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マレーシアで起きた洪水被害と現地のボランティアの人々のこと

こんにちは。

クアラルンプール首都圏では先週、珍しく3日雨が降り続き、洪水の被害が出ました。

水はだいぶ引いたものの、現地は片付けに追われています。
また、食糧や衣類などの不足も出ているそうです。

現地の様子は?

案内されて、被災地を見てきました。実は、かつて私が住んでたあたり。10年前も大雨のたび冠水してた印象がありますが、今回のは広範囲です。

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マレーシア政府の初動が遅く(背景にセランゴール州政府と連邦政府の対立があると言われてます)民間のボランティアが活躍しています。

ボランティアの活躍するシク寺院

宗教団体や慈善団体など、ボランティア母体はいろいろですが、私は以前からお付き合いのあるシク教寺院へ行ってきました。

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200人ほど集まっていました。
聞くと、全員ボランティア。
手伝っている人の宗教も人種もさまざま。異教徒の方もたくさんいます。

ひっきりなしに個人からの救援物資が運ばれます。

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何かと思われるかもですが、上は玉ねぎとじゃがいも、下は、お米です。

物資を分配する人、食事を作る人、お弁当にしてパックする人、食器を洗う人、おむつやタオルなどを数える人、できた食事や物資を車で運ぶ人ーーと見事な分業。子どもも老人もいましたが、半分が飛び込みできた人たちだそう。

下は玉ねぎを炒める人々。やらせてもらったら、とても重いです!

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被災地と寺院を案内してくれたジルナールさん。

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「50パーセントが新顔です。ここにはすべてのマレーシア人と外国人が来ています」

この寺院はこうした大量の調理を含むマネジメントに慣れています。

なぜなら、普段から、寺院の大きな台所で「無料の食事(ランガル)」を作っているから。常に大量のボランティアが組織だって働いているのです。

無料食堂は別に貧しい人のためでもないそうです。
金がある人も異教徒も、隣の病院の職員が毎日きても、構わないそうです。寝る場所も用意しています。

この寺院だけではなく、他の地域の寺院でもやはり台所があり、人々が働いています。「食事さえあれば、人は祈ったり考えたりできるでしょう」とジルナールさん。

そんなわけで、多くの人が「ここに寄付したら必要な人に配分してくれるだろう」と信頼してると思います。私もそうです。

すべての人が寺院では平等になる

シク教はあまり日本では知られませんが、世界で5番目に信者の多い宗教です。ヒューマニティを重視する宗教だと思っています。

特徴は「勤労・勤勉」の奨励と、徹底した「平等性」。
男女の差も、貧富の差もなく、異教徒も歓迎。無料食堂やボランティアには、イスラムの人も、キリストの人も来ています。
この場所ではグル以外のすべての人が平等です。

ジルナールに「シク寺院が世界中に増えれば、貧困がなくなり、世界平和になるのでは?」と聞いたら、「シク教は積極的に布教する宗教ではないのだ」と言われました。

その理由は、宗教を急激に大きくすると、必ず間違った考えを持つ人に利用されるから、とのこと。寺院を作った人が「これは俺の寺院だ」と欲望に走ることもある。それよりも、今いる信者がもっと勉強し、理解を深めて、「ハンブルに(謙虚に)」なることが重要なのだと言っていました。

ただし、実際の教義はパンジャビ語を学ばないと難しいとのこと。だから、私の理解に間違ったところがあるかもしれません。

しかし、教義を知らなくても、誰もが手伝いに行くことができる開かれた宗教。いつ行っても圧倒されます。

ボランティア参加者の約束は3つだけ。「何か頭を覆うものを被る(男性も女性も)」「アルコール禁止」「タバコ禁止」です。

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それではまた。


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