ENFPと大揉めした時の話②

※今回の記事はこちらの続きです👇


一件落着したかのように思われたYちゃんとの件だが、私の気持ちは何ひとつ解決していないので同じコミュニティに居続けている時点で私にとってはだいぶ我慢が必要だった。

話し合いの次の日も会う機会があったのだが、そのときYちゃんは私に会うなり私の肩を軽く叩いて笑顔でこう言った。

「昨日はありがとねっ!」

…え、なんなの…?

私からすれば急にブロ解されて気まずくされただけである。彼女は自分の気持ちの辛さを語るのに、私の気持ちは知ろうとしない、ということがまさにこの言葉に事実化されたとしか言いようがない。

それに加えて私にはもうひとつ悩ましい問題があった。

その頃ちょうど私は自分の結婚式まであと半年を切っていた。
まだ誰を招待するかもこれから決めるというところだったのだが、Yちゃんから結婚式に関してこの1ヶ月ほど前に私に直接連絡があった。
詳しく時系列にすると、それはインスタブロ解事件のほんの数週間前のことだった。

ゆうぞらちゃん!
Aちゃんが仕事の折り合いつくみたいで、2人で結婚式一緒に行くのアリかな?

Aちゃんは同じサークルの子である。

YちゃんのこともAちゃんのことも誘うつもりではあったし、別に気にしてるわけではないのだが、私ならまだ呼ばれてもない結婚式について、しかも別の友だちと一緒に参加したいだなんて口が裂けても言えない。親族だったり人数だったりの関係で、呼びたくたって呼べないことだってあるだろうに。

時系列が前後してしまうが、まあともかくそういったやり取りがあってから数週間後のブロ解だったわけだから、私が全くブロ解なんてされる身に覚えがなかったこともある程度ご理解いただけるだろう。たしかこれには差し障りのない「大丈夫だよ〜!」的な返信をしたはずだ。

さて、そんな失礼な連絡をYちゃんは自ら私にした後に、ブロ解してややこしくしてしまったわけだが、私はどうしたらいいものかと迷っていた。
つまり、彼女を結婚式に招待するかどうかである。

ちなみに補足すると、Yちゃんはどちらかと言えば私より夫との方が親しい。趣味が似ているし会話していても楽しいようだ。夫はENFJだから、ENFPのYちゃんと相性がいいのは納得だ。それに彼女は私とより夫との方が長い付き合いなのだ。
だから私の結婚式に参加したいというよりは、夫の結婚式に参加したいという気持ちの方がいくらか上であろうと想像できる。Yちゃんと夫は他の仲良しの複数名でなんどかサークル外で遊びに行ったりしている。彼女も恋人がいるわけだからそこに確執などは特になく、私も特にこれに関して何も思ってはいない。

夫と彼女の仲がいいことは他の人も周知のことである。客観的に見れば誘わないのは変だ。

しかし私の本心としては彼女に来てほしくない。
そりゃそうだ。私に近づきたくないと言っている人間を自分の一生で一度の晴れ舞台に参加させるなんて、心の落ち着かないことは目に見えているからだ。

それでも私は何より、こんなことで心を乱されて一時の感情で彼女の招待をしないと決断することの方がよほど自分が自分を許せなかった。
あとで振り返った時に「あの時の自分は心が狭かった」と思うことの方が嫌だった。
私が招待状を出せば、あとは結局結婚式に行くかどうかを決めるのは彼女自身である。
実際問題こんな状態になっておきながら結婚式に平然と参加するなら逆におもしろいとさえ思えるのではないだろうかと。参加しないならそれはそれで良い。うん。大丈夫。誘える。

彼女にしてみれば誘われてもいない段階から私に参加したい旨を連絡しておきながらこのようなことになっているのは計算外のことだっただろう。
…いや、計算できるような人ならこんなことにはならないとは思うが。

ギリギリまで悩んだ挙句、私は招待状を送ることにした。
web招待状だったので、他の人と同様に招待文とURLをつけたテキストをコピペして一斉送信で送った。

そして返信締め切りの当日。
招待状を送った全員からの返信が揃った。

ただひとりYちゃんをのぞいては。

彼女は招待状に対して「返事をしない」という選択肢を取ったのだ。

Yちゃんが私からの招待状の返事を忘れているはずがなかった。
あんなことがあった後だからというのもあるが、サークル内で明らかに私を避けていたからだ。
「昨日はありがとねっ!」はなんだったのだろうか…。。

返事がないからはい欠席と決断するほども冷たくはできず、しかし料理の数や引き出物の数に影響してしまうので、早めに人数確定をする必要があった。
結婚式準備をしたことのある人ならわかるだろうが、正直こんな忙しい時にこんなことにいちいち心を割いていられない。

こんばんは

色々な事情があるのかもしれないけど返信は欲しかった🥲

ただひとことこのように送った。

数時間後、彼女から返信がきた。

なんと私にではなく、夫にLINEがきたのだ。

言い回しなどの詳細は覚えていないが、要は都合が合わなくて行けない的な感じだったと思う。

私は非常にイライラした。
招待状に期日までに返事するということもできない、私への追い連絡への返信すらもできない。
そのような状況を作り出したのは他の何者でもない彼女自身なのに。あまりにも筋の通らない無礼で思いやりに欠ける行動だ。

