知らない人を信頼するとハッピーになる
最近、「他人を信頼する」のは今後必要になる能力の1つなんじゃないかなーと思うようになりました。
私、マレーシアにいると、幸せを感じることが多いです。なぜかと言われると「基本的に他人を信頼する人が多い」からじゃないかな? と思ってます。
今日はそんな仮説のご紹介です。
知らない人と海外旅行にいく人たち
あなたは、知り合ったばかりの人と長期の海外旅行にいくでしょうか?
子供のかつての学校友達の家族と一緒に旅行することになりました。
行き先は北海道で、10日間の旅です。
子供は学校を辞めたのですが、以前の学校の友達と仲が良く、ときどき遊んでます。とはいえもう中学生なので、私自身は、車で送り迎えするときに見かける程度なのです。
つまり顔見知りという程度の間柄。家族構成も知りません。 一度も会わないままに航空券とホテルを手配し、空港に集まって、一緒に旅するわけです。
マレーシアの人ってほんとに距離が近いんです。
以前、華人の友達に別の華人の友達を紹介したところ、その次の週に一緒にシンガポールに旅行に行って、フェイスブックにアップしてました。
当時は、「よく知らないのに、仲良くなるの早いなぁ」と思ったものですが、まさか自分がそれよりもさらに上を行くとは。
基本的に他人を信頼していないとこれ、なかなかできません。
「誰でもきてオッケー」な結婚式
マレーシアにはオープンハウスというのがありまして、イスラム教のハリラヤや中華正月などに、みなさん家を解放して「誰でもきていいよー」とやる文化があるんですね。首相もやるので、えらい人出になるようです。
マレー式だと結婚式も似たようなもので、誰でも参加できるスタイルのものが多いです。席次なんて決まってなくて、勝手に来て、勝手に帰るスタイル。
私も、知らない人の結婚式に、3回以上は参加していると思いますが、一つなんて、新郎新婦はおろか、知っている人はほぼ皆無でした。そこにたまたま出席した華人の女性が「あなたにマレー式の結婚式を一度見せてあげようと思って」と私を呼んでくれたんです。新郎新婦はいきなり来た私を歓迎してくれました。
結婚式は自宅でやることもありますが、基本的に相手を信頼してないと、他人を家に呼ぶってできないですよね。
慎重な日本人・信頼するマレーシア人
他人を信用するのに時間がかかる人、いると思います。
日本人には、比較的、相手がどこに勤めているのか、何をしている人なのか、どこの学校出身なのかを気にする人、多いです。
相手の勤め先を聞いて、突然態度が変わる人もいます。
嫌な思いをしすぎて、他人を信頼できず苦しんでいる人もいます。
私自身もそうでした。会社やサークルなどでじっくり付き合って、まあいいかなっと思ったら一緒に出かけたりして、最後にようやく旅行に行く間柄となる。
基本、人を信用するまでにとても時間がかかります。そして、一度信頼した人が思う通りに動かないとイライラしたりします。
ところが、20年前初めてネットで知り合ったマレーシア人に誘われて、2週間、一緒にマレーシアを一緒に旅行してしまいました。
思えばその時の経験が私の人生を大きく変えてしまいました。思えば、それがマレーシア人から最初にものを教わった瞬間でした。
人を知るために一緒に旅に出るマレーシア人
マレーシア人の方からもコメントをいただきましたが、どうやら、マレーシアでは知らない人と旅行に行くの、割と当たり前のことみたいですね。
知らない人だからこそ一緒に旅行して仲良くなる。仲良くなるために、一緒に旅行する、と言う考え方、面白いですよね。一緒に旅行して、騙されたり嫌がらせされたらどうしよう、とか思わないんですよね……。
マレーシアでは、一般的に、人々の「赤の他人を信頼する力」が強いです。
だからGrabやAirBNBなどのシステムが成立するのでしょう。
これは以前も書きましたが、フードコートでご飯を食べていたら、隣に座った中年女性から「私のラーメン大きすぎるから一緒に食べてくれない?」と言われて御相伴に預かったことがあります。
この人は、シンガポール人でした。マレーシアだけではなく、他人を信頼する人が多い社会、もっとあるのかもしれませんね。
知らない人を信頼した方が騙されにくい
私もこの考え方が大変気にいって、東京にいた時代、日本人とも同じように付き合っていました。すると、以前より人間関係がうまくいくようになりました。下町でも、会ったその日に意気投合して一緒に出かけたり、なんてことをよくやってました。
昔は、「知らないよくわからない人と付き合ったりしたら、トラブルが起きるんじゃないの?」どと懐疑的でしたが、実際には問題もあまり起きません。お互いのバックグラウンドを気にしないで付き合ってみると、案外その人の良いところと言うのが見えたりするものです。
実は、他人を信頼する「高信頼者」の方が、他人を疑っている「低信頼者」よりも騙されにくいという実験結果があります。
以前も紹介してますが、面白い。
日本人にも高信頼者が増えている
最近の日本人には、他人を信頼する人が増えている気がします。
彼らは、知らない人同士で一緒に部屋をシェアしたり、何か足が集まって共同生活をしたりします。
もっと高信頼者になると、Twitterで知らない人に泊めてもらったり、おごってもらったりして生活したりしています。ある意味、「信頼する」「信頼させる」というのは生きていくための技術というか、能力なんですね。インターネットでそれが可視化されるようになったのは、面白いです。
面白いもので、マレーシアにいる日本人には高信頼者が多い気がします。全然知らない人でも相手のバックグラウンドがわからなくても友達になっちゃうんですね。
そういえば以前、マレーシアで、全然知らない日本人の家に何泊かさせてもらったことがあります。彼らとは、一生の友達になりました。
高信頼者が増えると生きやすくなる
相手を信頼しやすい人が多いと、人は他人に助けを求めやすくなります。
ある友人はもうマレーシア滞在歴が長いのですが、よく高速道路でガス欠になるそうです。
「車の横で、50RM札をピラピラ振ってると、だいたい、誰か親切なバイクが止まってくれて、近くのスタンドまでガソリンを入れて持ってきてくれるわよー」とあっけらかんとしています。騙されたらどうしよう、持ち逃げされるのでは、襲われるのでは、とか考えないんですね。
彼女は私にとっても「え、そんなんで、大丈夫なの!」と思うほどの高信頼者ですが、まあガス欠じゃしょうがない。しかし、これだけ社会を信頼できたら、気持ちは安定するのでしょうね。今のところ、無事に生活できているようです。
こうやって「高信頼者」が多くなれば、社会との繋がりが増え、人は孤立しにくくなるんじゃないかな。
ではまた。
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