第7回 二刀流で活躍しよう!
● テレビで見ない日はありません!
毎日のニュース番組で、この人のことを見ない日はあるのでしょうか。
MLBロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手です。
ピッチャーとバッターの二刀流で大活躍。今年は怪我の影響で打者に専念して、“打つ”だけでなく、“走る”ことでも素晴らしい結果を出しています。
大谷選手の大活躍は、もはや当たり前のことになってきたのでしょう。
そんな二刀流。実は、学校でのICTの活用においても大事なことなんです。
● まずはカメラ機能を使う!
教育委員会事務局で指導主事をしていたときのことです。
GIGAスクール構想が始まってすぐの頃、次のような質問をよく先生方からもらいました。
「これから、ICTを活用した授業づくりにチャレンジしたいと思っています。しかし、教師である私自身がICTスキルに自信がありません。そのため、なかなか授業で端末を活用できていません。そんな私は、何から挑戦すればいいでしょうか」
この質問に私は「まずはカメラから活用してはどうでしょう」とお返事をしていました。
私たちの普段の生活でも、スマートフォンでよく写真を撮りませんか。記録に残しておきたいものなどをさっと撮影して、写真を家族や友人と共有したり、SNSで発信したりしますよね。
スマートフォンにカメラ機能がなかったら……と考えると、私たちの生活が一変するような気がします。
「なんだ、(端末の)カメラ機能を使うだけか」と甘くみてはいけません。カメラは授業で大いに活用できるICTツールなのです。
例えば子どもたちの活動では、次のような活用方法があります。
気になるものを写真に撮って友達に紹介する
自分で撮った写真を使って、WordやPowerPointなどにまとめる
ノートやプリントに書いたものを写真に撮って、データとして共有する
板書を写真に撮って、授業の振り返りに活かす
動画を撮って、自分が活動している様子を客観的に見つめ直す
ビデオレターを作って、他の学校の子どもと交流をする
● 「二刀流」で大活躍!
このように授業のさまざまな場面で活用することができます。ノートやプリントなど紙に書かれたもの(アナログ)を写真に撮ってデータ(デジタル)にすると、とても便利です。
第5回から紹介しているGoogle ClassroomやMicrosoft Teamsなどと組み合わせるとさらによいでしょう。
私たちは従来のアナログに加えて、デジタルというツールを得て二刀流になれるのです。まさに大谷選手のようです。
もちろん、校務でも活用できます。紙で入手した研修会の案内などをコピーして配付するのではなく、写真に撮ってGoogle ClassroomやMicrosoft Teamsのクラスルームやチームに投稿することで、すぐに共有できます。
こうすることで印刷の手間も省けます。
他にも、校長先生が校内の授業を見てまわるときに、気になる(素敵な)授業の様子を写真に撮っておきます。その写真を同じようにGoogle ClassroomやMicrosoft Teamsに投稿することで、教職員にコメントつきで共有することも可能です。
以前なら「校長だより」として発信されていたものを、デジタルにしてこまめに発信していくイメージです。
他には、次のようなことも可能です。
⇒クラウドを活用した職員研修の質の向上
カメラで動画を撮って共有し、学びが深まる例です。
このように研修や授業研究会でもカメラを使うことで、教職員の学びがどんどん広がっていきます。
もちろん、紙も大事です。しかし、紙に書かれたもの(アナログ)をデジタルにすることで、簡単に共有できるようになっていきます。その効果をぜひ実感してもらいたいです。
投げて打つ大谷翔平選手のように、私たち教職員はデジタルとアナログの二刀流で、ICT機器に活躍してもらいましょう。
まずは明日、自分で撮った写真を校内のGoogle ClassroomやMicrosoft Teamsに投稿することから始めてみてはいかがでしょうか。