転職時に知らないと損をする常識
🔵転職時、知らないと損する「社会保険の超常識」
⏺️会社員が知っておくべき3つのポイント
⏺️転職を考える際には、社会保険料の仕組みをしっかり学ぶ。
【ここから実例】
・7年ほど勤めた会社を退職。
・キャリアアップのため転職したSさん(35歳、男性)
・転職先で初めてもらった給与明細
・前職で最後にもらった給与明細
➡️これらを見比べた。
⚠️同じ月に社会保険料が両方から控除され、しかも前職の社会保険料は毎月の金額の2倍近くも控除されていた。
社会保険のルールに詳しくない。
計算が正しいのか
間違っているのか
➡️不透明である。
⚠️前の職場に電話で確認するのも気が引けて困ってしまった。
転職時に損をしないように押さえておきたい社会保険のルールについて、ここから詳しく説明します。
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⬛️社会保険料は日割り不可
①押さえておきたい社会保険料の仕組み
会社員が加入している社会保険
(健康保険、厚生年金保険)
【保険料】
・会社と折半で負担。
・社員分は、毎月の給与から源泉徴収という形で自動的に控除されている。
社会保険料は、月単位でかかる。
⚠️入社、退社の日付によって保険料が日割りにされることはない。
⏹️いつからいつまでかかるのか
入社月から退職日の翌日の属する月の前月までかかる。
入社月は、1日入社だろうが、月末入社であろうが1カ月分の保険料がかかる。
退職月は月末退職であればその月まで、月末より1日でも前に退職すれば退職月の保険料がかからないことになる。
例、
5月31日退職。
⬇️
5月分まで保険料がかかる。
5月30日退職。
⬇️
5月分はかからず、4月分までの保険料がかかることになる。
⚠️【注意が必要】
5月30日で退職した場合。
➡️会社では5月分の社会保険料はかからない。
5月31日付で転職したり、転職しなくても国民健康保険や国民年金に加入、変更することになる。
➡️国民健康、国民年金保険料がそれぞれ1カ月分かかかってしまう。
⚠️退職日を月末より前にすることによって必ずしもおトクになるわけではないので注意する。
⬛️毎月給与から控除される社会保険料
⏹️毎月の給与から控除されているのは、原則として前月分の社会保険料
例、
5月給与で控除されているのは、4月分の保険料である。
一般的には入社月の給与からは保険料は控除されない。
退職月の給与からは前月分と退職月分の2カ月分が控除される。
例、
⏹️給与の締め日が月末、支払い日が25日であった場合
【5月31日退職したケース】
5月25日に支払われる給与で4月分と5月分の2カ月分の社会保険料がまとめて控除されることになる。
②社会保険は要件を満たせば二重に加入
⬛️社会保険は、勤務先で要件を満たせば、その会社の社会保険に加入しなければならない
⏹️どこかで加入していれば免除されるわけではない
【転職のタイミングにより、同じ月に別の会社で勤めてしまった場合】
社会保険に二重で加入することもある。
※冒頭のSさんの退職日は5月31日。
Sさんは4月中旬から年次有給休暇を消化していた。
転職先には5月20日付で入社。
⭕️転職先でも社会保険に加入することになる。
⭕️5月分の社会保険料は両方の会社でかかっていたというわけである。
前職では、退職月に4月分と5月分の2カ月分が控除。
転職先は入社月から控除する会社であった。
両方合わせて3カ月分の保険料が控除されていた。
➡️その為、びっくりしてしまった。
⬛️「二以上事業所勤務届」を必ず出そう
⏹️社会保険に二重で加入してしまった場合
「二以上事業所勤務届」を本人が年金事務所等に届け出する。
➡️これにより、給与(報酬月額)を合算した金額で、標準報酬月額(以下、ひょうげつ)を算出してくれる。
・「ひょうげつ」とは
社会保険の事務処理を簡略するために考えられた仕組み。
給与をおよそ1万円から6万円の幅で区分した等級であり、健康保険は、139万円、厚生年金は62万円が上限になっている。
例、
⏹️A会社
給与が月50万円。
ひょうげつが健保。
厚生年金ともに50万円
⏹️B会社
給与が月60万円
ひょうげつが健保
厚生年金ともに62万円
➡️両者を比較する。
★【A社の保険料】
健保分(介護保険なし)が月2万4750円
(協会けんぽ東京支部平成31年4月)
厚生年金分が月4万5750円になる。
★【B社の保険料】
健保分(介護保険なし)が月額3万690円
(協会けんぽ東京支部平成31年4月)
厚生年金分が5万6730円となる。
月額合計15万7920円になる。
⏹️「二以上事業所勤務届」の届け出をした場合
A社とB社の給与を合算することになる。
給与が110万円となる。
ひょうげつは健保が109万円。
厚生年金が62万円になる。
保険料は健保分(介護保険なし)が、月額5万3955円
(協会けんぽ東京支部平成31年4月)
厚生年金分が5万6730円となり、月額合計11万685円となる。
⚠️「二以上事業所勤務届」を提出しなければ、5万円近くも損をしてしまうことになる。
この差は、ひょうげつに上限がある。
給与を合算しておよそ62万円を超える場合は、届け出しないと損をすることになる。
➡️給与が高ければ高いほど損をすることになる。
⏹️「二以上事業所勤務届」は会社ではなく、被保険者である社員自身が原則手続きをする必要がある
➡️案内が年金事務所から自宅宛てに届くので、「二以上事業所勤務届」手続きをお忘れないようにする。
③ 賞与月は、月末前に退職すれば保険料はかからず
社会保険料は、月末まで在籍すればかかり、月末より1日でも前に退職すればかからない。
⏹️毎月の給与にかかる保険料だけでなく、賞与についても同様。
例、
【賞与が50万円支給された場合】
保険料率は毎月のひょうげつにかかる保険料率と同じ。
健保分(介護保険なし)が月2万4750円
(協会けんぽ東京支部平成31年4月)
厚生年金分が月4万5750円で合計7万500円になる。
⚠️月末退職でない場合
一切かからないということである。
➡️手取りが約7万円多くなる。
⭕️月7万円貯金することは難しいので大きな額だと考えられる。
⭕️社会保険のルールを知らないと損することも多い。
🌸転職前にこれらのルールを頭の片隅に入れておくと良いことがある。
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