第六回リーディング公演『熱帯樹』公演後インタビュー：福田有司（恵三郎役）

①今公演を終えて
―三島由紀夫の作品に出演をさせていただくのが今回で三度目でした。(その内二回は熊野でしたが)
三度出演をしていて思うのが､三島由紀夫の描くキャラクターはやはり難しい！
キャラクターの持っている考え方や言い回し､そのどちらも一般人と比べると強烈で､特に考え方は一般人の持っているものと大きく離れているという訳ではないのですが､とても強く､大きく表現されているように感じます｡これを役として演じるのは難しくもあり楽しくもありました｡
次に演劇の舞台に出演する時は､一度もう少しカロリーの抑えめの作品に出たい所存です｡

②熱帯樹を初めて読んだ時の感想
―初めて｢熱帯樹｣を読見終えたときは､湿っぽい後味の悪さを感じました｡湿度の高い寒さみたいな｡

③熱帯樹で好きな役は？
―好きな役は選べないですね｡
演じさせていただいた恵三郎は演じる上で難しい所､演じていて楽しい部分などはとてもたくさんあったのですが､キャラクターしてこの人物が一番好き！かどうかと言うと一番ではないですね｡
全てのキャラクターの人間臭さが強すぎて､逆に人間味を感じない強烈なキャラクターばかりなので…
どこか抜けている所がある方が人間臭くて愛せる気がするんですよ｡

④役作りの中で、自分がこだわった部分
―演じさせていただいた恵三郎という役は､僕が大学の卒業制作で演じた役と似たところがある役でした｡
その役は恵三郎と同じくお金持ちで自分が一番､といったキャラクターでした｡
ですが､恵三郎よりも冷徹でズッシリと重く､あまり自分の感情を表立って表現するキャラクターではありませんでした｡
その役に比べて恵三郎は感情が豊かな､起伏の大きいキャラクターのように感じたので､自分の中なりにですがその辺りを表現できるように頑張らさせていただきました｡

⑤熱帯樹を演じてみて、新しく自分に備わったものとは？（役者としてでも、人間としてでも）
―今まで恵三郎ほど感情の上がり下がりの激しい役を演じたことが無かったため､その感情の上げ方というか､一気に熱量を高いところまで上げていく術みたいな物は得られたような気がします｡

⑥2020年の抱負
―僕は重心が少し右側に片寄っていてそれが原因で立ち姿があまり綺麗ではありません｡
なので今年は自分の重心を真ん中によせていくトレーニングをし､立ち姿を美しくしていくのが目標です｡

⑦ご来場いただいたお客様、インタビューを見ていただいた皆様に一言
―公演にご来場いただいたお客様､本当にありがとうございました！
お見送りという形ではなくお客様とじっくり話せるフリートークのお時間はとても楽しく､また役者として刺激をバシバシ受けれるとても素晴らしい体験でした！
特に､普段演劇を観られない方や初めて演劇を観られた方､また舞台とは別の業界の方のご意見はとても新鮮で､舞台に関わっている人間では出てこない感想､また舞台に関わっているからこそ忘れてしまっている感覚の感想などをいただけたのはとても素晴らしい時間でした｡
また､このインタビューを最後までお読みいただきありがとうございます｡
今後も演劇やダンスなどあまりジャンルを問わず出演をしていく所存ですので､僕の名前を見かけたらぜひ劇場に足を運んでいただけたら幸いです｡
それでは､ここまでお読みいただき本当にありがとうございました！！

福田有司▽Yuji FUKUDA
2018年京都造形芸術大学 舞台芸術学科 卒業
誘われれば演劇であろうとダンスであろうと参加する｡
[主な出演]
2019.2.23/24 Kyoto演劇フェスティバル｢百年のあくび｣
2019.5.8/9 SuperD｢新日本帝国｣
2019.5.23~26 人間座｢ひたむきな星屑｣