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日本は「頭脳労働」から「肉体労働」の国になった?
日本の産業が大きく変化しています。
先日、財務省が発表した国際収支統計では、日本の経常収支が黒字になりました。
この原因には、資源高が一服し、インバウンド関連が伸びたことがあるようです。
しかしこれ、めでたいニュースかと思ったらそうでもないようです。
財務省が昨日発表した国際収支統計では、2023年の経常黒字が20兆6295億円と前年に比べて92.5%増加。資源高が一服したことで貿易収支の赤字幅が縮小しました。
サービス収支でインバウンド関連の旅行収支は3.4兆円の黒字を確保。ただしそれ以外の分野では振るわず、特に「デジタル赤字」が5.5兆円で5年前から倍増しました。日本企業による海外のITサービスへの支払いは膨らみ続けています。2023年の日本のデジタル関連の国際収支の赤字は前年から16%増え、5.5兆円に拡大しました。海外子会社で稼いだ企業の利益の一部は海外にとどまり、国内への還流はそれほど多くはありません。
どういうことなんだろ? と思ったので、みずほ銀行の唐鎌大輔さんのレポートを読んでみます。
日本はインバウンド頼みの国になった
レポートを読むと、いつの間にか外国人頼みの構造になっていることがわかります。
さらに言えば、貿易収支赤字の減少は言うまでもなく資源高の一服で輸入が大幅減少(同▲7兆6092億円)したことで説明可能です。貿易収支以外では、サービス収支赤字が大きく減少(同▲2兆3262億円)したことも経常収支黒字の押し上げに寄与しています。これは旅行収支黒字が+3兆4037億円と2019年に記録した過去最高の黒字(+2兆7023億円)を大幅に更新したことの結果です。2022年は+6242億円だったので、サービス収支赤字の改善は基本的に旅行収支黒字の増加で説明できるでしょう
旅行収支とは、いわゆるインバウンド収支です。面白いなと思ったのは、日本人の海外での消費を差し引いていること。つまり、日本人が旅行しなくなったのも、収支を改善している一面かもね。
旅行収支とは、訪日外国人の日本での消費から、日本人旅行者の海外での消費を差し引いたものです。 外国人旅行客が日本国内で宿泊・飲食・買い物などで消費を増やすと、日本が海外から得る「収入」が増えることになります。
つまり、もう完全に外国人頼みの経済なのですね。
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