2023春・鉄道旅1日目①:移動編(仙台→長野)
時は来た。
2023 年 3 月 7 日、火曜日。
私が A4 用紙 8 ページにも及ぶしおりを作成してまで入念に準備した旅が、始まります。
はじめに
今回の旅行で使ったきっぷはこれ。「鉄道開業 150 年記念 ファイナル JR 東日本パス」です。22,150 円で 連続する 3 日間、JR 東日本全域の在来線のみならず在来線特急や新幹線の自由席が乗り放題。さらに特急・新幹線の指定席も 4 回まで利用可能というつよつよパスです。
今回はこのパスを酷使して旅行に行きました。
このパスに関しての説明はこれぐらいにして(販売期間などに関してはお調べください)旅行記に入っていきましょう。
文字数が多くなってしまったので 1 日目に関しては移動編と観光編に分けたいと思います。この記事は長野までの移動について書き、長野での観光については次回の記事に書きたいと思います。
仙台駅:はじまり
6 時 4 分。朝陽に照らされる仙台駅東口に降り立ちました。
いつも人が多い仙台駅東口も、早朝はほとんど人がいません。
早朝の景色というものはどこでも特別感がありますよね。
本当は 6 時 51 分に仙台を出る新幹線に乗る予定でしたが、想定より早く仙台駅に到着したので、ちょっと早いものに乗ることにしました。自由席なら乗り放題ですからね。
本日の目的地は長野県長野市。
今回の旅の第一走者は東北新幹線のやまびこ号です。各駅停車の新幹線でまずは大宮を目指します。
相変わらず新幹線は速いですね。やまびこ号は多くの駅に停車するタイプなので速達列車のはやぶさ号よりは最高速度が低いですがそれでも 200 km/h を超える速度というのはとーーーっても速いです。
久しぶりの新幹線の轟音を聞いて、幸せな気持ちに包まれました。
今日は晴天。蔵王山も綺麗に見えました。
あの山の向こうは山形県。はるか彼方には日本海が広がっています。いつもの旅行なら目的地はひとつですから、「あの山の向こうはどうなっているのだろう……」と考えることはあっても、その景色を見ることはできません。
しかし、今回の旅行は違います。あの山の向こう、日本海側にも行きます。明日。
そんな期待を胸に抱きながら、まずは最初の目的地である長野を目指します。
列車は白石蔵王、福島、郡山……と各駅に停まっていきます。のんびり向かいましょう。時間はまだまだあります。
去年仙台育英高校が甲子園の優勝旗を持って越えてくれた白河の関を逆方向に越え、ついに関東地方に入りました。
宇都宮あたりから東北民には馴染みのないチェーン店が沿線の景色に増えてくると、旅行感が出てきます。
特にスーパーの「ライフ」が見えた時は「首都圏きた!」と思いますね。
スーパーなんてヨークベニマルとウジエスーパーとイオンぐらいしかありませんからね。あと西友。
大宮駅:通勤ラッシュ、大都会の洗礼
2 時間弱乗車した 8 時 11 分、大宮に到着しました。
本来長野に向かいたい時はここから北陸新幹線に乗り換えてそのまま乗っていれば到着するのですが、今回は少し時間をかけて行きました。
新幹線というものは本当に魔法の乗り物で、目的地がどれぐらい遠かったのか、実感が湧きません。せっかく初めて行くんですから、新幹線よりも時間をかけて行ってみるのも良いかと思ったんです。
まずは普通列車で群馬県の高崎を目指します。いくら下り列車とはいえ、大宮駅は平日の朝ということもありものすごい人の量。
1000 円課金してグリーン車に乗ります。めちゃくちゃ快適でした。
グリーン車の価値は座席よりもその静粛性にあると思います。
初めて普通列車のグリーン車に乗ったのですが、乗り心地がよく静かな車両で各駅停車の旅をしているのは新鮮で面白かったです。
びっくりしたのは車内のハイテクさ。
Suica にグリーン券情報を書き込んで乗ったのですが、その Suica を座席の上のセンサーにかざすことで自分の席として登録できます。普通列車グリーン車は基本自由席なので、席を移動したらその席の上にまた Suica をかざせば良いのです。すごい。
高崎駅:大都会は終わり。関東平野脱出へ。
約 1 時間強の乗車の後、高崎駅に到着しました。
高崎駅はなんだか豊橋駅みたいな雰囲気で、そこそこ大きな地方駅という感じでした。ヤマダデンキ本店もあります。グンマー帝国の会社なのです。
ここからは信越本線に乗車します。
横川というところを目指します。関東平野を脱出するため、西へ進みます。
横川から先はものすごい峠がありますから、横川までは平野なんだと思ってたのですが高崎から横川までもけっこう登ります。私の目指している峠はどれほど恐ろしいものなのだろう……と不安になります。
