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三郎 丸
2023年3月21日 05:51
早春の訪れを告げる雹と嵐が去ってまだぐずぐずとした蒼色の東の空に特別に許された高度で人間の愚かな建物群を見下ろす高さで、西の丘から覗く最後の日の光を受けた海鳥が隊列をなして白く金色に輝く洞穴に暮らして久しく陽光を見れば視力を失う人間たちはその眩い背中を見つけて1日の終わりを知る雨の底にわずかな腐臭を漂わせる小さな街の小さな日曜日が百合鴎の背中に乗って明日へと去