勉強の点数や模試の偏差値には現れないけど、人間的に高得点の生徒がいる話。
皆様お疲れ様です。
魔の6月も終わりに差し掛かり、土曜授業がない方は夏休みの足音が聞こえてきているのではないでしょうか。
また、6月はボーナスの支給月でもあります。
月末ということで、少し顔がほころんでいる方も多いのではないかと思っています。
さて、今日はまた1つ生徒のお話をば。
よくある話だと思うのですが、テストの点数はずば抜けていないのに(それどころかイマイチだったりすることも多々‥笑)、人間的にメチャクチャ優れている子っていますよね。
それは梅雨に入って間もない頃のことでした。
まだ、朝から雨は降ってはいないものの、どこか蒸し暑い日。
出勤して、教室の見回りをしていると、廊下でその生徒に出会いました。
締まりかけの防火扉的な重たいドアを開け、しっかり固定し、廊下の窓を片っ端から開けて回る1人の生徒。
様子を見ていると、生徒用のトイレにも入っていき、やはり窓を開けていました。
もう、これだけで十分この生徒の魅力と素晴らしさは伝わると思います。
朝、窓を開けて回っている先生方もいらっしゃると思います。
もちろん、空気の入れ替えなど、色々と意味はあるのですが。
この生徒は、自然とそういうことが当たり前のようにできてしまいます。
特に苦に感じることもなく、周りのために行動できてしまうのです。
これが1日だけのことではなく、実は毎日やっているわけです。
この生徒のこの行動に気づいてから、私は時々様子を見に行くようにしているのですが、やはりいつも同じ時間帯でこの生徒は、ブレることなく、何事もなかったかのように、同じ様に窓を開け続けていました。
そんなある日。
梅雨時で、朝は晴れていたものの、お昼前くらいから雨が降ってきました。
もう、ここまで読んできた皆さんはなんとなくお察しだと思いますが、この生徒が率先して休み時間に廊下の窓を閉めて回っているわけです。
そこには、自然と手伝う生徒の姿も他に数人いました。
この生徒、一部の生徒からは(あるあるだと思いますが)大人とか先生に対するアピールとか点数稼ぎだ、というような、嫌なものの見方をされてしまっています。
感じ方も人それぞれですし、大人の知らないところで、生徒どうしの関係性もあるのだとは思います。
しかし、その一方で、自然と数人が手を貸してくれているというのは、逆に言えば賛同者とか味方もいるわけで。
そういう側面を確認できただけでも、この日の収穫は大きかったと感じます。
どこの学校にもありそうな、よくあるお話かもしれませんが、たまにはそういうベタないい子のお話もいいですよね。
特に昨今、自分のことを考える人間が、子どもも大人も増えてきているように感じてしまうので‥
6月の最後に、少しでも気持ちの良い話が提供できていれば幸いです。