日本の危機(6):核戦争が起きたらどうなるか?
最初のミサイルで、高度30〜400kmの上空で核爆発をさせる。人的被害や物的被害が出るわけではない。
しかし、この核爆発でガンマ線が発生し、大気中の窒素や酸素と衝突し電子を弾き出すことで強力な電磁パルスが発生する。これにより電圧5万ボルト/mの電磁パルスが地上に到達する。航空機や船舶や新幹線、原発などが操縦や制御不能になるだけではなく大規模停電となり、また送電網を伝ってコンピュータなどの電子機器に侵入しデータなどを破壊する。そのため医療もストップする。これが「電磁パルス攻撃」であって相手の反撃能力を奪うことが目的である。
高度30kmの成層圏という低い高度で核爆発した場合でも、東京を中心として北は津軽半島、西は岡山までの範囲が被害を受ける。より高い高度100kmの電離層で爆発させた場合は北海道から九州に至る日本全域が被害を受けることになる。米国が1962年にハワイ沖1400kmで行った高度400kmで行った実験でもハワイ諸島で停電となってしまったので、この高さで爆発させたら東京上空であっても朝鮮半島・中国本土やロシア極東部まで被害が及ぶであろう。
これは最初の数分から10分程度で起きる話である。
次に、30分程度で大陸間弾道ミサイルが大都市に到達し、着弾地点では太陽の温度に匹敵する火の玉が生じ、放射能のキノコ雲が発生する。同時に火球の膨張は衝撃波を発生させ建物を瞬時に破壊する。
ちなみに、戦術核兵器であれば威力は小さいかというと威力とはあまり関係がない。射程距離の問題である。大陸間弾道ミサイルが1万2000kmの射程距離でモスクワとワシントンを直接射程に入れることができるのに対して、戦術核は射程距離は500km程度なので短距離ミサイル(800km未満)に分類される。地上配備も、戦艦や潜水艦からの発射も容易であることが特徴なのだ。
大陸間弾道ミサイルで広島原爆の12倍、戦術核でも5倍〜10倍と凄まじい威力である。これはたった1発の話であって、これが何十発、何百発と放たれたら世界の都市はほぼ壊滅する。
さらに放射能を帯びた死の灰や、火災で大気中に運ばれたススとチリの粒子が成層圏に達する。つまり雨で洗い流せる雲の高さを超えて舞い上がり漂うので、太陽光線を遮って気温が著しく低下する。核の冬である。数ヶ月後には、世界で50億人の人口が死亡する。そのうち大都市のある北米・欧州・ロシア・中国などでは99%の人口が喪失する。地球は何年〜何十年も夏がなくなり、生き延びた人類がいても植物や動物、農産物、家畜や魚介類の影響がどうなるかは想像できない。
つまり、核のボタンを押した時点で、戦争に勝った国はどこにも存在せず、ただひたすら人類が敗者となるだけなのである。
このバカバカしいゲームを世論を騙し、金儲けのために煽っているのが西側諸国のグローバリスト政権であり、日本政府は恐ろしいことにそれに加担している。この核戦争の現実を理解し、慎重に我慢を重ねているのが、ロシアや中国、中東アラブ世界などのグローバルサウスの反グローバリスト政権や国家たちなのである。
日本とは無関係の話ではない。非核三原則「「持たず、作らず、持ち込ませず」があるから大丈夫と考える人もいるかもしれないが、実質的には自民党政権に反故にされているからだ。
2024年9月、木原稔防衛大臣は米陸軍のタイフォン中距離ミサイル発射システムの国内配備を明らかにした。タイフォンはトラックのような車両で発射台を牽引できる装備で、これが配備されれば日本中のどこからでも戦術核中距離ミサイルを撃ててしまう。これに反応してロシア外務省報道官は、これが配備されればロシアは中国と共に対抗すると明言している。これは米軍が主導する日米合同委員会の司令を財務省出身のエージェントである木原誠二補佐官が岸田首相に司令を伝えて、首相から木原稔防衛大臣に指示が出たという流れのはずである。
九兵衛も十数年前までの現役時代は国際金融の世界にいたので、完全に西側寄りであったし、米欧のグローバリズムを信奉していた。しかし、ここ10年で西側の政策に数多くの疑問を感じるようになり、今では反グローバリズムを信条としている。それは愛する日本を守るための唯一の道であるからである。
日本の国民はいい加減、バカバカしい報道しかしないテレビをゴミ箱に廃棄して世界のリアルを知るべきであり、それを投票行動に活かすべきである。