ご飯は私を裏切らないを読んで生きる力をもらおう
皆様こんにちは。クソみたいな流行病が出てしまいこんな世の中になってしまいましたがいかがお過ごしでしょうか。自由に動けない日々に鬱屈している人、仕事や学校に支障が出て不安な日々を過ごしている人、もしかしたら感染してしまいつらい闘病生活を送っている方、送っていた方もいるかも知れません。いつ終わるかわからないこの日々ですが、きっと終りが来ると信じて、終わりが来た時に自分たちが目を開けていられる用に(何をどうがんばれば良いのか僕自身もわかりませんが)頑張っていきましょう。
そんな世の中だからか、単に僕の波長にあうのかわかりませんが、少しダウナー的というか、内向的な思考のようで前向きなような考えなアプローチの漫画が増えてきているようなそんな気がします。個人的には「ステーションバー」でお馴染みな定額制夫の「こづかい万歳」、ここから1話読めます。40才越えてお小遣い2万1千円に四苦八苦している男の姿は悲哀や滑稽を感じますが、しかし限られたお金の中で工夫や我慢をして生きている姿はある意味の力強さも感じられないでしょうか。
↑みんな大好きステーションバー怪人。人間観察といえばそれまでだけど酒のつまみに人を物陰から見て泣かないで下さい。
また、カレー沢薫先生の連載中である「ひとりでしにたい」もおすすめです。
いわゆるひとつのバリバリのキャリアウーマンで、優雅な独身生活、余裕の老後を謳歌していたかに見えた伯母がまさかの孤独死。黒いシミのような状態で発見された。その死にざまに衝撃を受けた山口鳴海(35歳・学芸員・独身)の人生は婚活から一転終活へ。死ぬのは怖い。だけど人は必ず死ぬ。ならば誰より堂々と、私は一人で死んでやる。一人でよりよく死ぬためには、よりよく生きるしかない。愛と死をひたむきに見つめるフォービューティフルヒューマンライフストーリーの決定版誕生!
↑なんてアマゾンのあらすじから引っ張ってきましたが、死はいつやってくるし、その死を迎える準備、終活に向き合っていこうと、主人公と同年代の自分にもためになるというか興味深い、いやまだ30代なのに何死について考えているんだよっていう気持ちも無いわけではないけど、そうこうしている内にいつの間にか主人公の叔母さんの様に身も心も腐って死んでいってしまうのかもしれません。男女問わず、というか未婚既婚問わずおすすめです。一時期打ち切られそうだったらしいのですが今無事に連載していて2巻も出てくれそうです。楽しみ。1話試し読みはこちらから。黒いシミ・・・。
↑表紙。出棺される前のような主人公が灰色の姿でいて、なおかつ笑顔なのがいいデザインだと思います。
前置き長くなってしまった。そして、表題に書いた「ご飯は私を裏切らない」(著、heisoku)、こちらはひとりでしにたいとは逆に死や未来が来るのはわかっているけど、それはもうどうしようもないことだし、生き物みんないずれ死ぬからまずは今目の前にある自分のご飯を食べて生を実感しようというコンセプトな漫画。そう、例えばいくら!いくらは正に命そのもの。皮や骨といった食べれないところなんてなく、まるごと一粒一粒が生命の塊そのものなんだ!そんないくらを私の血肉とするべく食する事で、自分の生を実感できる。生きてるって感じ!(プリキュアOP)な漫画。美味しいといっぱい食べる、満腹感で幸福、お腹が落ち着いても生命を摂取したという幸福感が希望になり私を満たしてくれる、味覚や満腹感、自尊心を得る事によって不安を遠ざける(実際は自分が怖さから遠ざかっているのかもしれないけどと頭ではわかりつつ)事で元気に生きていきましょうといったお話です。実は自分がこの漫画を知ったのもカレー沢先生が話題になってたから読んでみたというツイートから興味もちました。ありがとうカレー沢先生。
本文から少し切り抜いてしまった。角川さん1話目だから許して・・・。
現在(20/8/14)ではこちらから1~3話まで読めます。単行本発売記念描き下ろしも書いてあるからそちらも読んでみて(でもできたらこっちは単行本で読んでからのほうがいいかも)。作中にもあるように主人公29才と30手前ってのがいい塩梅の設定だと思います。若い人ってどうしても30才を目処に考えてる節はあるし、僕もそうでした。実際30才になってみると食が細くなったとか、そのわりに新陳代謝確実に落ちてるなあってのも分かる。一方で全然変わらない、変われてないものもあってそれはそれで良いのか悪いのかわからないのだけど。でも30超えのキャラクターだと若い人はピンとこない(といっても29才が若いのかは人によるけど)ので29才で死や未来について語るキャラクターは良い設定だと思いました。あと中卒と書いてある割には結構動物の生態とか博識だったりするのですが、Twitterで感想漁っていると「わかるわ~。俺も暇な時とかずぅーっとウィキペディア眺めてたりするもん。」みたいな呟きがあって、そういえば自分も学生の頃よくやってたなあと思い出しました。というか今も(コロナ影響もありますが)休日も自宅でネットサーフィンとかしてる日々だからあんま変わりませんね…。
1話以降も決してウキウキするような展開でもなく、けれども決して気持ちが沈む展開でもない(と僕は思う)ので、無料公開分だけでも読んでみてはいかがでしょうか。斜めに構えるとかじゃなくて、一種の諦めみたいなどうにもならないものもあるからそこで悩んで疲れる必要もないみたいな考えは救いの一つにもなるのではないでしょうか?1巻の間では特に恋愛沙汰とかもないので毒男、喪女の方でも安心して読めます(?)。一瞬人間に大事なものそれは愛!とかいいますけどすぐいや、やっぱご飯だなとかいう主人公ですし。というかどうもこれ1巻で終わりみたいな感じなのが寂しい。作者様ネタが出てきたらまた描いてほしいなあと思います。
本当に死について理解できる日なんて死ぬ直前ぐらいしか無いと思います。というか死ぬ直前に分かるのかもわかりません。しかしどんな生き物でも死は必ずやってきますし、死を迎える心意気みたいなものは日頃持っていると良いのかもしれませんね。
いくら丼たべたいな。