第六回リーディング公演『熱帯樹』公演後インタビュー:松岡なな子(信子役)
①今公演を終えて
―昨年の公演「熱帯樹」にお越しくださった皆さま、ありがとうございました!
また、公演には行けなかったけれど、少しでも興味をもっていただいた…という方々にも、感謝感激です。わたしは、今回は、これまでと少し違った、「信子」という未亡人の女性に挑戦しました。
見に来てくださった皆さんには、「今回はメンヘラ役じゃないんだね(笑)」と言っていただいたものですが、落ち着いた芯のある大人の女性役も、とても楽しかったです。「ちゃんと妙齢の女性に見えた」とのお声をいただき、新たな自分を発見出来たような気がします。ありがとうございます!
②熱帯樹を初めて読んだ時の感想
―これは、律子役の鶴さんもお話されていたんですが、物語の中に「トゲ」を感じました。
熱帯樹って、本来、ふさふさした、柔らかい葉が生い茂っているものだと思うのですが、読了後、どこか心が痛みました。可哀想、ではなくて、登場人物たちそれぞれの、強すぎる感情が、率直に心に刺さってくる物語でした。
それはわたしの演じた「信子」にも感じたことです。人生を達観している人物に見えて、実は心に大きな「トゲ」を抱えているのじゃないかな、と思いながら演じました。
③熱帯樹で好きな役は?
―最初に好きだと思ったのは、「郁子」でした。自分に正直すぎるところ、嫌いじゃないです(笑)狂気の形であろうと、素直に感情を出せる役には惹かれます。でも、やはり1番は、信子です。信子は、お客さんに1番近く、物語の本当の姿を捕らえることのできた人です。そして物語の唯一の「母性」は、実は信子さんなんじゃないかな、とも思ったりしてます。とても愛しい女性です。
お客さんの中で、信子サイドストーリーを見たい!と言ってくださっ方もいて、わたしも、もうぜひともやりたい…!という感じです(笑)
④役作りの中で、自分がこだわった部分
―出来るだけ、感情は出さないように務めました。信子は、『 熱帯樹』の狂った家庭を客観的に判断するために、あまり感情的にならない人だと思うので。
それでも、恵三郎と律子、勇と郁子…どちらに気持ちを寄せるか、というのもあると思うので…舞台上では絡みはないけれど、勇と郁子の事も考えていました。そして、信子さんはこの家庭にどんな影響を与えるべきなのか意識しながら臨んでいました。嬉しかったのは、感想を聞いた方によって、信子の印象が違っていたことです。
「信子が出てきてくれたら安心しました…!」というお話を聞いたかと思えば、「信子が気になる!全然掴めない…お前は誰なんだ!」という声も…(笑)お客様それぞれの「信子像」が飛び出してきて、それを聞けるのが楽しかったです。
⑤熱帯樹を演じてみて、新しく自分に備わったもの。(役者としてでも、人間としてでも)
―広く視野を捕らえる、ということを改めて学びました。実践できるか否かは別としてですが。(笑)
信子の役は、話の展開を横でじっくり聞いている時間が多かったので。信子さんのように物語を正確に捕え、その時々に必要な役割・言葉を発していけるようになりたいですねぇ。
⑥2020年の抱負
―「越える」です!!
挑戦するだけでなく、以前の自分を、ほんの少しでも良いから越えていきたいです!やりたいことが沢山あります。多少無理してもふんばるぞ!という意気込みで、今年も過ごします!
⑦ご来場頂いたお客様、インタビューを見て頂いた皆様に一言
―こうして読んでくださる方がいること、励ましのお声をかけて頂くことが、何よりも力の源です。
また、挑戦し続けます!引き続き見守ってください(^.^) またコメントなどくだされば幸いです♪
(2020.1.18 HP掲載)
松岡なな子△Nanako MATSUOKA
高知県出身、1993年3月2日生まれ。
大学在学中から朗読、ナレーションなどを学び、大学卒業まで関西を中心にフリーでMCやイベント司会などを行う。
主な出演作は、狂天動智公演(山本善之全演出)「AOI」葵役、「熊野」朝子役(2018年)、「フェードル」アリシー役、「班女」花子役など。
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