評判を集めるのをやめて、小さな体験を増やそう
憧れを潰そうとして、転職や移住を「えいっ」と勇気を出してやったのに、「思ったのと違うな……」となって呆然とすることがあります。
実は、私を含め、多くの人が勢いで「えいっ」と動いているように見えて、見えないところでは、準備してたりするんですね。
若い頃なら「えいっ」でも良いのですが、歳をとって家族を持つとそうもいきません。
私もよく「思い切っていきましたね」と言われますが、マレーシアいいなーと漠然と思ってから、実行するまで10年以上かかっています。
今日はこの裏話をしたいと思います。
多くの人が評判を集めてしまう
転職しよう、とか移住しようとか思ったとき、評判を集める人がいます。
インターネットを検索しまくり、「評価」を集めて、できるだけ「評価」の良いところに行こう、とするのです。
ネット時代はこの「評判」があちこちに溢れていますから、情報源には事欠きません。
が、この「評価」が意外にあてになりません。
マレーシア移住はまさにそうです。「14年連続住みたい国一位」ですが、一方で平均滞在年数は2年とか3年とか言われてます。
評判に誘われて、「よし、住んじゃえ!」と勢いでくると、割と「こんなはずじゃなかった」となるんですね。
転職や学校選びもこれに近く、他人の評価があてになるかというと、半々くらいかなと思います。中には広告や誘導も混じっています。
病院やレストランの評価とか見てると、ほんとにどこも賛否両論です。
私の本を含め、「低評価」って必ずついています。
好きな人も嫌いな人もいるんです。
そうじゃない。自分の「体験」を小さくでいいから増やそう
そうじゃなくて、自分自身の「体験」を増やしたらいいと思うのです。
「体験を増やす」とはどういうことか。
自分を試してみるのです。
他人の評価ではなく、「あなたがどう感じるか」を知る作業です。
ほんとにその環境が好きなのか。
その仕事は肌に合うのか。
安全なところから、少しずつ「お試し」するのです。
異業種への転職なら、副業として似たことを探して「やってみる」。
飲食店やりたいなら、最初はバイトしてみる。または、週末だけ、どこかを借りて週末カフェを開いてみる。
自分は本当にそれが好きなのか。
知り合いは、しばらく料亭でバイトしたのち、夢だった小料理屋を開きました。
私は転職前に副業としてゴーストライターの仕事をしたり、翻訳の仕事をしたりして、「ああ、向かないなー」を肌で感じたりしています。
海外移住なら、毎年2週間、現地に住んでみる。
フィリピンの英語学校に行って、「外国人との接触」を体験しておく。
「足りない」ものは何かを洗い出す
すると、「足りない」ものが見えてくることがあります。
移住なら言語とお金。
企業なら資金。
接客ならコミュニケーション。
この足りないスキルを埋めていくと、いつかチャンスが訪れたときに、まるで熟した果実が落ちるように、「今だ!」と、サッと動けるようになるのです。
そして、この人たちは、柔軟に「プランB」ーーつまりうまくいかなかったらどうするか、も考えています。
外から見てると、「ただサッと動く」ようにしか見えません。
でも違うと思うなぁ。
多くの人が、実はそれなりに準備しているんですね。
語学も知り合いもゼロで現地にきたこともなく、移住がうまくいくケースは稀です(たまにいますけどね……)。
「現地の日本人社会に頼ろう」と思ってくると、マジで世界が狭くなってしんどいですよ……。
もちろん「準備運動」にはまって動けなくなる罠もあるんですが、「体験」の数を増やすと、「評判」を集めるよりずっと、動きやすくなるはずです。
それではまた。
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