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私たちは記憶を捏造しているかもしれない

こんにちは! 
突然ですが、子どもの頃のことを覚えていますか?

記憶は曖昧すぎるもの

11月のセミナーのため、最近、過去のことを思い出しています。
しかし、記憶って、実に曖昧で愕然とします。

まず、思い出せる記憶って限られます。

私はかなり忘れっぽく、先週食べたものを正確に思い出すことすら困難です。よく物を置き忘れては探しています。長男からは「忘れ間違えた」と渾名されてるほどです。

小さい頃の記憶を思い出そうとしても、どうも記憶が「取捨選択」されていることに気付きます。そこで、家族に聞くのですが、一致しなかったり、調べると年代がずれていたりします。「正確な記憶」がどこにもないので、愕然としてしまうのです。

虚偽記憶とは何か

私たちは無意識に「偽の記憶」を作ってる可能性があるそうです。神戸大学大学院准教授の増本康平さんはこう書いています。

これまでの記憶に関する認知心理学研究は、私たちの記憶は驚くほどあてにならず、あいまいで、時には本人も気がつかないうちに偽の記憶を作り出すことを実証してきました。

あなたが今読んでいるページを写真のように記憶できるのは数ミリ秒(1ミリ秒=1000分の1秒)、聞こえる音をそのままの音として記憶できるのは数秒程度です。物理的に存在する情報をそっくりそのまま記憶できる期間はあまりにも短く、すべての情報を覚えることは驚異的な記憶の持ち主でもない限り不可能です。そのため、覚えたい情報のみを取り出し、その情報には何らかの意味づけを行う必要があります。また、意味づけられた情報も時間とともに詳細が思い出せなくなり、大まかな粗筋だけが残ります。

偽りの記憶(虚偽記憶)研究の第一人者であるロフタス博士は、私たちがどれほど都合よく記憶を変容させるかを実験によって鮮やかに示しています。

なかには「経験したことの詳細まで長期間、記憶できる超記憶力を持つ人」もいるのだそうですが、紙をゴミ箱に捨てたような小さなことも忘れられず、苦しいのだそうです。
つまり記憶の曖昧さは私たちを守っているとも言えるわけです。

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