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衣食住はもう余っていて、私たちは働かなくてよくなるのか?

松井博さんのnote、考えさせられました。

もう生存、特に衣食住については心配しなくていい時代が来ているというものです。

似たようなこと、私もずっと考えています。
今日のテーマはこれです。

「ゴミを減らすこと」はもはや世界の課題になった

食べ物も衣類ももう余っていて、あとは分配の問題になりつつある。今や世界の課題は、「どうゴミをどう減らすか」です。

まずは衣。
子どもたちの授業でのリサーチによれば、今やアパレル産業が最もゴミを生み出しているらしい。環境問題の「犯人」にされているというのです。ハフィントン・ポストの記事も同様の指摘です。

ところで、日本国内で捨てられている衣服は、毎年どのくらいの量か知っている人はいるだろうか?

答えは「年間100万トン」。およそ33億着にも上る。実は、この捨てられた服の話と、気温の話は、無関係ではないのだ。

衣服のうち9割は、リサイクルされることなく、埋め立て処分または焼却処分され、大量の温室効果ガスを排出。衣服製造は、“環境負荷の多い産業”だと言われている。

食の方はどうでしょうか。以下は国連WFPのブログです。

世界では、全人口76億人のうち9人に1人、約8億2100万人が飢えに苦しめられています。一方で、生産された食品の3分の1、13億トンあまりが捨てられていることをご存知でしょうか?
全世界で生産されている食料は毎年およそ40億トンと、全人口を賄うのに十分な量です。しかし先進国では余り物が捨てられ、開発途上国では貧困や気候変動、紛争などによって、食料が足りなくなる「食の不均衡」が起きています。

(中略)
実は開発途上国でもまた、先進国と同様に3分の1程度の食品が捨てられています。途上国での食品廃棄は、生産農家が出荷前に傷んでしまった作物を廃棄せざるを得ないなど、主に「川上」の段階で起きています。

やっぱり分配の問題のようです。これもまた、環境問題の原因になります。

日本の家の安さが世界で話題に

ただし「住」に関しては、国によって事情が違います。
アメリカでの問題は、不動産が高騰していることです。

そんな中、日本の不動産の安さが、海外で話題だそうです。

これは、日本で捨てられた家を買って住む方法を紹介した動画。「空き家」の定義から問題点、税金まで詳しく解説されていて、少し古い動画ですが、244万回も再生されてます。

日本では無一文でも生きていける?

建築家・作家・アーティストの坂口恭平さんは、2015年に「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」で、「都市型狩猟採集生活」を提唱しています。

無職・無一文になった時に一番困るのは「食事」だとぼくは思っていたのだが、驚くべきことに、路上生活者と話していて一度も食べ物に困った話を聞いたことがない。

まあ読んでもらえたらわかりますが、家も衣類も手に入るので、
日本では、すでに人は簡単に死なないことがわかります。

レビューを見ると、「要するにホームレスじゃないか」と怒ってる人もいます。そうは言っても、太古の人はみんな土地の所有なんてしてなかったと思うんです。

プライドをどう保つか

あとは、松井さんが指摘する通り、「プライド」の問題だと思うんです。福祉を頼れない、炊き出しに行きたくない、すると餓死してしまいます。

最近読んだ「ノマドランド」の原作「ノマド 漂流する高齢者たち」は、アメリカで増えている移動生活者たちのストーリー。

元大企業の幹部や、大学院の学位を持つ人でも、家を持つことが難しくなっているらしい。

ここでも問題となっているのは、やっぱり「プライド」です。

全体に行き渡っているもう一つの感覚は、「プライド」だ。私が出会った人はほぼ全員が、これから話す元広告アートディレクターのアル・クリステンセン(4)(62)と同様の態度だった。
アルは私に「ホームレス」ではなく、「ハウスレス」と呼んでくれという。

この本を読むと、なぜトランプ支持者があんなに多いのか、納得行きます。

サンデル教授の最新作「能力主義は正義か」でも指摘されてましたが、「能力主義」って残酷です。なぜなら、「お前はダメだ」「頑張ってないからだ」って突きつけるから。

これに人は、精神的に参ってしまうのです。

ただ、IT化って要するに人が減ることです。
IT化により、この流れは加速し、ホワイトカラーの仕事はなくなります。
これから必要なのは、プライドを柔軟にとらえる能力かもね。

坂口さんの本では、こんなホームレスの方の談話が出てきます。

自分がヒエラルキーの中に入ったままだと、貧乏がコンプレックスになって、絶望してしまうかもしれない。でも、そのヒエラルキーから自由になった人にとっては、すごく楽なの。

私がやってる文筆業だって、いつAIに乗っ取られるかわかったもんじゃありません。困ったら、また坂口さんの本、読み返そう、と思います。

それではまた。

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