横川駅:碓氷峠に挑む前ののどかな場所
30 分ほど乗車して横川に到着。まだ群馬県です。
ここから先は鉄道の線路はありません。もともとはあったのですが、長野新幹線が開業したのと同時期に廃線になったそうです。
ここで 1 時間ほど観光します。
駅のホームにはここから先の峠の区間で使われていたアプト式レールという特殊なレールの模型がありました。
横川から先、軽井沢までの区間は「頭文字 D」などで有名な碓氷峠の区間に入ります。碓氷峠には江戸時代の五街道のひとつ、中山道も通っていました。
当時から「木曽の桟(かけはし) 太田の渡し 碓氷峠が なくばよい(=無ければよい)」とうたわれ、「中山道三大難所」のひとつとして数えられる場所です。
いわゆる東海道でいうところの「箱根」です。
鉄道は勾配に弱い乗り物ですから、普通のレールで急勾配を登ると滑り落ちてしまいます。なので図 13 のように普通のレールの間にアプト式レールという歯車のようなレールを敷いて、これと機関車側の歯車を噛み合わせて進んでいくことで峠を登っていったのです。
横川駅前の水路の蓋にはアプト式レールらしきものが繋ぎ合わせて使われています。多分ホンモノです。
駅前はこんな感じです。のどかで良い場所でした。図 15 下側にあるものが図 14 の水路蓋です。
関所の跡も見学しました。昔はここで足止めを食っていましたが現在はスルーできます。移動の自由最高。
誰もおらずひとりでゆっくり観光できました。
廃線跡は「アプトの道」という 13 km ぐらいのハイキングコースとして整備されています。図 18 左側の線路は碓氷峠鉄道文化むらのものです。今回は時間がなかったので少し歩いただけですが、今度はここのためだけに来てみたいと思いました。この道、線路が埋まっているだけでなく砂利を固めたみたいになっていてバラスト感があります。鉄道ファンにはたまらない道でした。
ここからはバスで軽井沢を目指します。鉄道は廃線になりましたから、バスに置き換えられたのです。バス停の後ろにある青と白のバスが乗車したバスになります。
碓氷峠の観光名所である「めがね橋」などは旧道の方にあり、このバスが通るのは新しくできたバイパスになりますから、少し期待外れではあるのですが現代の碓氷峠越えというものも良いでしょう。軽井沢駅までは約 40 分です。
今回使っている乗り放題きっぷは JR バスには使えないので運賃 520 円を払って乗車。
いくらバイパスとはいえ碓氷峠を越えるのは大変なようで、やはりグネグネとした道を進んでいきます。でも地図を見る限り旧道はもっっっとカーブの多い道です。もしかしたら酔っていたかも。バイパスでちょうどよかったです。
峠の向こうの軽井沢は標高が高いので、峠を越えて長野県に入ると少し下るだけで軽井沢に着きます。
長野県に入ると、浅間山がお出迎え。浅間山で合ってますよね……?
あっという間に軽井沢に到着。
軽井沢駅:陰キャにはまぶしいオシャレな町
軽井沢は街全体がおしゃれシティーという感じでした。いたるところにアウトレットモールがあり、スキー場も見えます。駅もオシャレ。ひゃ〜……
ここからは新幹線に乗ります。目的地の長野はもうすぐです!
E7 系新幹線には初めて乗ったのですが、かっこいいですね。配色といいライトの形といい高級車みたいです。
列車は猛スピードで佐久平へと駆け下りていきます。新幹線に乗っていてあんなに下っているのを実感したのは初めてでした。
佐久平、上田と停車し、列車はついに善光寺平へ、長野市に近づきます。
長野駅:駅舎、かっこよすぎ
時刻は 14 時前、ついに長野に着きました!
長野は善光寺というたいへん有名なお寺があり、その門前町として栄えてきたところなだけあって、駅舎も善光寺を意識したものとなっています。2015 年と比較的最近にこの形になったらしく、現代的ながらもどこか伝統を感じさせる、かっこいい駅舎です。
さてここからは長野観光です。行き先はもちろん善光寺。
まだまだ書きたいところですが今回は移動編ですので観光編は次回となります。
ここまで読んでくださりありがとうございます。次回もお楽しみに。
追記:次回はこちらになります。長野市での観光編です。
更新履歴
2022/3/18:次回のリンクの代わりに貼っていたリンクを削除し、次回のリンクとその紹介を追加しました。また、本記事が移動編であることを考慮し、記事のサムネイルを変更しました。
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