割烹着
こんにちは!ハッピーハロウィン!
むかしおそらく深夜テンションでかいた、妄想炸裂ミニ脚本です。妄想が、炸裂してます!!!私はこういうかわいい人になりたいんだ!!!
さらっと読めます!!
今読むと、だいぶ、恥ずかしいのですが読んでもらいたい欲はあるので……!!!公開!!!公開するなら今日です!!
なんか勝手に読み合わせとか、どこかの誰かがしてくれたら嬉しいかもしれない!では、楽しんでください!!
登場人物
航(わたる)〈26〉…会社員。
千穂(ちほ)〈24)…航の妻。サービス精神旺盛。
割烹着姿の千穂、玄関前で落ち着きなく、航の帰りを待っている。航、帰ってくる。千穂、玄関前で正座。
千穂「お帰りなさい」
航 「…………ただいま」
千穂「ご飯にする? お風呂にする?」
航 「え、」
千穂「それとも、私にする?」
航 「ご飯で」
航、靴を脱ぎ、リビングに向かう。
千穂「……。こういうの、男性が一度は憧れるシチュエーションじゃないんですか!」
航 「みんながみんなそうとは限らないでしょ、お腹すいてるし」
千穂「ノリ悪いなあ、私だって恥を忍んで」
航 「……(じっと見る)」
千穂「なに」
航 「とても、楽しんでるように見えるけど。 それに、その……やっぱいいや」
千穂「ああ、やっぱよくないです、私だってツッコミ待ちなんですもん、割烹着」
航 「割烹着」
千穂「割烹着。……我ながらよく似合ってると思いません?」
航 「そうだね」
千穂「ふふふ」
航 「今日も楽しそうで何より」
千穂「アッ、航さん、話を強制終了しようとしないでください」
航 「別にそんなつもりは」
千穂「なんでこれ着てるかわかります?」
航 「さあ、」
千穂「あー、ちょっとは真面目に考える素振りを見せてみたらどうなんですか」
航 「うーん、なんでだろう」
千穂「とっても棒読み」
航 「(笑)なんで?」
千穂「付き合い始めた頃、航さん言ったんですよ『千穂はきっと割烹着が似合うだろうなあ』って。」
航 「そんなこと言ったっけ?」
千穂「言いました。別に覚えてないのは想定内です。私、そのときちょっと戸惑っちゃって。この人、私のこと馬鹿にしてるのか、そもそもそれって誉め言葉なのか」
航「そりゃ褒めてるよ」
千穂「覚えてないのに? 適当だ」
航 「僕はうそつかないから」
千穂「うーん。そうかもしれないですけど。けど、それまでに付き合った人は、ていうかこれから出会うどんな人も、私のことを割烹着が似合うって褒める人はいないんです。99パーセント」
航 「そうかな」
千穂「そうです。……で、それをこの間思い出して。せっかくだし着ちゃおう、って」
航 「似合ってる」
千穂「ふふふ、なんですか割烹着似合ってるって」
航 「自分で言わせたんでしょ」
千穂「航さんの妄想は正しかったかなあ、って答え合わせです」
航 「正しかったね、僕は嘘つかないから。……もう満足した?お腹すいた」
千穂「はい。大満足です。そして!今日のごはんは、田舎のおかんスペシャルです」
航 「僕たち東京生まれ東京育ちだけどね」
千穂「だからこそ、田舎への憧れってもんがあるでしょう」
航 「メニューは?」
千穂「具だくさん味噌汁、肉じゃが、たけのこの煮物」
航 「健康によさそう」
千穂「でしょう」
航 「ありがとう。まあ、そんな気はしてたんだけどね」
千穂「え、ああ、お味噌汁のにおい、外まで香ってました?」
航 「ううん。ここマンションだし」
千穂「え、じゃあ」
航 「千穂はツメが甘いからね」
千穂「え」
航 「今朝、出勤するとき、クローゼットの中で割烹着見ちゃった」
千穂「え、てことは」
航 「うん。あの大きなしゃもじも」
千穂「そんなあ! ていうか、言わないやさしさってものがないんですかあなたには!」
航 「だって想像つくし、楽しみにしてたし」
千穂「……今年の地味ハロウィン?」
航 「うん」
千穂「今年は田舎の良い女ハロウィンをやりたかったんです」
航 「割烹着に大きなしゃもじじゃ、給食室のおばちゃんだけどね」
千穂「……!!」
航 「ごめんって」
千穂「あれは縁起物のしゃもじなんです~~、航さんには絶対触らせませんから」
航 「怒るとこそこなんだ」
千穂「だっ、給食室のおばちゃん、は、もう、それでいいです、今年のハロウィン、おばちゃんです! お残しは許しまへんでえ! いっぱい食べてください!」