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マレーシアで進むEVシフトと中国メーカーの台頭

マレーシアでは今、電気自動車=EV(Electric Vehicle)が急速に注目を集めています。

今年に入りテスラを誘致。政府は2026年までに高速DC充電器「スーパーチャージャー」50基を設置することを約束しました。

現地で自動車雑誌のライターをしているEuvinさんに取材しました。

なぜ今マレーシアでEVなのか?

でも、なぜ今、マレーシアでEVが盛り上がっているのでしょうか。

1つは、政府の強力な後押しです。

マレーシア政府は、2022年の予算案で、電気自動車産業支援のため、関税や消費税の免除、道路税などの軽減を発表しています。

さらに、2021年12月に議会で可決された2022年国家予算案では、EVへの切り替えを促すための優遇措置が盛り込まれた。これにより、2022年以降、輸入EVの完成車の関税と物品税が2023年末まで免除される。また、コンプリート・ノックダウン(CKD)のEVに対しては、2025年末まで物品税と売上税が免除される。これに加えて、EV車両保有者に対しては最大100%の道路税が控除されるほか、EV充電設備の購入、設置、レンタル、月額利用の費用に対し、個人所得税が最大2,500リンギ(約7万円、1リンギ=約28円)軽減される。

産油国なのになぜ? と思ったら、政治的な事情でした。

「グリーン・イニシアチブ」=つまり、「パリ協定」による温室効果ガス排出削減への取り組みだそうです。

2015年のパリ協定では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち(2℃目標)、1.5℃に抑える努力をする(1.5℃目標)」と決められました。

これに取り組まないと、先進国などからの、ゴムなどの主要製品の輸出が制限されるそうです。

もう1つ、ユーザー側にもメリットがあります。マレーシアはガソリン価格が比較的安い国ですが、電気自動車はさらに走行コストが安くなるそうです。

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