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HAPPY BIRTHDAY, HUENINGKAI!!! ~ヒュニンカイの表現力の素晴らしさについて語ろう~

なんの捻りもない副題をつけてしまったので心擽られない方もいらっしゃるかもしれないが、ちょっと立ち止まっていただきたい。表現力ってなんだろう。表現を成立させるためには、まず表現したい感情がなければならない。そしてそれを表出する技術がなければならない。カイは特に後者において飛躍的に発展してきたと、僭越ながら私はFREEFALLを聴いて強く感じた。

以前もどこかに書いたが、私の脳内でマンネズの声質を比べると、テヒョンには白鍵の音が似合い、カイには黒鍵の音が似合う(科学的根拠はない)。黒鍵の多い曲では「♭ラ→♭シ」という黒鍵から黒鍵へ一音上がるメロディがたまに登場し、それをカイが歌うとウワーーッ!という気持ちにさせてくれる。たとえばDeja Vuのサビ「最初の日のように」は「♭ラ♭ラ♭ラ~♭ラ♭ラ♭ラ~♭シ」となっており、♭ラを6回も繰り返したあとに♭シに移行する。このメロディはTXT史上最強にドラマチックなパートだと思う。愛の墓の上で生まれたのかもしれない。ただでさえドラマチックなカイの声とのマリアージュに鳥肌が立つ。私はどうしても原曲の「세게 안을 거야」の響きが好きだ。

そして絶対に外せないのがSkipping Stonesのブリッジ。「떨려오는 두 손 잡아 줄게」の「게」にあたる「♭ラ~~~♭シ~~~~~~~」のロングハイトーンビブラートは圧巻だ。野外ライブで披露したら森の動物たちがみな足を止めて顔を上げるだろう。

いま挙げた2曲は高揚感焦燥感愛しさ切なさといった感情を空気に乗せてお届けしてくれているが、もちろんカイの魅力はそれだけではない。私の中でカイは雰囲気を創り出す天才、雰囲気天才と呼ばれている。学園転生でテヒョンが「演技が一番上手いのはヒュニンカイ」と話していたが、つまりそういうことなのだろう。Frostのパフォーマンスに圧倒されたのがもう3年前だなんて信じがたいが、もっとずっと前、テヒョンが個人VLIVEで絶賛していたSrirachaの頃からカイの憑依スタイルは抜きんでていたのだろう。カイはTEMPTATIONに引き続きFREEFALLでもアルバムの1曲目の歌い出しを担当し、名前の章の大黒柱となってくれた。Devil by the Windowでは人間離れした只者でないオーラを、Growing Painでは決して破壊的ではない力強さを表していた。Growing Painの歌い出しはイントロから一転して楽器が減り、輪郭のはっきりした「Been free falling」がこの曲の印象を決定づけている。FREEFALLでは他にDreamer、Skipping Stones、Blue Springの歌い出しも務めてくれており、言うまでもなくすべて雰囲気が異なる。前半でカイには黒鍵が似合うと述べたが、Dreamer冒頭は「♯ソ~♯ファ♯ソ~♯ファ♯ソ~♯ファ♯ソ~~♯ソ~~(休符)♯ソ~♯ファ♯ソ~♯ファ♯ソ~♯ファ♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~~♯ソ~♯ファ♯ソ~♯ファ♯ソ~~♯ソ~~(休符)」と見事なまでに黒鍵で構成されている。この微妙な音の揺らぎと8分の6拍子というワルツのリズムで、Back For Moreからクールダウンするかのような恵みの雨を降らせている。休日に本当は出かける予定だったけれど雨が降ったので外へ出たくなくなり電気もつけずに畳に寝転がっているような声だ(個人の感想です)。しかも落ち着いた中に「all day」で弾むようなニュアンスをつけているのが素晴らしい。Dreamer好きすぎてこれだけで1万字書けそう。

Skipping Stonesも独特な憂いを帯びている。私は「사랑해」がお気に入りで、太陽を時折遮りながら流れていく雲のような気ままさを感じる。かと思えば次のBlue SpringはGrowing Painとは異なるベクトルのエネルギーで始まる。Growing Painがむしろ冷静だったほどに前のめりで、これまでのカイの歌い方にはもしかするとあまり現れてこなかった側面かもしれない。いやもう本当にこの2曲は全然違うよ。DreamerとBlue Springはカイ→テヒョンの順になっているのがアツいですね。

先日ACT:PROMISE in NAGOYAを観覧し、カイの存在感が光っていたと感じた曲を挙げるとまあ全部なのだが、厳選するならDreamer、Trust Fund Baby、New Rules、Everlasting Shine、Magic、I’ll See You There Tomorrow、交換日記、Magic Islandといったところだ。New Rulesの줘の厚みに感動したし、Everlasting Shineはエフェクトが強めな原曲に慣れた耳に新鮮な驚きをもたらした。こんなにライブがアツい曲だったとは!
カイの声はミルフィーユであり、綿あめでも蜃気楼でもあり、甘いと思っていたらいつしかその魅力の渦にぐるぐると巻き込まれて抜け出せなくなっている。私たちは誰もまだそのぐるぐるの留まるところを知らないのだ。


ヒュニンカイ、誕生日おめでとう。バンド部の活動を公開してくれたり、TODOでは積極的に加点を狙う姿を見せたり、いつも私たちを楽しませることに余念がないカイ。本当にありがとう。これからの一年もはっぴ~に元気に過ごしてね。

メンバー唯一の偶数日の誕生日なのに、なんと奇数日になってしまいました。昨日はトイレットペーパーを買いに外へ出たら暑すぎて脳の調子が悪くなりそのまま休みました(どんな言い訳?)。大変申し訳ありませんでした。
PPULUBATU wariwari!