相棒は途中から観ると全く分からない

科捜研の女大好き教祖です。
同じテレ朝なので相棒も観ています。
亀山君と右京さんが初期とほぼ変わっていなくてビビりました。

しかし、何故だか相棒を観ると話が分からない。
刑事ドラマは大体冒頭で事件が発生する訳で、相棒は放送に遅刻するとどんな事件が起きたのかが全く分からんのです。

この前はたった5分遅刻しただけでもう話について行けなくなってしまいました。
そのまま観続けましたけど、結局何の事件だったのか分かりませんでした。
それでも観れると言えばそうなんですけど。

刑事ドラマは全部殺人事件かと思いきや、誘拐だったり爆弾魔の回もあるんですよ。
聞き込みで「〇〇さんについて聞かせてください」と言っても、途中から見るとそれが容疑者か被害者か分かりません。
だから事件の概要と被害者が誰なのかを念頭に視聴したいのですが、映像だけ見ていても一向に情報が出て来ない。

科捜研ばかり観ているから科捜研は分かりやすいと感じるのもあると思うのですが、最初の鑑定までに間に合えば基本的に迷子にはなりません。
鑑定が一通り終わると皆で集まって事件を整理する時間があるので、そこで概要が分かります。

では、何故相棒が分かりにくいのか?

私の答えは
「相棒には相関図が登場しないから」

「事件の背景の複雑さ」
の2点になります。

相棒って刑事ドラマとしてはお洒落に作られているんですよ。
チェスで演出したり、紅茶注いだり。
刑事ドラマでよくあるホワイトボードに写真貼って相関図作るようなシーンは滅多にありません。
あるかもしれませんが私は覚えていません。

伊丹さんにバレないようにコソコソ捜査するので、設定的にもそういうものは作らないようになっているんだと思います。
相関図なんか貼ってたら「何勝手に捜査してんだ!」と言われますからね。
(この前の回は角田課長がホワイトボード見せてくれましたがメインの事件とは別件でした)

余談ですが刑事ドラマに出てくる相関図は視聴者に分かりやすくするための演出らしいですよ。

科捜研は証拠を元に犯人を導くドラマです。
人物だけでなく証拠の情報もホワイトボードに貼って、「今持っているピースはこれです」って示しているんですね。
最新シーズンではプロジェクターみたいなやつで映していました。
ドラマの性質上視覚的な分かりやすさはかなり意識されています。

あと、マリコさんが「どうして〇〇が……」とわざわざ声に出すので、今発生している疑問が分かりやすくなっています。
読みやすい参考書みたいですね。

相棒は右京さんの推理を描くドラマです。
特命係の事情的にあんまり証拠は見せてもらえません。
鑑識の人が見せるの嫌がるシーンありますよね。
なので、証拠よりも情報から推理して行くことになります。

しかしその情報を分かりやすく一覧にしてまとめることは無いですし、特命係は捜査会議に入れてもらえないので捜査会議という名の情報整理タイムもありません。
一応右京さんが「そこなんですよ!」みたいなこと言って整理してることはありますけど、最初の事件に触れるのではなく聞き込みの中で出てきた奇妙な点の話をする時間ですからね。

科捜研のパズルが二次元を埋めて犯人を浮かび上がらせるものだとしたら、相棒は一次元のパズルを順番に次々合わせてその最後に犯人が見えてくるイメージな気がします。
その流れ的に一々最初の事件発生に立ち戻ってはいられないのかもしれません。
遅刻したらもう見逃し配信見ろよと。

また相関図の有無には真犯人の出し方も影響していると思います。

科捜研は真犯人の登場が極端に少ない回が多いです。
怪しい奴は大体犯人ではなく、聞き込みの時に一瞬だけ出てきたやつが犯人です。
ですので相関図を作ったところでそこに真犯人の顔写真が貼られませんから、意外な真犯人を演出できますね。

一方の相棒は最初からずっと出ていたあいつが犯人パターンが結構見られます。
明らかに怪しかった奴が「やっぱり犯人やないか」となるので、あまり視聴者にヒントを与えると視聴者が先に答えを導いてしまい、続きを見なくなるのかもしれません。

そして相棒の事件の方が複雑な印象があります。
相関図無いくせにですよ。

科捜研で発生する事件は不可解な点は色々あっても、証拠見つけて仕舞えば難しくないんです。
犯人の事情とかよりもトリックの解明や犯人の特定に焦点を当てています。
推理の根拠が基本的に物的証拠になるので視覚的にも分かりやすいですね。

相棒は犯人の裏の事情とか過去とか、そういうものから事件を紐解いていきます。
物的証拠を用いるよりはアリバイとか動機の解明が重要です。
右京さんに鑑定はできませんしね。
つまり論理で犯人を見つけることになるので、ちゃんと話聞いてないと分からなくなるんですね。

ということで、相棒の放送時間に遅刻すると訳分からんになる理由の結論としては
「特命係はほぼ捜査させてもらない為鑑識から証拠を入手出来ないので情報を集めて推理する必要があり、情報から推理できるように裏事情や過去や心理から紐解く形になっていることで事件が複雑になっているが、その割には刑事ドラマでよくある相関図みたいな演出が無いせいで遅刻すると分かりにくくなっている」
ということになりました。

こんな風に分かりにくいとはいえ、相棒は刑事ドラマ感を薄めていますしお洒落なのでドラマとしては見やすいですね。
私も元々は科捜研ではなく相棒を観ていました。
反町隆史はかっこいい。

ザ・刑事ドラマをお望みであれば、単発の2時間スペシャルのサスペンスであったり警視庁・捜査一課長なんかがおすすめです。
お昼に毎日再放送してるのでいつでもお試しできますね。
そもそも相棒と科捜研は刑事ドラマとしては特殊な方ですから、他とは違うメンタルで観た方がいいのかもしれません。

今年の科捜研終わってしまったので、またしばらく相棒を観る生活になります。

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