【最愛最終回ネタバレ注意】加瀬賢一郎という人
「人に見返りを求めてはいけない。求めなければ誰かを憎むこともない。それが生きていくうえで一番大事なことだ。そう教えてくれた父と母は早くにこの世を去った。社会に出て真田家という家族を得た」(第3話冒頭モノローグより)
ここで大きな伏線がもう提示されていたのだと最終回を観た今、声にならない地響きのような呻きを上げながら、ずっと床を転がり足をバタつかせている。東京に出てきた梨央に、まだ数回も面識がないのに、なぜこの人は全面的な味方を買って出てくれたのか。
そのすべてがつながった今、加瀬賢一郎という人の不器用な優しさと、どこまでも純粋な正義と、そしてやっぱり不器用な家族愛が胸に突き刺さって仕方ない。ってかもう、つらァ……この激重感情どうしたらいいんや……
最終回で加瀬さんが大ちゃんに言ったセリフ。
「法律では守れないものがあるからです」
このセリフを! この人に! 言わせてしまう制作陣んんんn
新井順子さん×塚原あゆ子さんのドラマが大好きで、「アンナチュラル」「MIU404」からずっと観続けてきたけれど
そういうところ! そういうところやぞ! と床を何度も転がり続けた。
“番犬”として弁護士バッジを胸に、颯爽と、時に狡猾に(それが格好いい)
家族を守ってきたこの人が言うからこそ、辛いし、やるせないしたまらなく尊いのだ。はあ……好きすぎる。
そもそもこの布陣に井浦新。こんな良い人で終わるはずがないと裏の顔を探ろうとしたけれど、今回の井浦さんはステルス性が高すぎた。加瀬賢一郎という人はとにかく不器用で善人で、そしてとても可愛かった。(直筆の字も可愛かった)
梨央の代わりに刺された時も、スマートさも余裕もなく、なんならちょっとどんくさい感じ。でも、優の引っ越しグッズを買いに行った時に、重い荷物によろめく梨央をさっと持ってあげるK点越えの優しさ(そう、守る、優しいというコマンドに全振りすると、もう…そんなに…、ええんやで!!というくらい完璧ぶりを貫いてしまう)もあり……。最後まで良い人だった。
だって、しおりが転落する時ですら最後の最後まで慌ててたし。「戻るつもりはない」と静かな表情で語っていたけれど、あくまでも心の芯には正しさを据えている人だった。
最終回を迎える前に、SNSの盛り上がりに便乗してポスター考察をあれこれ試みてみたけれど。正直その時点ではまだ誰が犯人なのかは確信を持てず。とても鮮やかに制作陣の手のひらで踊っていた(それが楽しい)
が、「最」の又の部分が少し下にズレていて、耳(左耳)に対して右手が下がっている人が犯人なのでは? となった時に加瀬さん…!となり胸がずきゅーーーーん!と痛んだ。もう1枚のポスターは梨央を挟んで大ちゃんの対角線にいるはずの加瀬さんがいない(ように解釈した)ので、いよいよずーーーーーんとなった。
もう本当つらいから加瀬さんが恥ずかしそうにパフェを食べるシーンを何度も観返したい。お父さんの墓前で大ちゃんが言ったセリフ、これを聞いて再び呻き&床を転がるループに
「簡単やわ、俺は」
そう返す大ちゃんがまた最後まで格好良かった。
加瀬さんが机に残したメモ
「ひとつの目標を達成した今、次の目標に向かいます。人生最良のこの十六年間に感謝します」
この意味をかみ砕くまで感情も頭も追いついていませんが、諸々が落ち着いたらゆっくりじっくり、また第1話から再走しようと思います。
という訳で書きなぐり&感情の赴くまま追記したいのですが、
1つすごく言いたい。あんなにキャラ変した津田健(次郎さん)が最後ただの可愛いおじさん要員になっていて、桑子から雑にマフィンを半分割って与えられているシーンがたまらなくツボでした。
そして、だから何ですか?案件なのですが塚原あゆ子さんは出身高校&演劇部の先輩ということを知り、すごく嬉しく今日この頃……次回作も楽しみにしています。大ファンです。