片麻痺患者のための掃除機選び リハ視点での推奨機種と使い方 ~作業療法士・理学療法士のためのADL実践ガイド~
みなさんこんにちは。作業療法士の仲田です。
今回は、リハビリテーションにおける掃除動作について、実践的な視点からお伝えしていきたいと思います。特に掃除機選びの重要性と、片麻痺の方への効果的なアプローチ方法についてご紹介します。
実際にZoomのナイトセミナー「OTしゃべり場」というADLなどを話し合う場で出てきた掃除に関する会話を一部お伝えします。
>>>OTのしゃべり場
先生!掃除について確認です。
掃除についてですか?
ほら、私は実家暮らしなので掃除とかやらないじゃないですか。うちにある掃除機は充電式でボタン一つで使えるんですけど、仕事場に置いてある掃除機はコードがあって、使いにくいんですよね。
なんの話をしているのですか?
要するに、リハビリで掃除を行うのにコードが邪魔で私でも使いにくいけどそれで良いのかの確認です!
いつ購入した掃除機かは知りませんが、コードレスの掃除機はかなり増えていますからね。
上司に新しい掃除機の購入をお願いすればいいですか?
それも一つの方法ですね。まず、その患者さんが使っている掃除機はご存じですか?
確認しようとして忘れてました!
確認しようと思っていたのは良いことです!どのような掃除機を使用しているかは重要ですね。
掃除機の種類と特徴
1. キャニスター型掃除機
特徴:本体にホースを繋げて使用
利点:強力な吸引力、安定した性能
欠点:重く、収納に場所を取る
主な用途:カーペット、広い部屋
2. スティック型掃除機
特徴:縦型で軽量、手軽に使える
利点:軽量、使いやすい
欠点:吸引力がキャニスター型より弱い
主な用途:狭い場所、日常の掃除
3. ロボット掃除機
特徴:自動で掃除、スケジュール設定可能
利点:手間がかからない、自動充電
欠点:隅々まで届かないこともある
主な用途:広い部屋、定期的な掃除
4. ハンディ掃除機
特徴:小型で持ち運びやすい
利点:車内や家具の上に便利
欠点:吸引力や稼働時間が制限される
主な用途:車の中、スポット掃除
5. コードレス型掃除機
特徴:充電式でコードがなく、自由に動ける
利点:どこでも使用可能
欠点:バッテリー寿命やパワーの限界
主な用途:家全体の日常掃除
6. 業務用掃除機
特徴:商業施設や工場向けの強力掃除機
利点:強力な吸引力、大容量
欠点:大型で重く、価格が高い
主な用途:商業施設、工場
7. サイクロン型掃除機
特徴:フィルターが詰まりにくく、吸引力が持続する
利点:メンテナンスが少なくて済む
欠点:価格が高いものが多い
主な用途:一般家庭、頻繁な掃除
8. 紙パック式掃除機
特徴:ゴミを紙パックに集める方式
利点:取り替えが簡単、清潔
欠点:ランニングコストがかかる
主な用途:一般家庭、衛生重視の場所
ほへー、いろんな種類があるんですね。ちなみに、片麻痺の方が使いやすいのはどれですか?理由とかメリットが知りたいです!
片麻痺の方におすすめの掃除機と選び方
1. ロボット掃除機
理由:掃除を自動で行ってくれるため、物理的な操作を最小限に抑えられます。日常の掃除をサポートしてくれます。
メリット:手を使う必要がほとんどなく、設定さえしてしまえば自動で掃除をしてくれます。
2. スティック型掃除機
理由:軽量で片手でも操作しやすいモデルが多い。コードレスのため、コードの引き廻しの手間がなく、移動もスムーズです。
メリット:片手で軽く持てることや、細かい場所も掃除しやすいことから、動きが制限されている場所も負担が少ないです。
3. ハンディ掃除機
理由:非常に軽量で、片手で簡単に操作できます。小さなゴミや狭い場所を掃除するのに便利です。
メリット:軽量で取り回しがしやすく、短時間でのスポット掃除に適しています。片麻痺の方が片手で扱うのに最も負担が少ないタイプです。
4. 軽量なサイクロン型掃除機
理由:一部のサイクロン掃除機は軽量化されており、片手でも持ち運びや操作がしやすいモデルがあります。
メリット:吸引力が強いため、軽量で操作がしやすいモデルを選べば、片手でもしっかり掃除できます。
まとめ
どんな掃除機を扱っているか確認する
掃除機の種類と特徴をおさえる
片手でも使える掃除機の理由とメリットを知ると良い
いかがだったでしょうか。視野が広がり少しでも役に立てたのなら幸いです。
次回は上衣動作についてを予定しています。
>>>7/2 coming soon