海外トップ大学への進学

今回は、皆さん興味がある海外のトップレベルと言われている大学進学について触れてみたいと思います。インターナショナルスクールに通われている生徒さんの保護者の中には「うちの子も願わくば海外の有名大学へ」と考えられている方も多いのではないかと思います。

Ivy league

Ive Leagueの解説についてはWikipediaに詳しく記載されていますが、米国の8つの名門私立大学群の総称となります。具体的には、
・ブラウン大学
・コロンビア大学
・コーネル大学
・ダートマス大学
・ハーバード大学
・ペンシルベニア大学
・プリンストン大学
・イエール大学
です。毎年50,000-60,000人の応募があり、合学者は2,000人程度ですから狭き門です。合格率は毎年下がっており、例えばハーバード大学は2015-2016年では5.2%だったものが、2023-2024年実績だと3.6%に下がっています。合格率が10%強と比較的高いダートマス大学でも、直近では5.3%となっています。

Ivy League以外のUSの名門大学

米国には、Ivy Leagueに匹敵する独自の強みを持つ名門大学が他にも多数存在します。代表例としては、
・スタンフォード大学
・カリフォルニア工科大学
・カリフォルニア大学バークレー校
・マサチューセッツ工科大学(MIT)
・シカゴ大学
などが挙げられます。

UKの名門大学

こちらも世界でトップクラスの名門大学が多数存在します。具体的には、
・オックスフォード大学
・ケンブリッジ大学
・インペリアル・カレッジ・ロンドン
・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン
などが挙げられます。

大学が求める人材

USとUKの大学では求める人物像が異なっています。

前者は、一言で言えばオールラウンダーを求める傾向にあります。様々なバックグラウンドの生徒がいることを重要視するため多様性を評価するようです。そして、何より生徒自身のユニークさが非常に重要です。学力面に秀でていることは当たり前で、それに加えて学業以外の実績も非常に重要です。学校の生徒会長やクラブキャプテン、チームリーダーのような経験がパッと思い浮かぶかも知れませんが、必ずしも肩書きがある方が良いのではなく革新的なことをしているかどうか、自分の力で大きな実績を築いたかどうかが重要です。出願時に見られるポイントは大きく以下の3つです。
Academics(学業面):配分40%
 +TOEFL/IELTS
 +SAT/ACT
 +AP/IB/GPA
Extracurricular and Laedership(課外活動):配分30%
Application, Essays and Interview(アプリケーション、エッセイ、面接):配分30%
ここで注目すべきは、IBのスコアが45点満点でもSATのスコアが1600点満点でも、比重としては半分以下ということです。いかに課外活動でのアピールが重要かがわかります。

後者に関しては、研究分野や専門分野に秀でていることが求められる傾向にあります。専門分野に関する情熱があることは勿論のこと、これまで頑張ってきた具体的な実績、継続的に学んでいく姿勢があるかどうか、それを示せる課外活動があるかが重要です。
Academics(学業面):配分75%
 +AP/IB Score
 +Standardized Test Scores
 +UK Entry Tests
 +Class Pank / Transcripts
 +English Language Test Scores 
Extracurricular and Laedership(課外活動):配分15%
Application, Essays and Interview(アプリケーション、エッセイ、面接):配分10%
USと比較するとアカデミックの比重が大きいですね。ただし、上記の通り課外活動はしっかり評価されます。専攻する分野の意欲が高く、学校以外でどれだけ自主的に学んだか、どれだけ掘り下げた活動をしたかがポイントです。

いずれの大学も世界中から優秀な学生が集まってくるので、どれだけユニークになれるか(大学側が欲しいと思える生徒かどうか)がポイントと言えます。

学校選びのポイント

トップ大学を目指す上で重要なのは、自分の置かれた環境でいかに花開くか、ユニークになれるかが重要です。例えば、日本のインターナショナルスクールで驚異的なIBスコアを出しているケイ・インターナショナルスクールですが、頑張って入学して平均スコアである41-42を取得できたとしても、課外活動が疎かになっていては難しいです。また、せっかく入学しても下から数えた方が早い成績であれば学業面で評価されづらくなります。単純にペーパーテストの点数だけで学校を選ぶのではなく、その学校が力を入れているところ、そして何より生徒がその環境で伸び伸びと学習できるか、才能を開花できるかが非常に重要です。学校によっては、課題活動を積極的にサポートしてくれたり、大学や企業とコラボレーションして生徒の個性を伸ばしてくれるところも多くありますので、多角的な視点で評価して学校を選択することをお勧めします。インターナショナルスクールや、その他海外大学進学に強い学校は沢山あります。学園祭など年に一度くらいは一般開放されている機会がありますので、是非足を運んでみて、在校生や先生に直接学校生活のことや進学先のことを聞き出してみるのも良いと思います。

どんな人が合格している?

SATのスコアは1550/1600以上が学業レベルの一つの目安と言われています。ほぼ満点に近い数字ですね。しかしながら、必ずしも1550以上でなくても良くて、勿論1400点台でも合格を勝ち取っている学生さんはいます(1400でも十分過ぎるくらいハイスコアですが、トップ大学となると厳しいという評価になるのかも知れません)。
では、実際にどういう成果をあげているのでしょうか。
以下はスタンフォード大学に合格した生徒さんの実例です。主にコンピュータサイエンスの分野で活躍しており、様々な実績を残しています。

主な活動内容と特徴

  • コンピュータ/テクノロジー分野での活躍:

    • 起業家精神: 中学生の頃からプログラミングコンテストを開催するなど、起業家としての才能を発揮。

    • AI研究: 人工知能に関する研究に深く関わり、国際的なコンテストで受賞するなど、高いレベルの研究能力を示す。

    • リーダーシップ: AIに関するワークショップを企画・運営したり、学校演劇で主演を務めたりするなど、リーダーシップを発揮。

    • 社会貢献: 人工知能の研究を社会に役立てるための取り組みを行う。

この学生がアピールできた点

  • 専門性の深さ: コンピュータサイエンス分野において、深い知識とスキルを有していることを示している。

  • リーダーシップ: 様々な活動でリーダーシップを発揮し、チームをまとめる能力があることを示している。

  • 創造性: 独自のアイデアを考え出し、それを実現するための行動力を持っていることを示している。

  • 社会貢献: 人工知能の研究を社会に役立てるという高い志を持っていることを示している。

最後に

学業でそれなりの成績をおさめるだけでも大変なのに課外活動においても同じかそれ以上の成果が必要になってくると、継続的な努力や知的探究心、余程の好奇心の強さがないと難しいのかも知れません。トップ大学を目指す学生さんは、長い期間をかけて実績を積み上げていく必要があるため早い時期から準備を始めるケースも多いと聞きます。
合格率数%という狭き門、合格を勝ち取る学生さんは本当に脱帽です。トップ大学を目指すことが人生にとって良いことがどうかは置いておいて、取り組む姿勢や知的探究心、自ら率先してリーダーシップを発揮して成果をあげるという意識や考え方は、大人になってからも生きてくる素養ですので、ぜひ我が子にも自分の強みに気づき、伸ばしていって欲しいものです。

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