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日本橋の上下には、過去と現在が通っている

現在の日本橋

先日、東京へ行く機会があり、日本橋を見に行きました。

図 1 日本橋 1

図 1 下の道路が日本橋です。

日本で最も有名な橋と言っても過言ではないでしょう。

昔から、日本の道路の起点であり、どちらに進んでも京都にたどり着きます。

図 1 を見ていただいてわかるように、日本橋の上には高速道路が覆いかぶさっています。

由緒正しい橋の上に高速道路が架かる光景は、見苦しいと感じている人も多いそうです。実際に、首都高を地下化する事業は始まっています。

首都高速道路株式会社の HP によると、高架の老朽化などにより、新たに地下トンネルを掘って地下化することになったようです。

私は個人的に、上に高速道路が架かっている日本橋の景色が好きです。
その理由を、少し文系チックに説明していきたいと思います。

この光景が大好きな私

図 2 日本橋 2

日本橋は、日本橋川という川を渡るように架けられています。

私がこの光景を好きな理由は、日本橋が過去と現在の歴史の結節点となっているからです。

この光景の面白いところは、この日本橋川の使われ方が江戸時代と現代でほとんど変わらないところにあります。
それは、日本橋川のルートが現在でも輸送経路として使われ続けているところです。

江戸時代に描かれた日本橋の絵図には、この日本橋川に大量の船が浮かんでいます。
当時、船は輸送手段であり、川は輸送経路として使われていました。

そして現在では、日本橋川の上には高速道路が敷かれています。
そこには輸送手段であるトラックが行き交い、道路が輸送経路として使われています。

川と、その上にある道路。
その中間に位置するのが、日本橋です。

日本橋そのものは江戸時代とは違う形になっていますが、不変の概念としてテセウスの船的にそこに存在しています。
将来日本橋がもっと現代的な橋に架け替えられたとしても、「日本橋」という名は残り続けるでしょう。

図 2 の光景では、
日本橋川に船が通っていた「過去」と、
日本橋川の上に車が通っている「現在」を、
日本橋という不変のものが繋いでいるのです。

そこが、現在の日本橋の光景における面白いポイントだと思っています。
少しわかりやすくするために下に概念図を示します。

図 3 今回の話の概念図

このような光景が繰り広げられているからこそ、私は現在の日本橋が好きなのです。

余談ですが、由緒正しい橋の上にバーンと高速道路を架けてしまうところが東京らしくて好きという端的な理由もあります。

難しい話になり自分でも伝えたいことをうまく言語化できたかはわかりませんが、伝わっていれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。


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