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本当は怖い企業の海外進出
今日は、ビジネスのお話です。
海外で行う仕事の難しさについてです。
海外での仕事は難しいです。「ええっ」と思うようなことが失礼に当たったりします。こればかりは、何年いても、新しい発見があります。
ブックオフの失敗から学ぶ
例えば、最近のマレーシアで起きた話。日本のブックオフが、マレーシアに進出して快進撃を続けていますが、実は最初に出店したとき、大炎上してしまったことがあるのです。
問題は、中古品として持ってきた、日本の革製品にありました。
豚の皮を使った製品を店頭に置いていたのです。それが、「豚の皮の製品をムスリムの従業員に触らせているとはとんでもない」と炎上してしまったんですね。
日本人の感覚で考えていると、まさか革製品がこのような大きなトラブルになるとは考えられません。インタビューを見てみましょう。
--宗教的な問題でトラブルとかありましたか。
井上 一番怖かったのが豚革ですね。靴・バッグにはやっぱり豚革が結構使われているんです。最初私は商品知識の無さから割と軽視してまして、大丈夫だろうと軽い気持ちで輸出したわけですが、実は豚革品が多分に含まれていました。マレーシアでは豚革のスニーカーとかは、ちゃんとラッピングされて陳列されてるんです。間違って触っても大丈夫なように。
ところが、うちはそれをやらなかったんですね。全然それに気付かなくて、「なぜか売れないなあ、この靴」っていうのが結構あったわけです。ある日お客さんからクレームが来て、しかもFacebookでバーッと拡散してしまったんです。「こんな靴を裸で置いておいて、うちの子が間違って触ったらどうするんだ」ってことと、もう一つ、「お前らのスタッフ、マレーだぞ。こんな靴を触らせてるのか」と。さすがにまずいと急遽店を閉じて、全部チェックして、豚革が使用されている靴・バッグは全部廃棄しました。
そして、こうも語っています。
これは恐らくマレーシア全般ですけど、やっぱりイスラム教に対してのリスペクトは、もう絶対原則です。そこをないがしろにしたら、とてつもないしっぺ返しをくらうと思います。例えば、ラマダン(断食月)期間中はスタッフの目の前で我々はご飯を食べないとか、そういう心配りとか気配りはマストです。礼拝室は全店舗のスタッフルームの中にしっかり置いて、いつでもお祈りできるようにしています。
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