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【山】雨の誕生日、雲取山で


皆さん、こんにちは!
だったです!


三十路を越えて早数年
毎年誕生日を迎えると反省モードになってしまうだっつです

だって、普通の同級生はみんな
会社で出世して、結婚して家庭を築いて、家とか買ってるじゃないですか

それに対して、たいした仕事にもつかず、何一つ得たもののない自分

学生時代には自分が勉強を教えていたあの子、その子が
人生の先輩になり、飲み会にでもなれば
今度は説教される側になる始末

生きていて、なんでこんなに惨めなんだろう
人生ってなんでこんなに意地悪なんだろう
と毎回思います


同級生と飲みに行って人生説教されるのは少し辛いです

三十代前半ですらこれなので
きっと、歳を重ねるごとにもっと誕生日が怖くなって
自責の念に駆られるんだと思います

そんな、今年の誕生日だったのですが
下界にいると色々なものが目に入りすぎて
嫌になって
山に籠ることにしました笑

雲取山は奥深く、スマホの電波もあまり入らないのでちょうど良かったのです

こんなネガティブな登山ある?笑(いや、ない)

起点は奥多摩駅

誕生日は4月なのですが
この時期に空いてるテント場もそんなにないので日本百名山に名を連ねる雲取山へ行くことにしました

天気は雨、ぱらつく雨くらいかと思えば
しっかりと水の滴るレベルの雨でした

雲取山は2017m、東京都の最高峰で
片道5時間ほど難所はないですがしっかりとした山です

晴れるのに越したことはないのですが
この日は気分的にこれでもいいなぁという感じでした

鴨沢の登山道

晴れた休日には何度もすれ違いの起こる雲取山ですが、
この日は誰ともすれ違いませんでした

雨は奥に行くにつれだんだんと強くなり
体は汗で濡れてるのか、雨で濡れてるのかよく分からなくなります

テント泊装備

途中、七ツ石山を巻いて巻道を歩いていると
アナグマにすれ違いました
普通に登山道の真ん中を歩くアナグマ
それだけ人がいないんですね

自然の中に自分1人だけ
誕生日にこんなところで何をしているのだろう
自分はどこに向かっているのだろう

そんなことを思いながら
黙々と足を進めました
誰もいない山は不安で、でもどこか誰もいないことに安心もできるようで不思議な感覚

名物ダンシングツリー、もちろん別日のです

稜線に出ると風も出てきました
雲取山は森林限界は越えないものの
防火帯を歩くので視界良好です、もちろん晴れていれば

この日は真っ白で風がただ強く吹き付けるだけでした

とある日の石尾根


天気が悪すぎて
写真がほぼ残っていないのです

自分にしては珍しくそれだけ黙々と登りました

重いテント装備を背負い
何度も立ち止まって息を整えながら
黙々と登る

登ったところできっと景色は見えないだろう
何度も登っていて百名山のピークハントになるわけでもない
それでも、登りました


やっと辿り着いた山頂には誰もいませんでした
墓石のように立派な雲取山の山頂標柱をみて
登頂したんだなと、小さく達成感を感じました

そして、さらに30分ほど歩き
雲取山荘に到着、受付を済ませ
雨の中テントを設営

何気に初張りだったアトム

寒すぎて悴む手を騙しながらペグをうち
速攻広げた寝袋に潜りこみ、いもむしとなりました
到着時間は少し遅かったのですが
だっつの他には2組くらいしかいませんでした

寒さと、疲れとでとんだ誕生日だ思いながら寝袋でテントの天井を見つめました
吹き付ける風と雨でテントが終始揺れていました
適当にスマホで時間を潰そうと思いましたが電波もなく
何もすることなくぼーっとしていました

でも、誕生日だし
もしかしたらこの後感動のサプライズで
満点の星空が見えたりするのかもしれない

そんな淡い期待を抱きながら
夜になってもちょくちょくテントの外を見てみたりしたのですが
結局何も見えることなく
おそらく人生で一番寒かったであろう誕生日を終えたのでした

翌日も天気予報がそこまで良くなかったので
ご来光も諦め、登山にしては遅めの時間に起床することにしました

雨の音がしないと思ったら

明朝、夜の間続いた雨の音がしなくなっていました
外に出てみると

木々の間からご来光が

『なんだ、晴れたじゃん』

昨日1日、せっかくの誕生日なのに
全てがうまくいかない自分の人生を表しているかのようだった天気とは一転

歳を重ねた翌日は嘘みたいに晴れ渡る空でした

雲取山から見えた雲海

人生って期待したときは
ダメでも

案外、どうでもいいやって思うと
いいことが舞い降りてくるのかな

なんて、それっぽいことを少し思いました


石尾根分岐から富士山

その後、テント泊を重ねることになる自分ですが
この時に悪天候のテント泊を経験したおかげで
ある程度対処できる幅が大きく広がりました

免疫がついたというか
雨であろうと、風であろうと
誕生日の雲取山登山と同じだと思うと
どうにかできる、乗り越えられる、と自信がつきました

登山ってすごいなと思うのですが
こんな散々な経験をしていても

後々になってみると
ただの嫌な思い出じゃなくて、きちんと経験として自分の財産になってる
自分の成長として自分の身になっている

悪天候を乗り越えた自分、成長できてる
山は色々失った自分にも成長を与えてくれる

逆に悪天候でよかった
…とまでは流石に思わないですが笑
結果として誕生日に自分に少し自信を持つことができました


登山の時いつもこんな暗いの?
そんなことな…いや、そうかもしれない笑


そして、さらに自分は山にハマっていくのでした


ふらいあうぇい

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