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「時代遅れで硬直的な教育カリキュラム」がなぜ変わらないのか、世界規模でAIと一緒に整理してみる(長文です)

テクノロジーの急速な進歩、グローバル化、市場の変化により、労働市場も、かつてないほどの速さで進化している時代です。

しかし、本稿で何度か指摘しているように、日本を含めた世界の教育システムはこのスピードに追随できていません。
教育よりも社会が変わるスピードが早すぎるのが原因だと思います。

時代遅れで硬直的なカリキュラムがもたらす結果

そもそも、どんな教育が「時代遅れで硬直的」なのか、ChatGPTに聞いてみますと、こんな答えが返ってきました。

時代遅れのカリキュラムとは、現代社会のニーズを反映して進化していない教育プログラムを指します。一方、硬直的なカリキュラムとは、柔軟性を欠き、規定が過剰で、画一的な教授法や学習方法を強制する傾向にあるカリキュラムです。このようなカリキュラムでは、批判的思考力や創造力、問題解決能力の育成よりも、単純な暗記や標準テストの重視が一般的です。テクノロジー、創造性、適応力が鍵となる今日の変化の速い世界では、こうした教育モデルはますます不適切であると見なされるようになっています。

「過剰なルール」や「規制」「暗記重視」など、まさに昨今学校で問題になっていることがいきなり出てきましたが、これ、日本だけの問題ではないのです。

時代遅れのカリキュラムの結果、何が起きるのかを、ChatGPTに聞いてみると、まるで大学院のお手本みたいな返答が来ました。

カリキュラムの近代化が遅れていることは、学生、社会、経済に深刻な影響を及ぼしています。 その主な影響の一部を以下に示します。

労働市場に適合しないスキル:時代遅れのカリキュラムのもっとも顕著な問題のひとつは、今日の労働市場で成功するために必要なスキルを学生に身に付けさせないことです。 多くのカリキュラムは、依然として限られた科目の知識習得に重点を置いており、テクノロジー、デジタルメディア、データ分析、クリエイティブ産業といった成長分野での役割を学生に準備させるものではありません。 その結果、学生は卒業証書は手に入れながらも、現代経済を生き抜くために必要な能力を身に付けないまま学校を去ることになります。
批判的思考力と問題解決力の欠如:暗記に重点を置く硬直的な教育では、学生は批判的に考える力や複雑な問題を解決する能力を身に付けることができません。 これらは、急速に変化する世界で必要とされるスキルであり、労働者は適応力、革新力、新しい文脈における知識の応用力を備えていなければなりません。
生徒の意欲低下と退学:生徒の生活や将来の見通しと無関係に感じられるカリキュラムは、生徒の意欲低下とフラストレーションにつながる可能性があります。これは特に、恵まれない地域社会の若者たちに顕著に見られ、教育が実用的なスキルや機会を提供しないという認識が、退学率の上昇につながる可能性があります。
社会的不平等が継続する:時代遅れのカリキュラムは、限られた資源と柔軟性に欠ける指導方法しか持たない学校に通うことが多く、疎外された生徒に不均衡な影響を与えます。裕福な生徒は、硬直的なカリキュラムを補う家庭教師や課外活動、デジタル学習ツールを利用できるかもしれませんが、恵まれない生徒は、彼らのニーズを満たさないシステムから抜け出せないままです。

米国でも中国でも、大学教育を受けた学生の就職先がないことが大きな問題となっています。

このうち、個人的に一番気になっている問題が「生徒の意欲低下と退学」です。日本では不登校当事者が40万人を超えると言われます。

「なんでこんなことを学ぶのか、意味がわからない」「学校で努力する意味が見出せない」と苦しんでいる人々も、また多いのです。

時代遅れのカリキュラムにChatGPTがあげた4つの地域の例を見てみるーーインド、米国、日本、サハラ以南のアフリカの国々

そこで、世界での時代遅れのカリキュラムの例を聞いたら、なかなか興味深い返答が返ってきたので紹介します。

ーー時代遅れのカリキュラムの例を教えてください。

時代遅れで硬直的なカリキュラムの問題は世界的な問題ですが、地域や国によってその現れ方は異なります。

インドの試験中心のカリキュラム:インドでは、教育システムが試験や暗記学習に過度に重点を置いているとして、しばしば批判されています。 10年生と12年生の統一試験などの重要な試験に合格するために、生徒たちは膨大な量の情報を暗記させられます。 このシステムでは、事実を暗記できる生徒は育つものの、批判的思考力、創造力、問題解決能力が求められる職業には不向きな人材が育つことがよくあります。インドのカリキュラムを改革し、スキル重視の学習を強調する取り組みは、官僚的な課題や変化に対する文化的抵抗により、遅々として進んでいません。

米国と標準テストの過剰重視:米国では、2001年に導入された「落ちこぼれ防止教育法」により、学校に対する標準テスト重視の圧力が強まりました。その意図は説明責任を向上させ、教育水準を引き上げることにあったが、予期せぬ結果としてカリキュラムが狭められることになった。特に成績の悪い学校の教師たちは「テスト対策」に重点を置くことを余儀なくされ、芸術、批判的思考、問題解決などの科目に割く時間が制限された。この硬直的なアプローチは広く批判され、現在では一部の州でより柔軟な教育水準へと移行しつつあるが、進展はまちまちである。

日本のカリキュラム改革の苦闘:日本の教育制度は高い学業水準で知られているが、その一方で、硬直的で暗記や試験対策に重点を置きすぎているという批判も受けてきた。2000年代初頭に導入されたゆとり教育改革は、生徒の負担を軽減し、創造性を育むことを目的としていたが、日本では学業の厳格さと、より革新的で柔軟な学習アプローチの必要性とのバランスを取るのに苦戦している。多くの親や教育者は、この改革が学業水準を引き下げたと信じて、以前の方法に戻りました。

サハラ以南のアフリカと植民地時代のカリキュラム:サハラ以南のアフリカの多くの国々では、教育システムは依然として植民地時代のカリキュラムを反映しており、文学や歴史などの科目を優先し、地域経済に不可欠な職業技能や技術的スキルを軽視している場合が少なくありません。その結果、学生は社会人になるために必要な実用的なスキルを身につけずに卒業してしまいます。これらの国々におけるカリキュラム改革の取り組みは、多くの場合、リソースや政治的な意志の欠如により妨げられ、多くの若者が現代生活の要求に対応できないままになっています。

完全に正確とは言えないかもしれませんが、この4つの地域に関し、大体私の理解もこんな感じです。
特に大きな政府を持つ国々は、非常に苦労しているのです。

では、時代遅れで硬直的なカリキュラムがなぜ根強く残っているのか?

なんでこれらの国々が教育を変えられないのか。

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