起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半
東南アジア方面を機内持ち込み荷物だけで旅行したり、あるいは国内を車中泊で旅したりしていると、自ずから旅の荷物は極力少なくしようとする「淘汰圧」が働く。
そうやって持ち物は否応なく厳選されていき、結果として手元には「選りすぐられた逸品、必需品」だけが残る。
さらにそれら厳選された品々は日常生活においてもフルに使用されていく。
そのような厳選された旅行道具、アウトドアグッズはまた防災備品でもあり、かつ普段使いの日用品としても用いられる。
なんとなれば「人生そのものが旅であるから」である。
したがってこれはミニマリズムの話であり、生きていくための哲学の話でもある。
最近、快適ではあるけれど場所ふさぎで取り回しの不便な厚さ10cmのシングルサイズ高反発マット+すのこをやめて、折り畳み式のキャンプコットで寝ている。
部屋のスペースが広くなり、取り回しもしやすい。これでじゅうぶんだ。
掛け布団だってアウトドア用の寝袋でじゅうぶん。
シーツには「トラベルシーツ」というスグレモノがあり、これを旅にも普段にも使えばいい。
鍋釜食器カトラリー類ももちろん軽くて丈夫なステンレスやチタン製のアウトドア用を使い、調理もカセットコンロやバーナーでまかなう。
こんな風にして、私の日常のほとんどの品は「トラベルグッズ、アウトドア用品、兼防災備品」へと置き換えられていった。
旅人のように、雲水のように日常を生きること。
起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半。
本来無一物。