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【シティリーグ優勝】タケルライコ デッキ解説

こんにちは、ぶんぶんと申します。

ポケモンカード歴は2022シーズンからで主な実績は

2022 シティリーグ 準優勝
2022 シティリーグ ベスト8
2022 シティリーグ 準優勝
2023 シティリーグ ベスト4
2024 シティリーグ 優勝
2025 シティリーグ 準優勝
2025 シティリーグ 準優勝
2025 シティリーグ 優勝

なるべく対策デッキや局所的なメタカードに頼らず『プレイングを磨くことで勝ちたい』という信条のもとポケモンカードに取り組んでいます。

よろしくお願いします。


■はじめに


本記事は先日のシティリーグS3で使用し優勝したタケルライコの解説記事です。

今回の優勝でCSPがトレーナーズリーグ込みの280となり、目標であったWCS(世界大会)への出場に手が届く位置につけることができました。

開催地であるアメリカ アナハイムへの渡航には大きな出費が予想されるため一部有料記事とさせていただきました。

支援の意味合いでご購入いただけると今後の励みになります。

ただ記事の内容自体はたくさんの方に読んでほしいと考えているため、デッキを使う上で一番重要になる立ち回りの部分と今後の課題と改善案の部分を有料記事とし、支援いただけた方への特典とさせていただくことにしました。

■デッキの選択の経緯

今回のデッキの選択において一番重視したのは『安定感』という言葉にほかならないだろう。

決まった時のリターンは大きいが決まらなかった時にそれ以外の手段でお茶を濁すことができない所謂『ムラのあるデッキ』は練習量が勝率に直結しにくいので言ってしまえばどれだけ時間を割いて練習しても最終的には当日の運で全てが決まってしまうと言っても過言ではない。

せっかく時間を割いて練習しているのに『ムラのあるデッキ』では実力を発揮することなく勝負がついてしまうことが少なからずあるためそういう負け方が続くと何のために練習しているのか?という疑問すら生じてくる。

安定して展開ができるデッキであればプレイに『技術介入』の余地が生まれるのでそこではじめて練習した意味が生まれるというのが自身の考えである。

これは今回に限ったことではなく常に練習量と勝率がリンクするデッキを選びたいという至極まっとうな理由のもとデッキを選択することが多いので今回もこれを踏まえてのデッキ選びからスタートとなった。

自分にとって2024年最後の大型大会であったCL大阪を終えてからはレギュレーション変更後のシティリーグS3を見据えてバトルパートナーズの発売が控えているものの一旦Fレギュレーション抜きでの現行カード+発表済みカードのみを使用したデッキの模索を行った。

まずどのデッキを試すにあたっても壁にぶつかったのがデッキの潤滑剤であった《かがやくゲッコウガ》と《ネオラントV》、《ロトムV》、《森の封印石》を欠いたことによる再現性の著しい低下である。

レギュレーション変更前に活躍していたデッキの多くは前述したカードや強力なVstarパワーないし安定したリソース供給を可能にするカード(《キルリア》など)に依存していたものが多くレギュレーションの変更に伴って代用カードの模索もしくはデッキコンセプトの大幅な変更を余儀なくされている。

レギュレーション変更後も戦えそうなデッキについてSNSで議論されているのを目にすることはあったものの実際にどれぐらいパワーが落ちるのか、プレイ方針の変化はあるのかなど見当もつかず自分で試すほかないと考え片っ端から色んなデッキを試した。

基本自分のデッキ選定の方法は『消去法』である、冒頭では『ムラのあるデッキ』に苦言を呈したがどんなデッキでも数回は必ず自分で使って試したうえで『安定感』と『デッキパワー』が自分の中での許容のラインをクリアしているデッキの中から環境にマッチしているデッキを選択することが多い。

そのうえで自分の許容ラインをクリアしたデッキが以下の3デッキ。

・タケルライコex/オーガポンみどりのめんex
・ドラパルトex+カースドボム
・リザードンex/テラパゴスex

この洗い出しはちょうど年末のタイミングでうんのヘタレの3人で集まることができたためおよそ3日間自宅に泊まり込みでひたすら可能性がありそうなデッキ同士を戦わせてふるいにかけるという愚直かつ狂気じみた方法で行った。