夫は彼女に「妻から連絡が来たと思うから妻に返信してほしいな」と返してくれた。
至極当然、あたりまえである。

そのあとしばらくしてようやく私に来た返信はこうだ。

連絡遅れてごめんねー、、
結婚式は行けないです。

私は何も不参加なことに怒っているわけではない。それすらも理解できないのだろうか。

そっか。
来れないのは仕方ないしそれはいいんだけど、一生に一回だと思ってたくさん準備しているし、招待する人数も限られているから、誰を呼ぶかもすごく悩んで決めたんだ。それなのに期限内になんの連絡もないのは悲しいよ…結局私から確認してるし…

誠意を持った対応が欲しかったです。

このあと何日経っても彼女からの返信はこなかった。

私はもう数日後のサークル活動で本人に直接伝えることにした。
というかこういうことが起こるから近い人とモメるべきではないのだ。私が彼女の立場なら確実に今私にだけは会いたくない。

しかし私はこの不誠実がとてつもなく許せなかったのだ。

私が最初に彼女を傷つけてしまったことは申し訳ないと思う。でも私のそれは悪意からの発言ではない。要は誤解なのだ。しかしブロック解除も招待状に返信しないということも、彼女のやった行動はすべて彼女が間違いなくそうしようと思ってそうした行動であり、それは私からすれば悪意である。

あの話し合いの時も彼女は最後まで私が彼女を否定したと言い、そう思わせたことがあっても事実そんな発言は一度もしていないという訴えに対してすら「ふーん、そうなんだ。」という態度だったのだ。それでも私は自分が先に彼女を不快にさせたのだからという一点で、納得できないことをできる限り飲み込んで謝罪した。そして翌日の「昨日はありがとねっ!」である。私がどんな気持ちで、どんな葛藤の中、彼女に招待状を送ったかなんて彼女は1ミリも考えていなかった。考えていたとしたらこんな行動にはならないはずだ。

結婚式には来てくれないかもしれない。
しかし彼女は30歳である。
私より年上で、社会経験もあるのだから、そんなことがあるはずがないと思っていた。
せめて誠実な大人としてのやりとりをしてくれると信じていた私がバカだったのだろうか。

サークルに行き、私はタイミングを見計らって彼女に声をかけた。


ゆ「えっと、私の言いたいことわかる?」
Y「…うん。」
ゆ「私がさ、どんな気持ちで招待状を送ったのかは考えてみた?参加できないのは仕方ないよ。そんなことを言ってるんじゃない。でも誠意ある返信すらももらえない気持ちを考えたことある?」
Y「…」
ゆ「ちょっとよく考えてみてほしい。返信待ってるから。」

そしてその日の夜、私は彼女からすべてのSNSをブロックされた。
ブロック解除ではないのでアカウントすらも見れないようになり、LINEはいっさい既読がつかなくなった。



その後Yちゃんは恋人の仕事の都合で田舎に引っ越すことになった。これは前々から決まっていたことだったので、私の件とは無関係である。

ちなみにどこからかサークル長やスタッフがこのことを知り、引っ越すまでの期間にYちゃんに対して、私に謝るようにとかなり働きかけをしてくれていたようである。もちろん叶わなかったが。

そしてあとから知ったことだが、彼女はこれまでも他のサークルで問題を起こしてきたということだった。仕事でも同じ職場で1年続いたことがないそうだ。
家族との仲もあまりよくなく、よく考えてみればサークル内の友だちとも広く付き合いはあるものの特段仲のいい人がいるわけでもなかった。

彼女はこれまでありとあらゆるコミュニティにおいて、何か衝突が起きるたびにこうやって逃げてきたのだ。そうすることでしか自分の心を守れないのだろう。彼女をつくりあげてきた彼女の歴史はMBTI云々ではない、もっと多くの要素で複雑に絡み合っている。(念のため誤解のないように言っておくが、他のENFPとこうなったことは一度もないし、もちろん仲のいいENFPもいる。)

今回こうやって相手や周りから変わるように働きかけられたことは彼女の今後にとってプラスに変わるタイミングであったはずだが、こんなきっかけでは変われないほどに彼女の殻は硬かった。

そう思うととても不憫だと思った。
彼女はこの先の人生ずっとそんな自分と向き合っていかなければいけないのだ。
これまでもずっとそうだったし、変わらなければこれからもそうなのだろう。相当生きづらいはずである。
私なんかはこの一時しか関わらなくていいのだから。そう思うと私の痛みは彼女の痛みに比べたら大したことはないと思えた。

今はもう会うことはなくなったが、今後の彼女はもっとずっと大変だろう。
田舎という狭いコミュニティの中では問題が起こっても簡単に逃げられない。むしろそれくらいのことがないと彼女は変われないのかもしれない。

今彼女が何をしているかはわからないが、周りの人たちによって彼女が生きやすいように変われることを願って。


2024/08/23 ゆうぞら

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