見出し画像

話題の映画「雪山の絆」ーー極限状態の人間はどうなるのか 

Netflixの「雪山の絆」をみました。第96回アカデミー賞で国際長編映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門ノミネート作品でした。惜しくも受賞は逃しましたが!

生存者16名全員のインタビューをもとに再映画化

1972年、アンデスでのウルグアイ空軍機571便遭難事故を題材にした映画です。乗客45人のうち、16人が、72日間の雪山でのサバイバル生活をおこなった話です。とにかく驚くべき話なので、六回目の映画化になります。

以前も同じ題材を描いた1993年の映画「生きてこそ」を紹介しました。こちらはポール・リードの「生存者ーーアンデス山中の70日」というドキュメンタリーを元にして、生存者の一人であるナンド・パラードが監修していたんです。

今回の「雪山の絆」は2009年、ウルグアイの作家、脚本家、ジャーナリストであるパブロ・ヴィエルチがに描いた ”La sociedad de la nieve”が元本。こちらは、生存者16名全員と犠牲者の声を地道に聞き取った作品で、初版が出版されるまでに30数年かかったそう。そこで、ポール・リードの原作より真実に近いものになっていると思われます。

ここからは、ちょっとネタバレがあるので、もし見てからの方が良い方は後で読んでください。

ここから先は

1,721字
この記事のみ ¥ 300

これまで数百件を超えるサポート、ありがとうございました。今は500円のマガジンの定期購読者が750人を超えました。お気持ちだけで嬉しいです。文章を読んで元気になっていただければ。