彼らとは15年来の旧知の仲で忌憚ない意見をくれるので、当落線上で揺らいでいたソウブレイズとサーフゴーの2デッキを容赦なく切り捨ててくれた。

候補デッキが出揃い、この3デッキを軸に調整を進めていき最初はタケルライコex/オーガポンみどりのめんexデッキ(以後タケルライコ)が少し勝つな程度の所感だった。

しかし試行回数が増えていくにつれて2進化系統のデッキと潤滑剤を欠いたデッキが軒並み立ち上がりの不安定さと必要札を集めることに苦戦し接戦に競り負けることが目立ちはじめる一方で、タケルライコは誰が使い手になっても度々見せる理不尽なブン回りと抜群の安定感を保ち続けた結果、満場一致で間違いなくタケルライコが頭ひとつ抜けて強いという見解に至りS3の最有力候補として重点的にブラッシュアップを続けることに決めた。

一番最近に使っていたリスト

レギュレーション変更前から存在はしていた《ゼロの大空洞》を使う型。

レギュレーション変更によって《かがやくゲッコウガ》が使えなくなったが大きな痛手に感じることもなくプレイできた。

年末の調整最終日のリスト《ヨルノズク》ラインが増えた。

最終的にシティリーグS3で使ったリストと3枚違うものの大枠は年末の時点で完成していた。

リストの変更点については後述の採用意図にて補足していく。

非常に有意義な年末を送り、年明けにはタイムリーなことに地元でFレギュレーション使用不可のショップ大会があったためうんのとこのリストで参加して20人ほどの小さい規模ながらも自分は危なげなく4戦全勝、うんのも3-1と調整の結果は上々に思えた。

1月中旬にはバトルパートナーズの全カードリストが公開されたがタケルライコの立ち位置が危ぶまれる事態には至らないと判断したため当初の予定通りこのデッキをシティリーグに持ち込むことはほぼ確定。

本来であれば2/9に鳥取でシティリーグに参加する予定だったが、レギュレーション変更から半月のスパンがありこの半月でタケルライコのデッキパワーの高さは周知のものになり、このデッキに対するガードは日に日に上がるだろうと予想。

まだ多くのデッキが試行錯誤している雑多な環境であればあるほど地力で押し切れるという確固たる自信があったため環境が固まる前のシティリーグに日程を変更することに。

1/21㈫ 会場変更を決断

そしてレギュレーション変更当日を迎え新環境は自分たちの予想通りに動いているだろうかとXを覗くとそこには「ミロカロス」の文字が。

しかもひとつだけではない、自分達が考えもしなかった《ミロカロスex》を軸に据えたデッキが日本各地に群発的に発生して上位入賞に名前を連ねていた。

1/24㈮ カードキングダムイオンタウン周南店 優勝

自分達が本命デッキと位置づけていたデッキ達をほぼ完璧にブロックできる構築になっており大本命であるタケルライコも《リキキリンex》によって非常に苦しい展開に持ち込まれることは容易に想像できた。

正直この手のメタデッキは環境がある程度固まってから出てくるイメージを持っているためレギュレーション変更当日に現れたことに大きな驚きと日程を前倒ししたことに焦りを感じたがその日のうちに《オーガポンいしずえのめんex》などで比較的簡単に対策できることがわかり事なきを得たため軽微なチューンアップを加えて当日を迎えるに至った。

■デッキリストと採用理由

【デッキコード】vbF1vV-3tdSZN-kkVFkF

最終的にシティリーグで使用したのが掲載したリスト。

一部汎用カードについては説明を割愛するが、ほぼすべての採用カードについて触れていく。

・タケルライコex 4枚


《オーリム博士の気迫》を強く使うためアタッカー+1枚が常に場に出ていることがベスト。

お互いのアタッカーが毎ターン気絶するような真正面からのぶつかり合いになった場合、試合通してアタッカーとして使用する《タケルライコex》は多くても3枚であるものの常にエネルギーの受け皿になる+1枚を供給し続ける必要があるためサイド落ちを考慮して最大枚数の採用。

・オーガポンみどりのめんex 4枚

特性「みどりのまい」により盤面にエネルギーをプールしながら1ドローできる点に加え、昨今増加傾向にある草弱点のポケモンに対する優秀なアタッカーになれる点において現行のたねテラスタルの中で突出した単体性能を持つ。

