気分別・新年にオススメする「かなり偏った」映画21選
新年は家族で過ごされる方、一人で過ごされる方、いろいろだと思います。
2020年より、ステイホームで家族で映画を260本以上見てましたので、オススメを紹介します。
ただし、私、特に戦前の古い映画が好きで、あんまり一般的ではないのかも。お正月の暇な時間にどうぞ。
真面目に社会を考えたい人
紳士協定(1947年)
リベラルの米国の新聞記者がユダヤ人になりすまして、初めて差別がどういうものかを身をもって知るストーリー。当時のタブーに挑戦したということですが、今見るとまた違う。
波止場( 1954年)
舞台はサプライチェーン革命が起きる前の港湾。今やすっかり世界の主役になったロジスティックス(運送)ですが、港湾を描いた書籍「コンテナ物語」の前半はこんな厳しい労働者たちの世界です。
マーロン・ブランドが繊細な荒くれ者を演じています。
タレンタイム(2017年)
私の書籍でも紹介したマレーシアの「タレント・コンテスト」を描いた映画。マレーシア公立中学校の人々の人間関係や家族関係を淡々と描いていて、とても素敵な映画です。淡々としているので、ドラマチックなストーリーを求めている人には不向きかもですが、多民族国家のマレーシアが見えてくる。
心温まる系ストーリーでしみじみしたい人
アイ・アム・サム (2001)
子どもが親の知能を超えたら子育ては難しいのか? 今の時代は子どもが親を超えるスピードが速くなってますから、みんな他人事ではないのでは? 親の資格とは? と考えさせられました。
ビートルズが好きな人にもオススメ。
心の旅路 (1942年)
戦時中の映画。当時の視点から、第一次世界大戦の直後に記憶喪失になった兵士と踊り子の愛情を描いています。メロドラマの名作と言われますが、登場人物それぞれの愛情表現が素敵です。ジェームス・ヒルトンの原作は、全然違うのでまた楽しめると思う。
フォレスト・ガンプ(1994年)
「とりあえずやってみる」「出会った人に任せてみる」系の人生を見てみたい人に。人が生きるとはどういうことか、ベトナム戦争をはじめ、アメリカの歴史の中で生きる素朴な青年の物語。
憂き世を忘れ楽しい気分になりたい人に
私が映画を観る理由はこれだったりします。
オススメは古いハリウッドのミュージカル映画。
特に、1930-40年代あたり、映画は大恐慌〜戦争前の暗い時代に庶民が楽しむために作られたそうで、底抜けに明るいものも多いです。オススメは以下の3つですが、ぶっちゃけアステア&ロジャーズシリーズは全部いいです。
トップハット(1935年)
ホテルの騒音から始まるラブストーリー。フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズのダンスと歌を楽しむ映画。ジャズのスタンダードになったナンバーもたくさん出てきます。名画ですが、アマゾンにもNetflixにもないんですよね……(私はDVDで持っています)。
ひたすら頭を空っぽにして見られますが、細かいセリフを聞き逃すとストーリーがわからなくなります。
有頂天時代 ( 1936年)
お金のないダンサーがダンスができないふりをしてダンス教室に入って先生と恋に落ちる話。同じくアステア&ロジャーズですが、こっちの方がストーリーがわかりやすい。音楽がすごくいいです。
これも1936年、第二次世界大戦前の映画。
雨に唄えば(1952年)
戦後のミュージカルの傑作です。いわゆる舞台裏もので、無声映画からトーキーに移る時代を描いています。とにかく音楽と踊り、歌がどれも素晴らしいです。
スクール・オブ・ロック(2003年)
大人になりきれない非常にテキトーなおじさんが、なぜか高校のバンドの指導をする話。70年代ロックが満載で、笑って見られて最高に楽しいです。英語もとてもわかりやすいです。
マイ・インターン(2015年)
イケイケのスタートアップにやってきた70代のインターンが活躍するお話。人生100年時代を予感させる映画です。これから現実化すると思うなぁ。ロバート・デ・ニーロがいい味出しています。
セントラル・インテリジェンス(2017年)
今や大人気のドウェイン・ジョンソンが元いじめられっ子を演じる映画。シリアスな場面もありますが、しょうもない掛け合いが面白くて笑えます。今マレーシアで大大宣伝中の「レッド・ノーティス」もいいけど、こっちの方が笑えたかな……。いじめがテーマなのに軽いです。
手に汗握りたい人
バッド・ジーニアス(2017年)
タイ映画。大規模で巧妙な「カンニング」がテーマですが、まさかこんなにスケールが大きく、スリルのあるものに仕上がるとは思いませんでした。圧倒されました。
引き裂かれたカーテン(1966年)
ヒッチコック、どれ選ぼうか迷ったのですが、冷戦時代に東ドイツに行った男女の脱出劇。スパイと接触しながら西側への脱出を図るのですが、全体にシリアスなムードで緊張感がすごいです。
北北西に進路を切れ(1959年)
こちらは同じヒッチコックでももう少しユーモアがあっていつも通りという感じなのですが、電車や飛行機での追跡などダイナミックなアクションが連続して飽きないです。
インターステラー(2014)
地球に住めなくなって他の惑星に移住するというストーリー。とにかくスケールが大きく圧倒されます。話もとても凝っていて楽しめます。
シャッター・アイランド(2010年)
謎の島にやってくる警察官二人。でも実はーーというお話で、最初から不気味なシーンばかり続きますが、最後はああっというどんでん返しでやられました。面白い。
恐怖に震えたい人・多少不快になってもいい人
私はホラーが苦手なので、本来のホラー好きの人は物足りないかも?
死霊館(2013年)
実話をもとにしたホラー。ホラーって大抵登場人物がワーワーキャーキャーとうるさいのですが、これは理性的な人物が多く、安心して見ていられました。
遊星からの物体X(1982年)
古典SFの名作です。南極基地という特殊な場所でエイリアンと戦う話ですが、なんだかよくわからないところが、怖いです。何度かリメイクされています。
ミスト(2008年)
後味の悪い映画として有名ですが、異常な状況の中で、集団心理で人がどんどんおかしくなっていく様が恐ろしいです。救いがなくても大丈夫な方だけどうぞ。
アス(2019年)
ジョーダン・ピール監督の社会派ホラー。家族が直面する恐怖を描いていますが、海辺の遊園地から始まり、映像がシュールで見た後もずっと印象に残っています。
生きてこそ(1993年)
アンデスに墜落した飛行機で生き残ったウルグアイのラグビーチームを描いた実話。カニバリズムが話題になりますが、高地で遭難した人たちがどう協力して生き延びるのか、人間の強さと可能性に驚きます。書籍も英語版で数冊出ているので、合わせて読むとさらにサバイバルの実際がわかります。
まだまだまだまだ、いい映画はいっぱいありますが、今日はこの辺で。
それではみなさま、良いお正月をお過ごしください。
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