NXPセミコンダクタ決算概要
2022/10/31オランダのNXPセミコンダクタが決算を発表しました。結果は以下の通りでした。
NXPセミコンダクタとは
NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors NV)は、オランダに本社を置く持株会社で、主に半導体事業を行っています。事業内容は、主に自動車、個人向けセキュリティ、IoT、無線及び有線インフラ、モバイル通信、マルチマーケット産業、民生及びコンピューティング向けの半導体の開発をおこなっています。
決算振り返り
以下がCEOによる振り返りです。
売上・EPS・ガイダンス
売上:$3.44B( YoY 20.4% ) 予想:$3.43B ⭕️
EPS:$2.79 ( YoY 46.0% )
売上新ガイダンス:$3.2B-$3.4B 予想:$3.43B ❌
売上とEPSは非常に良かったですね。ガイダンスは予想に届かずとなってしまいました。これは、世界情勢の不確実性というところを考慮しているそうで、中期的には慎重な目線のようです。
四半期比較
売上、粗利率、営業利益率、フリーキャッシュフロー全てに置いて右肩上がりに成長しています。以下は四半期ごとのカテゴリ別売上成長率です。
車載:$1,804M (YoY 24%, QoQ 5%)
産業とIoT:$713M (YoY 17%, QoQ -)
モバイル:$410M (YoY 19%, QoQ 6%)
通信インフラ:$518M (YoY 14%, QoQ 4%)
全体的に、15-20%の成長を遂げていて、非常に需要が強いことがわかります。また、稼ぎ頭である車載半導体は24%成長と好調を維持していることがわかります。ただし、QoQは4%と少し振るわなかったようです。
配当利回り
支払われる配当は以下のようになっていて、2022年は$0.845のようです。
現在の株価は、$146.08ですので、配当利回りはおよそ2.31%と良い配当が出ています。成長産業でここまで配当が出ているのは嬉しいですね。
私の投資判断
私が注目しているポイントは以下の通りです。
車載半導体の需要は非常に強く、プライチェーンは未だ完全に回復していない。
今後、EVのシェアがガソリン車に迫ってくると、車に搭載する半導体は増加するため、まだまだ産業的にも成長過程で業績も良い。
売上成長率は20%、EPSの成長率は46%と非常に堅調である。
配当金は増配傾向にあり、現状でも2.3%と十分な配当がある。
オランダの企業であるため、ドル高の影響は限定的であったと想像できる。
バリュエーションは2022年純利益ベースでPER14程度と、SP500の平均PERである15よりも割安。
昨今の米中半導体輸出制限や、ロシアウクライナ情勢によるサプライチェーンの乱れ、不景気による車の需要減退などリスクは多く、業績は低迷する可能性がある。
これらのポジティブ、ネガティブ材料を踏まえて、不景気が到来する場合は様子見、ソフトランディングが成功する場合は購入したいと考えますが、現状はどちらに落ち着くか判断することはできません。
購入するなら少額で、不景気がきて売上が大きく下落しても耐えられるようなポートフォリオにしておくと良いと思います。直近、株価は大きく根を下げていますが、安定感のある良い銘柄だと思います。