ゲームを通して『2枚あれば事足りる』ことがほとんどだが、このカードが場になければ「ほうせきさがし」が使えないため序盤から終盤まで必要になる。

言い換えれば『2体は必ず盤面に出す』ことがほぼマストになってくるためボールで優先して探しにいく対象になる。

そのため現物を増やすことでボールを使わずに引き込むことができれば《オーガポンみどりのめんex》に回す必要のあったボールで別のアタッカーやシステムを探しに行くことができ、さらに強固な盤面形成が可能になるため枚数を甘えず最大枚数の採用としている。

・オーガポンいしずえのめんex 1枚

《リキキリンex》を擁するミロカロスデッキに対するジョーカー。

一度《リキキリンex》の着地をゆるしてしまえば従来のタケルライコでは余程のことがない限りそれだけでゲームが終わる可能性があり何かしらの対策カードを採用する必要性があったため、何枚かの対策カードを吟味して直前で採用に至った。

後述する《アカマツ》との相性もよく1ターン早く動くことができ、目の前の脅威に対してスピード感を持って対応できるため非常に使いやすい。

またテラスタルを持っており本来であれば使う必要のないデッキ相手にスタートしてしまったとしても「ほうせきさがし」の発動条件を満たすことができるのは地味に嬉しい要素である。

・ミュウex 1枚

追撃性能をさらに向上させるために採用。

相手からの手札干渉に対する受けになるだけでなく、自ら手札を減らすことでカードを引きに行くことができるため能動的に必要なカードを探しに行くことができるので明確な負け筋となる場合を除けば中盤から終盤にかけて積極的に準備したい。

また優秀な前出し要員で《ゼロの大空洞》を剝がされた際には役割が似ているが手札を整える効果を持たない《ラティアスex》より優先して残すことが多い。

このカードも《アカマツ》で早殴りが可能であるため頭の隅に置いておくと打破できる状況があるかもしれない。

・キチキギスex 1枚

手札干渉を跳ね除けながら勝ちに辿り着く必要があるために採用。

《ゼロの大空洞》を採用しているこのデッキは最大9体のポケモンを場に出せるため《キチキギスex》をはじめとする相手にとって脅威となるポケモンを大量に場に置くことができる。

相手は手札干渉を使ってアタッカーを倒そうにも《キチキギスex》が残れば手札干渉の意味が薄れ、《キチキギスex》を取れば盤面に打点が残る。

さらに《ボスの指令》を使おうものなら《キチキギスex》が盤面から消えても手札干渉が打てないなど常に大量のジレンマを抱えながらプレイすることになるため択が多すぎるが故の取りミスを誘発したり、ベストだと思って倒したポケモンが実はハズレだったというのは少なくない。

中盤から終盤にかけての《キチキギスex》と《ミュウex》の並びが強力でこの2体を並べておけば『どこを取っても弱い』状況を作ることができる。

また当たり前ではあるが一部例外を除いてこちらのポケモンが最初にノックアウトされた次のターンから確実に置いていきたいカードで「さかてにとる」を使えないターンがあると1試合通して追加で使えたはずの+3枚~のカードを自ら手放すことになるため序盤から窮屈になりすぎないベンチづくりを心がけたい。

・ラティアスex 1枚

序盤《スピンロトム》の通りがいいデッキに対しては《スピンロトム》で戦うため逃げエネの重い《タケルライコex》でスタートした際のスイッチに使うことが多い。

反対に《タケルライコex》で倒せるポケモンがバトル場にいる場合に逃げエネをダメージに変換することができるため『バトル場を倒したいがエネルギーの集まりがよくない場面』で使用する。

バトル場の《スピンロトム》などにエネルギーがついている時に《ラティアスex》を安易に出してしまうと逃げエネをトラッシュに落とせず《オーリム博士の気迫》をうまく使えないことがある。

