今日の手紙
私は、ピアノ講師の他にコンビニで少しだけ働いています。
コンビニの近くにある施設に入っている、可愛らしいおばあちゃんがいて、私に会うととても喜んでくれます。
あ〜いたぁ!とか
今日は、会えたからとってもいい日とか
幸せ〜とか言ってくれます。
時々、お手紙もくれます。
私も、お返事を書きます。
私は、何か可愛いものを見かけると、おばあちゃんにプレゼントしようと手に取ります。
コロナになってから、施設の決まりでなかなか頻繁には外には出られなくなってしまったようで、とても残念なのですが今は仕方がないと思って、もっと自由に活動出来る日を楽しみにしているところです。
出会いは5年前くらいになります。
コンビニのイートインコーナーに、ハロウィンと言うことで、可愛らしいかぼちゃの置物が何個も置いてありました。
おばあちゃんは、いつも、そのイートインコーナーでコーヒーを飲みくつろいでいました。
ある日、あそこに置いてあるかぼちゃは売り物じゃないんだよね?と言われたので、売り物ではない事を伝えると、施設に入っているからお部屋に置いたら可愛いなと思ったのと言われました。
今と違いその頃のオーナー夫妻は、とても優しい方だったので、言えばきっと、いいよいいよ、あげてと言ったと思いますが、その日はオーナー夫妻はお店に来ていませんでした。
仕事が終わり家に帰ると、なんと、おばあちゃんが欲しかった、かぼちゃの置物が家にあったのです。
長男が、学校行事で使おうとしたのだけれど使わなかった分と言うことで、持ち帰って来たと言う事でした。
また、おばあちゃんがお店に来た時に渡そうと思って、今か今かと待っていましたが、会いたい時にはなかなか会えず。
やっと会え渡せたときには飛び跳ねるようにして、すごーく喜んでくれたので、私も、とっても嬉しかったです。
おばあちゃんは、お礼がしたいと息子に沢山お菓子を買ってくれました。私が、気持ちだけで十分ですから〜と何度も言ったのですが、おばあちゃんが、私ね、誰も家族がいないの。一人なの。だからね、誰かにプレゼントする喜びを味わいたいの。と言いました。
私は、何だか胸がズキッとなりました。
この、かぼちゃの置物がきっかけで、おばあちゃんと仲良くなり、時々、お手紙のやり取りをするようになりました。
どこにも行けないからと、お化粧品を買った時にもらった、素敵なエコバッグや、今回使った画像のように、封筒に猫ちゃんの切り抜きを貼ってオリジナルの封筒でお手紙をくれたりします。
初めて会った時に感じた、どこかで会った様な気がした気持ち、もし、本当に生まれ変わりがあるとしたら、どこかの時代に出会っていたのかなぁ。
今回のお手紙には、私の人生は小説になりそうな人生です。何故この土地に来たのかとか今度、聞いてもらいたいですって書いてありました。
私が、何故か分からないけれどおばあちゃんに幸せになってもらいたいと思う気持ちは、おばあちゃんのこれまでの人生と関係あるのかな…