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授業をかき乱す発達障害の生徒VS退塾させない集団指導塾

まず書かなければならないのは、発達障害の子どもを悪者にして断罪するつもりはない。ここで言う発達障害とは、ADHDやアスペルガー症候群といった、じっとしていられないことを指す。彼らには彼らの世界があり、人から注意を受けても、直そうと思っても直せないものなのであろう。また、心優しい子どもたちで、非常に好かれる人気者も中にはいる。他人に迷惑をかけるかもしれない一方で、孤立している生徒を巻き込んで友達の輪に引きずり込んで仲良くなる、彼らにしかできない芸当も見せてくれるので、私も実はそういったクラス運営のことで何度も助けてもらったことがある。

他人に迷惑をかける生徒に対して一番手っ取り早いのは、つまみ出してしまう(退塾させる)ことだが、退塾勧告を行うような塾は少ないだろう。それは、退塾をとにかく避けたがる業界文化にもよるし、たまに合格実績を稼いでくれる超優秀な子、クラスの中心となって第二の学校感覚でみんなで仲良くなってみんなで卒業しようと団結力を持たせるような不思議な力を持つ子も混じっているので、発達障害お断りとも限らないのである。

さて、発達障害の子が混じった教室で一緒に授業を受ける他の生徒のことを考えると、どこかで折り合いをつけなければならない。学習権の侵害はあってはならないのだ同じ授業料を支払っているのに、偶然居合わせた発達障害児のせいで迷惑を被るのはフェアーじゃない

余談だが、授業のみならず始業前や帰り道、休み時間の挙動も発達障害児は時には害悪となりうる。具体的な挙動は枚挙に暇がないので割愛するが、じっとしていられない生徒に対するしつけは必要である。

さて、ここからは講師・生徒の保護者・発達障害児の保護者の順で、それぞれがどのように対応し、快適な塾ライフを過ごせるのかを提示する。再掲するが、「発達障害児なんて退塾させればいいんだ」が通用しない中での最適解を模索する。

講師目線(主にアルバイト)

残念ながら、発達障害の生徒がいるクラスは専任が率先して持ちたがるクラスではない。バイトに外注するのにうってつけのクラスである。(この認識ではない、まともな学習塾・集団指導塾があれば実名を挙げてご教示願いたいぐらいである)

まず、アルバイトの君はこれが発達障害というものかとびっくりするだろう。おそらく想像以上である。そして、彼らをコントロールしないことには、授業アンケートに傷がつくし、色々な保護者からもクレームが来てしまう。

別に発達障害云々を抜きにしてもよいが、授業を安定させる方法は3つある。

・怒ったら手がつけられないと思わせるぐらいに叱る

・一人一人の生徒を具体的に褒める

・褒める・叱ることについて、発達障害児を特別扱いしない

また、授業以外での挙動を抑える方法は2つを周知徹底することだ。根拠があるかどうかはさておき。

・成績が良くなる子は生活態度が良い子であること

・他人に迷惑をかける子は勉強しても意味がない

生徒の保護者目線

「発達障害児のせいで授業に集中できない」ともし我が子が言ってきたならば、それは堂々と塾にクレームをつけてよい。

「我が子の出来を棚に上げて、他所様の子についてどうこう言うのは・・・」と気が引ける保護者もいるが、これは同じ授業料を払っているのに本来期待しているサービスが受けられていない状況にあるのだから、早急に改善してもらわなければならないだろう。

ただ、発達障害児を悪者にするつもりはないと冒頭で掲げたとおり、時にはクラスのムードメーカーとなりうる存在にもなるので、塾としては強気に出られないかもしれない。また、バイト講師の力量が足りなかったり、専任の注意が下手だったりすると、状況が改善されたかわからないので、つぶさに確認をする必要はある。もしダメなら校舎を指揮統括する本社に言えばよい。本社が取り合ってくれないことはまずないだろう。大手の場合、本社からの指示は非常に効く。それは上意下達のヒエラルキーが形成されていることもあるし、校舎から出たクレームを適切に対処できなかった場合は校舎の従業員の査定にも響く可能性がある。だから、本社からの指示は通りやすい。

発達障害児の保護者目線

学校でも様々な注意をされ、肩身の狭い思いをしておられることだろう。何度も言うように根は優しい子が多いのだ。それに大事な我が子が他所様の子に迷惑をかけているという状況は、心苦しいものがあるだろう。

第一志望に合格した発達障害児の保護者は、人当たりの良い人が多かった気がする。上手く表現できないが、厳しくしつけるときは厳しく、ちゃんとがんばったときは褒めるというごく当たり前のことができるご家庭の子はちゃんと合格できる感触があるし、塾で問題を起こしても、その後尾を引かないケースが多かった気がする。

塾との面談で耳が痛くなることを聞かされるかもしれないが、それはまだ良い方で、良い話しか塾から聞かされない場合は逆に要注意。塾も塾で、退塾される危険があって本当のことは言えないかもしれないが、そのときは「ありのままを教えてください、信頼してますから」とでも言ってもらえたらよいのではないか。その上で、(結局信頼しているかどうかはさておき)この塾に在籍したままでよいのか、はたまた転塾するかどうかを決めてほしい。

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