逃げエネをトラッシュに落とす必要がある場面は盤面とトラッシュをしっかり確認し本当に置く必要があるかもう一度考えたい。

・イキリンコex 1枚

次のターンのアクションが一切ない手札をボール1枚から仕切り直すことができる。

「ファンコール」から「ほうせきさがし」を使うことができれば最低限の動きが担保されるため《ゼロの大空洞》を使用しないタケルライコに比べ使用頻度は少ないものの今回のテーマである『安定感』を重視した結果『手札事故』による負けを『しょうがない』で片づけたくはなく抜くという判断をしなかった。

《タケルライコex》の通りがよくないデッキに対してワザ「きあいをいれる」で《オーガポンいしずえのめんex》、《ミュウex》にエネルギーを加速することがあるため覚えておきたい。

・ヨルノズク 3枚、ホーホー(さんどづき) 3枚

デッキの主要パーツであり単体性能の高い《オーガポンみどりのめんex》がテラスタルを持っているため難なく採用することができる。

最初は2枚づつの採用だったが調整段階でどちらか1枚でもサイド落ちしてしまうと「ほうせきさがし」が1回しか使えなくなってしまうことが目立ったため早い段階で3枚づつに変更したがそれをきっかけに他のデッキが全く手をつけられないレベルで勝ちはじめた。

このデッキにおいて「ほうせきさがし」を使う可能性があるタイミングは4つあり

1.2ターン目の盤面形成
2.中盤の押し込み
3.中盤・終盤の手札干渉からの受け
4.リーサルの獲得

上記の流れのいずれかの状況で達成が難しい場合に「ほうせきさがし」を使うことが多い。

逆に「ほうせきさがし」を使わなくても達成できる場合は《ヨルノズク》を温存することでそれ以降のターンの穴埋めに使用したり、高い要求を必要とされたターンにまとめて吐く選択肢を残すことができる。

《ヨルノズク》ラインが増加したことで単純に「ほうせきさがし」を言える回数が増え、本来であれば要求を越えられなかったターンのリカバリーがしやすくなり大幅に勝率を伸ばすことができた。

進化元の《ホーホー》は今回の構築では《アカマツ》を採用しているためスタートしても後攻1ターン目から《ラティアスex》を介さずに《スピンロトム》の「とつげきランディング」を宣言できる可能性があるので逃げエネ1の《ホーホー》を採用した。

特性「ふみん」の《ホーホー》はHP80で相手の《ドラパルトex》の「ファントムダイブ」+《ルチャブル》「フライングエントリー」や《スピンロトム》の「とつげきランディング」を耐える点を評価しているが残念なことに逃げエネが2である。

・スピンロトム 2枚

サイド落ちを考慮して2枚採用。

タケルライコにおける《スピンロトム》は「ほうせきさがし」ギミックを準備するだけに留まらず、1エネ70点と破格のダメージを出せる「とつげきランディング」を現行のデッキで一番効果的に使うことができるためアタッカーとしても活躍する。

このデッキを調整していた際に対面したうんの、ヘタレが口を揃えて言っていたのが『とつげきランディング強すぎ問題』である。

記事の冒頭でも述べたが、既存のデッキが軒並み『安定感』を損なったため最速後1から殴れる可能性がある《スピンロトム》に対して早いターンで完璧な返しを用意するのは非常に難しい。

とくに2進化系統のデッキはそれが顕著で下手すればサイドを取られた返しの番で盤面を整えなおしてパスという展開になることも少なくない。

そうなってしまえば次のターンもバトル場には非ルールの《スピンロトム》を置きながら「とつげきランディング」で2枚目のサイドを獲得できるのでサイドレースで圧倒的有利に立つことができる。

よっぽど手札が弱くない限り2ターン目で「ほうせきさがし」を2回以上言うことはほとんどないため《ナンジャモ》が入っていそうなデッキに対して「ファンコール」で必要以上に《ヨルノズク》を抱えるのも避けたい行動のひとつである。

・ネストボール 4枚、ハイパーボール 3枚

《スピンロトム》の「ファンコール」は最初の自分の番でしか使えないため「ファンコール」の宣言ができなかった場合デッキパワーが著しく下がってしまう。

確実に「ファンコール」を宣言するために最大枚数採用したいが《オーガポンいしずえのめんex》を採用するにあたり枠を捻出する必要があり断腸の思いで《ハイパーボール》を1枚削った。

