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NXPセミコンダクタ決算概要

 2022/10/31オランダのNXPセミコンダクタが決算を発表しました。結果は以下の通りでした。

NXPセミコンダクタとは

 NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors NV)は、オランダに本社を置く持株会社で、主に半導体事業を行っています。事業内容は、主に自動車、個人向けセキュリティ、IoT、無線及び有線インフラ、モバイル通信、マルチマーケット産業、民生及びコンピューティング向けの半導体の開発をおこなっています。

図 NXPセミコンダクタの売上構成

決算振り返り

 以下がCEOによる振り返りです。

「NXP は、34.5億ドル、前年比で 20% の増加であり、当社のガイダンス範囲の中間点を上回っています。全体として、第 3 四半期は非常に好調でした。しかし、消費者向け IoT 事業のマクロ環境の弱体化の影響を受けました。同時に、自動車市場と産業市場の両方の需要は、供給が徐々に改善されていることに加えて、長期的および企業固有の要因によって引き続き回復力があります。先を見据えると、引き続き供給が制約されていますが、マクロ環境の不確実性のため、中期的には慎重です。」カート・シーバーズ、NXPの社長兼最高経営責任者。

https://media.nxp.com/news-releases/news-release-details/nxp-semiconductors-reports-third-quarter-2022-results

売上・EPS・ガイダンス

図 NXPセミコンダクタ決算結果
  • 売上:$3.44B( YoY 20.4% ) 予想:$3.43B ⭕️

  • EPS:$2.79    ( YoY 46.0% ) 

  • 売上新ガイダンス:$3.2B-$3.4B 予想:$3.43B ❌

 売上とEPSは非常に良かったですね。ガイダンスは予想に届かずとなってしまいました。これは、世界情勢の不確実性というところを考慮しているそうで、中期的には慎重な目線のようです。

四半期比較

図 NXPセミコンダクタ業績の四半期比較

 売上、粗利率、営業利益率、フリーキャッシュフロー全てに置いて右肩上がりに成長しています。以下は四半期ごとのカテゴリ別売上成長率です。

図 NXPセミコンダクタカテゴリ別業績の四半期比較
  • 車載:$1,804M (YoY 24%, QoQ 5%)

  • 産業とIoT:$713M (YoY 17%, QoQ -)

  • モバイル:$410M (YoY 19%, QoQ 6%)

  • 通信インフラ:$518M (YoY 14%, QoQ 4%)

 全体的に、15-20%の成長を遂げていて、非常に需要が強いことがわかります。また、稼ぎ頭である車載半導体は24%成長と好調を維持していることがわかります。ただし、QoQは4%と少し振るわなかったようです。

配当利回り

 支払われる配当は以下のようになっていて、2022年は$0.845のようです。

図 NXPセミコンダクタ1株あたりの配当金

 現在の株価は、$146.08ですので、配当利回りはおよそ2.31%と良い配当が出ています。成長産業でここまで配当が出ているのは嬉しいですね。

私の投資判断

 私が注目しているポイントは以下の通りです。

  • 車載半導体の需要は非常に強く、プライチェーンは未だ完全に回復していない。

  • 今後、EVのシェアがガソリン車に迫ってくると、車に搭載する半導体は増加するため、まだまだ産業的にも成長過程で業績も良い。

  • 売上成長率は20%、EPSの成長率は46%と非常に堅調である。

  • 配当金は増配傾向にあり、現状でも2.3%と十分な配当がある。

  • オランダの企業であるため、ドル高の影響は限定的であったと想像できる。

  • バリュエーションは2022年純利益ベースでPER14程度と、SP500の平均PERである15よりも割安。

  • 昨今の米中半導体輸出制限や、ロシアウクライナ情勢によるサプライチェーンの乱れ、不景気による車の需要減退などリスクは多く、業績は低迷する可能性がある。

 これらのポジティブ、ネガティブ材料を踏まえて、不景気が到来する場合は様子見、ソフトランディングが成功する場合は購入したいと考えますが、現状はどちらに落ち着くか判断することはできません。

 購入するなら少額で、不景気がきて売上が大きく下落しても耐えられるようなポートフォリオにしておくと良いと思います。直近、株価は大きく根を下げていますが、安定感のある良い銘柄だと思います。

図 NXPセミコンダクタ年初来チャート

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