Apple決算概要
2022/10/27にApple社の決算が発表されました。結果は以下の通りでした。
Appleとは
アップル(Apple Inc)は、スマートフォン、パソコン、タブレット、ウェアラブル、アクセサリーの設計・製造・販売及び関連するサービスの販売を行う会社です。製品には、「iPhone」、「Mac」、「iPad」、及びウェアラブル・ホーム・アクセサリーがあり、サービスには、広告、AppleCare、クラウドサービス、デジタルコンテンツ、支払いサービスが含まれます。
売上・EPS
Appleの売上・EPSと前年比の売上を見ていきましょう。
売上:$90.14B(YoY 8.14%) 予想:$88.9B ⭕️
EPS:$1.29(YoY 4.03%) 予想:1.27B ⭕️
粗利:$38.09B(YoY 8.30%)
営業利益:$24.89B(YoY 4.66%)
純利益:$20.72B(YoY 0.83%)
ドル高の影響を大きく受けたようですが、しっかりとコンセンサス予想を上回る成長を見せました。要因には価格転嫁に成功したことで、ドル高の影響を相殺することができたことがあげられます。
純利益の伸びが小さいように見えますが、所得税が前年よりも多かったことが要因のようなので、心配する必要はないでしょう。では、地域別の売上と、カテゴリ別の売上を見ていきます。
売上・EPS(地域・カテゴリ別)
Appleの地域。カテゴリ別の売上を前年比較して見ていきましょう。
北米:$39.8B(YoY 8.12%)
欧州:$22.79B(YoY 9.62%)
中華圏:$15.47B(YoY 6.23%)
日本:$5.7B(YoY -4.86%)
その他アジア地域:$6.37B(YoY 22.75%)
地域別では日本を除いて6-9%程度の成長を見せ、インフレ、ドル高下でも顕著な成長を見せました。これは、価格転嫁しても顧客が商品を購入するというブランド力の高さを示したもので、アップルの強さを感じます。今回の決算コールでティム。クックCEOは以下のように記者に答えたそうです。
つまり、以下のようにドル高の影響は6%の逆風となり、現状の8%を鑑みると、14%程度の売上成長を達成できたことを示唆しました。これはアップルの近年の成長率を鑑みても非常に強い成長を遂げたことになります。
次は、カテゴリ別に売上成長を確認していきましょう。
iPhone:$42.62B (YoY 9.67%)
Mac:$11.50B (YoY 25.39%)
iPad:$7.17B (YoY -13.06%)
ウェアラブルなど:$9.65B (YoY 9.85%)
サービス:$19.18B (YoY 4.98%)
上図のように、アップル主力商品はiPhoneで売上の47%を占めています。コンセンサス予想には届かなかったものの、9.67%の売上成長を達成したことで、アップルの売上に貢献しました。
【iPhone】
iPhone 14 Plusの売上が低調であり、減産を発表してますが、iPhone 14 Proの売上は好調なようで、アップルはこちらを増産することで、売上の改善を図るようです。
【Appleサービス】
2番目に売上が大きいサービスについて。こちらはApple TV+やApple Musicなどの月額サブクスリプションを中心としたビジネスで、粗利率が非常に高く、アップルの成長エンジンとして非常に注目されているカテゴリです。こちらの成長は4.98%とその他のカテゴリと比較して物足りず、コンセンサスも下回る結果となりました。アップルは各サブスクリプションの値上げを発表したため、Q4では増収が見込まれます。
【Mac】
驚くべき成長を見せたのはMacでした。昨今PC需要が減退し、PC関連会社が軒並み決算を外し、ガイダンスを引き下げるという厳しい状況の中、アップルはMacの売上を25%以上も増やすことに成功しました。
これは、アップルが自社製のプロセッサM1、M2チップを搭載したPCを新たに発売したことで、従来のPCよりも低消費電力で、高速に処理が行えるようになったことが好感され、Mac需要が伸びたことが理由としてあげられます。PC需要が減退している中で、新たにチャレンジした半導体事業を成功させるアップルの技術力の高さと、先見性には目を見張るものがありますね。
今後はデスクトップ版のMacシリーズにもM1、M2の自社チップが搭載され、飛躍的に性能や、消費電力の削減が行われると、さらにMacの売上は伸びることが予想されます。
【iPad】
iPadは唯一前年からマイナス成長となりました。これは、昨年はiPadが9月に発売されたためであり、今回Appleは10月下旬に新たなiPad(第10世代)とiPad Proがリリースされました。
iPad Proは価格も12.8万円と、従来のiPadよりも高価ではありますが、Macの売上を大きく押し上げたM2チップが搭載されるということで、Q4のiPad売上は急激に上昇する可能性があります。要チェックです。
【ウェアラブル】
こちらもアナリストの予想を上回り、9.85%の成長を見せました。こちらも複数のシリーズがあるため、顧客は自分にあったシリーズを選択し小運輸することができるようになっています。新世代になるにつれて価格も徐々に引き上げているにもかかわらず、売上は好調というところで、Appleのブランド力の強さが感じられます。
バリュエーション・株価
直近の株価とバリュエーションは以下のようになっています。
現在PERは25とSP500の過去10平均PERは17なのでそれよりは割高水準です。しかし、これはアップル株価の過去平均と同じ水準なので、高くも安くもないという状況です。
年初来からの株価の動きは、他のテクノロジー株と比較しても、SP500指数と比較しても下落幅は14%と比較的堅調です。ワールドワイドに経営していながら、インフレ、ドル高に対応して価格転嫁できるビジネスモデルが非常に好感されているようです。
私の投資判断
ここまでを確認してきて、私のAppleへの投資判断について説明します。まず注目箇所は以下の通りです。
売上成長率は8%でドル高の影響を除けは14%程度成長していた。
iPhoneは高価格帯の製品が好調で、前年比9.67%。値上げがうまくいっている。
サービスは苦戦中で4.98%の成長。Q4は値上げにより利益アップを見込むが、ユーザを増やすため、コンテンツの強化が必要か。
MacはM1、M2チップが高性能、低消費電力と大好評。PC需要が減退している中で25%の成長はモンスター級。今後はデスクトップPCへのM1、M2チップ採用が期待されるため、今後最も成長が期待できるカテゴリ。
iPadは前年比からマイナスであるが、前年は9月からiPadが発売されていたので参考にならない。新商品のiPad ProにはMacの売上上昇を牽引したM2チップが搭載されているため、Q4の売上増加に期待がかかります。
ウェアラブルはiPhoneと同じく値上げに成功しうまく成長している印象。
上記のように、マクロ経済のドル高、インフレを値上げと、M1、M2チップで乗り切ったアップルのブランド力は素晴らしいものがあると改めて感じる決算でした。
今後、景気後退局面で売上には逆風が吹くことが予想されますが、M1、M2チップの潜在需要はまだまだあると考えられるので、今後のMac、iPad市場には注目です。
投資判断は私ならホールド継続します。新規買い付けはドル高の影響がありますので一時的に保留にしても良いとは思いますが、私であれば追加購入いたします。投資は自己責任でよろしくお願いいたします。
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