・夜のタンカ 2枚

以前の《ポケストップ》を使っていた型とは違い基本的にポケモンが場か手札を経由することでしかトラッシュに行かないので《ポケストップ》型の疑似ボールのような使い方をすることができない。

倒された《キチキギスex》や《ゼロの大空洞》を剥がされた際の盤面の収縮でトラッシュした《ヨルノズク》などを素直に拾うことが多く、どちらかといえば受け身よりのカード。

デッキの性質上、攻めている展開になりやすく手札で《夜のタンカ》を持て余していることが多かったため3枚から2枚に減らした。

《ハイパーボール》と違いコストを必要とせず、終盤に山札に残しておくことで強烈な手札干渉が直撃したとしてもトラッシュの《ヨルノズク》を拾える可能性を残すことができるため終盤の受けとして非常に有効である。

・エネルギー回収 2枚

多くの試合で2枚目を使う頃には決着がつくため適正枚数のように思う。

以前《スーパーエネルギー回収》を採用していた際、終盤の手札干渉後に必要札+《スーパーエネルギー回収》と引いてしまい負けたことがあったためコストを必要としない《エネルギー回収》に絶対的信頼を置いている。

なるべく少ない攻撃回数でサイドを取り切る意識を常に持っておくことで、1試合で使うエネルギーの総数を少なくすることを心がけたい。

・ともだちてちょう 1枚

5枚目以降の《オーリム博士の気迫》であり2枚目の《ボスの指令》でもあるため1枚のスロットで2枚分のカードとして活躍する。

《スピンロトム》が走る展開ではサポート権が浮くことが多く、早い段階で《ボスの指令》を使って相手の急所を狙い続けることが多いので終盤で《ボスの指令》がもう1枚あるとテンポよく試合を進めることができる。

これに関しては現物を増やすより選択肢を増やした方がプレイに幅を持たせることができるため《ともだちてちょう》の採用を優先した。

・プライムキャッチャー (ACE SPEC)

ゲームを通して絶え間なく攻め続けるデッキなのでACE SPECは能動的に使えるものが好ましい。

スピード感をもってサイドレースを進めることで相手の行動を制限できる展開も多く、まさに『攻撃は最大の防御』を体現する1枚。

テンポが取れそうなら雑に使ってしまうことが多いが、いれかえ手段を《ラティアスex》に丸投げしているため不意の裏呼びでターンを作られないためにも貴重ないれかえ手段であることを覚えておきたい。

・オーリム博士の気迫 4枚

《かがやくゲッコウガ》を欠いたことで序盤で使いにくくなったものの《スピンロトム》によるやり取りが増えたため支障はほとんどなかった。

《スピンロトム》が役目を果たせば今までと同じように必要になるため減らす理由はない。

・ジャッジマン 1枚

「ほうせきさがし」でサポートカードの打ち分けが可能なため手札干渉として《ジャッジマン》を採用した。

元々は《ナンジャモ》を採用していたが基本序盤からサイドを先行し続けるデッキなので強く使えないことが多かった。

しかし《ジャッジマン》はこちらが攻めている状態でも相手の手札を減らすことができるため『安定感』を欠いた多くのデッキに対し序盤から『限られたカードで展開したうえで場から脅威を取り除く』というかなり重い要求を相手に課すことができる。

とくに2進化系統への刺さりは良く、本来であれば序盤でしっかり下準備をされてしまうと終盤から怒涛の反撃を受け続ける展開が多いが序盤で《ジャッジマン》を打ち込んでこちらの得意とする『テンポゲー(止まらずに動き続けた方が勝つこと)』に持ち込むことができる。

また《ナンジャモ》と違い終盤では相手の手札干渉後に自分の手札を増やすことができる点も評価している。

・アカマツ 1枚

当初は《スボミー》に「むずむずかふん」を打たれた時の「ほうせきさがし」の受け先として採用したが「むずむずかふん」を打たれない試合でも有効に使える場面が非常に多く調整メンバー全員の信用を勝ち得て採用に至ったカードである。

レギュレーション変更で《かがやくゲッコウガ》が使えなくなり序盤で《オーリム博士の気迫》を使うことが難しいor使っても弱い場面が増えた。

そこで《タケルライコex》が最初に攻撃する場合サポートを《アカマツ》にすることで無駄なく攻撃に必要なエネルギーを供給し「きょくらいごう」でトラッシュすることで、それ以降の《オーリム博士の気迫》を強く使うことができる。

