令和ちゃん大集合
最近、Twitterで話題になっている令和ちゃんをご存じだろうか。
五月で最高気温36℃を記録したことから、さすがにそれはないだろうと思った有志たちによって生み出された、元号の擬人化キャラである。
擬人化は日本人のお得意分野だが、まさか元号まで萌えキャラ化するとは……。
しかし考えてみれば、前兆はあった。
あまりにも日射しが強くて暑いときは「太陽さん、仕事しすぎ……」や「太陽さん、休んでください」など、あたかも人格を持った相手に話しかけるようにぼやく。それまで特に不思議に思ったことはないが、振り返ってみれば、それは「令和ちゃん」誕生の種だったのかもしれない。
令和ちゃんに話を戻そう。
今回の元号令和の擬人化は、要するに、元号としてはまだまだ生まれたてで、幼い令和ちゃんが、誤って日本の気温設定を36℃まで上げてしまった、というエピソードを描いている。
ここで大事なのは、エピソードという点だ。単なる可愛らしい萌えイラストだけだったら、ここまでSNSで拡散されたかどうかは定かではない。日本の異常とも呼べる気象に、人々の関心が集まり、一エピソードとして令和ちゃんのキャラが立ったことが要因だと思われる。
さらには、周囲のキャラクターたちも欠かせないだろう。お兄ちゃん的存在の平成、少し歳を食った昭和や大正など、イラストレーターによって細かい設定は異なるが、いずれにせよ、人物相関図的楽しみ、世界観の奥行に一役買っている。これが想像を豊かに膨らませ、イラストレーターたちを歓喜させたのだろう。
僕は日本のイラスト業界のこの癖というか、衝動みたいなものはとても好ましいと思っている。そうすることで創作の熱は保たれるし、新たな交流、新たな世界観を生み出す。
考えてみれば、もし日中、暑いときでも、令和ちゃんが頑張ってくれているんだ、と思えば、多少の高気温は許せるんじゃないだろうか。
それだけでも、令和ちゃんというキャラクターが生まれたことに、僕は感謝したいと思っている。