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ヤマザキ ミニスナックゴールドの気合の甘さ

少しの間、コンビニでバイトしていたことがありました。
わたしの勤務していた店は国道沿いで、駐車場も広かったので、お客さんは、男性のトラックの運転手や現場で働く作業員の方も多かったです。
その時に意外だったのは、彼らががっつりした総菜パンではなく、けっこう菓子パンを買っていたことでした。

そういえば、長年肉体労働をしてきた父も、菓子パンを朝ごはんに食べていました。
小学生ぐらいの頃でしょうか、早出(早朝にトラックで現場に行く)のため、夜が明けきらぬ冬の朝、薄暗い台所で、ヤマザキのミニスナックゴールドという菓子パンを、レンジでチンして食べていました。
三十秒ほどチンすると、アイシングの砂糖が少し溶けて、デニッシュ生地もふんわりとして、とても美味しいのです。
父はよく、熱々のミニスナックゴールドを急いで食べて、仕事に出かけていました。

うれしいことに、ミニスナックゴールドは、今でもスーパーで売っています。山崎製パンさんのサイトによると、1968年の発売開始から何度も改良を重ね販売されているロングセラー商品だそうです。
ちなみに、山崎製パンのペストリー部門の製造スタッフの方は、入社するとまずミニスナックゴールドの成形を学ぶんだそうですよ! 自分の好きなパンが、こんな特別扱いをされているなんて、なんだか誇らしいですね!

久しぶりに当時の父の食べ方に習って、レンジでチンして食べてみました。ラップを取ると、さっそく甘い匂いが鼻をくすぐります。この匂い、昔と同じです。生地もふわふわ、焼き立てみたいになります。

お馴染みのぐるぐるうずまきを剥いでちぎって、さっそく一口目を投入!
これこれ、この味。ガツンとくるこの甘さ……のはずでしたが、意外にあっさりした甘さにびっくり。もう少しこってりしていると思っていたのですが、見事に記憶は更新されました。

そして、サクッじゃなく柔らか系のこの生地が、なんとも美味しい!
噛むと小麦の風味が広がり、味わい深いのです。バターなどの油脂が生地に折り込まれている割には全然脂こっくないですし、胃もたれ防止のため、今回、半分だけ食べることにしたのですが、おなかがすいていたら、一個ペロリといけちゃいそう。
見た目の割にしつこくない味だからこその、この大きさ、ボリュームだったのですね。

山崎製パンさんでは、2019年からルヴァンという自家製発酵種の配合を始め、2021年にはバターを北海道産にされたそう。美味しさは、企業努力の賜物だったのですね。値段も物価高の時期、百円ちょっとで買えるのは、ほんとありがたいです。

あっという間に食べきっておなかもほっこりなると、なんだか気合が入った気がします。今日も頑張れ! と、どんと背中を押してくれているようです。
肉体労働は過酷です。寒い日も暑い日も雨の日も風の日も、それぞれにしんどい。菓子パンは、過酷な労働を支える気合入れの味でもあったんですね。

ミニスナックゴールド、これからも食べ続けます。


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