また最初に《アカマツ》を使用することで《オーリム博士の気迫》の現物を山札に残すことができるため、実質5枚目の《オーリム博士の気迫》のような運用ができ《ともだちてちょう》を使わずとも終盤の山札が強くなりやすい。

《スピンロトム》が攻撃する際にはサポート権が浮くことが多いためとりあえずベンチの《タケルライコex》に《アカマツ》でエネを加速しておく動きも地味ながら強力で《スピンロトム》が倒された返しの番で《オーリム博士の気迫》を使わず他のサポートを使いながら《タケルライコex》で攻撃することができる。

・ゼロの大空洞 3枚

相手が《ゼロの大空洞》を張り替えてくる場合、自分から2回は使いたく初手に素引きしても強いことが多いため3枚採用した。

《キチキギスex》の採用意図でも述べているが相手の脅威となるポケモンを大量に場に置くことができる。

このデッキは強力な特性を持ったたねポケモン主体に構築されているためベンチが広がればそれらのたねポケモンを連鎖的に追加して行くことができる。

優秀なリソース回復手段である《キチキギスex》や《ミュウex》は手札干渉で流れることのない言わば『第2の手札』であるため《ゼロの大空洞》によって盤面の強さが保てていればそのまま押しきれてしまうことが多い。

■不採用になったカードと理由

直前まで採用を検討したカードと一般的に採用されてることが多いが不採用としたカードについて解説していく。

・イダイナキバex

ミロカロスに対する対策カードとして検討した1枚。

《オーガポンいしずえのめんex》と比べると攻撃に必要なエネルギーが多く《オーリム博士の気迫》の恩恵を受けることはできるが前者より準備に時間を要する。

ただし、一度攻撃に加わわることさえできればワザ「グレートバッシュ」で毎ターン相手のポケモンを気絶させられるため相手に猶予を与えることなく役割を遂行することができる。

不要な対面にスタートした場合や万が一メタ対象のデッキに時間を稼がれてしまった際に、自身の特性「ゆさぶりくずす」により重要なカードがトラッシュに落ちてしまったり、LOによる敗北の線があるためリスクを負う必要のない《オーガポンいしずえのめんex》を採用した。

・勇気のおまもり

ドラパルトやミラーに対する有効札として1~2枚入れておけば「ほうせきさがし」から持ってくることができるためもちろん採用を検討した。

相手の展開次第ではケアされてしまうことがあり効力にブレがある点や《ドラパルトex》を2ターン連続でノックアウトする展開になれば3枚目の《ドラパルトex》のエネルギー供給が間にあわずそのまま勝ってしまうことが多く理想の展開ができていれば過剰なカードとなることが多かった。

そもそも今回の構築ではドラパルトに対して《ジャッジマン》によるアプローチを考えており、戦わずして勝つ展開になりやすかったため採用を見送るかたちとなった。

ただしスタートしてしまった《イキリンコex》や《ミュウex》につけることで典型的な負けパターンを回避できるため不採用になったカードの中でも評価自体は高めである。

・ゼロの大空洞以外のスタジアム

《ゼロの大空洞》を張り替えることで手負いのポケモンや負け筋になる可能性のあるポケモンをトラッシュできる。

基本的にこちらのポケモンが1度でも攻撃を耐えてしまえば、わざわざ手負いのポケモンをトラッシュせずとも戦況がこちらに大きく傾いていることが多い。

調整段階では《ジャミングタワー》を採用していたが自分から盤面を狭める行為があまり強くないこともあり《ジャミングタワー》が「ほうせきさがし」の選択肢になることがほぼなかったため不採用とした。

■おわりに

ここまで読んでいただき感謝します。

タケルライコはバトルパートナーズ環境で引き続き使用者の多いデッキになると思います。

もちろん対策が進むのは明白ですが、多少のメタを跳ねのけるポテンシャルを持っているので今から練習しても損はありません。

この記事を参考にしていただけると幸いです。

以下、有料部分です。

購入、支援いただいた皆様にプレイの指標を示しスキルアップにつながるであろう内容を記述しましたので是非購入をご検討ください。

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