なぜ「里の縁日」をつくるのか(自分に向けて#05)
ここでは、すべての繋がりを感じることができる。
山から恵みを頂き、命が巡る。
取り巻くすべての縁に感謝し日々を生きる。
里の生き方は、丸い。
全てが緩やかに円のようにつながって巡っている。
曽祖父が100年以上前に植えたカリン、胡桃、柿や栗の木は、秋になるとたわわに実をつける。
春に植えた苗は秋になると黄金色の稲穂になり風に揺れている。
胡桃の樹皮や竹でカゴを作り、稲藁で鍋敷きを作る。
砕いた胡桃の殻を煮出して、衣を染める。
「鹿を獲ったから」と、隣の猟師から綺麗にさばいた肉のお裾分け。
雄鹿の立派なツノは、鹿子躍の頭に使うそうだ。
皮は衣類や袋物に姿を変える。
山から分けていただいた恵みは余すことなく、全て頂く。
里では、その恵みに感謝し、丸い縁がいつまでも続くことを願う。
里の祭り。丸い縁に感謝する日。ご縁が巡る日。
普段手にしている道具を眺めてほしい。
その道具に繋がりや風景を感じるだろうか。
"モノを大切にする"とは、そういうところから始まるのかもしれない。
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