dの騒動直前には3年経過していたこともあり、凍結から復活した際からBへの謝罪を果たしたかった。そして、表面上ではあったのだがDはCに「謝罪」という行為を果たした。

この一件もあり、遂に覚悟を決めた男はBへの謝罪を本気で決意した。だが、やはり直接DMを送るのは非常識だと考えた(人見知り且つきまずい、という理由もあるのだが…)。そこで、今でも親身に相談に乗ってくれ、Bとも親交も続いているAに事情を説明し、仲介を依頼した。

だが、Aは事情を理解してくれた上で、謝罪は不可能であることが伝えられた。もう、男はBへ思いを伝えることは永遠に出来ないのだろう…。辛い宣告だ。


4.総括

現在、男はBはもちろん、Dとも関わることはなくなった。だが、この繋がりを失った経緯が真逆である2人は、私にとって大きな意味を成していると信じている。

また、私はどんな環境、どのような者であろうと、彼らにとって親しき者は特に大切な存在であると考えている。故に、見ず知らずの他人以上に加害を与える罪は重い。

昨今、誹謗中傷が新たな社会問題となっている。たとえ軽い気持ちであっても、絶対に行ってはならないことだ。SNSを現実に置き換えるなら、もはや「いじめ」と同義だ。

前述のように、私は禁忌と考えている「親しき者へのいじめ」を行った。被害者であるBの苦しみは計り知れないはずだ。許されない行為である。

だが、この悪しき過去を省みることで、私は謝罪が出来ぬ「今」を進みたい。

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