墓地の横の居酒屋[霊子さんの心霊体験]
昔から霊が見えるという霊子さん(仮名)の心霊体験のお話です。
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その日は女友達5人で、大きなショッピングモールにある行きつけの洋服屋さんに行くということで車で出かけた。
洋服屋さんを出た後、夕方だったのでお腹がすいたということで、どこか入ろうということになった。
するとお酒が好きではないM子が、「私運転するからみんなは飲んでもいいよ。」と言うので居酒屋を検索した。大きな駐車場がある方が良いと思って探した。
検索出来た居酒屋に予約をして向かった。
2階に宴会場がある、比較的大きな居酒屋だ。
帰るまで1時間ちょっと掛る場所で、横に大きな墓地がある。
しかし、駐車場に入るとき、すでによからぬものが見えていた。
私がそういうと、みんなは「もう予約してるし、部屋の中だからいいでしょ。」と言うのでそのまま入った。
私たちは1階の個室に入ったが、外がすぐその大きな墓地に隣接していた。
なので、窓を開けると外を火の玉が飛んでいるのが見える。
室内でタバコが吸える時代だったので、私はタバコを吸うのに窓を開けたが、火の玉が見えるのですぐに閉めた。開け閉めを繰り返していると、A子が暑いから開けといてと言ってきた。
私が見えるので開けたくないというと、A子が「まじでー」と言って、私を隅っこに座らせた。
なるべく外が見えないようにするためだ。
すると、開けた窓からシャンシャンと鈴を鳴らすような音が聞こえた。「嫌だなー」と思った。
その顔を見て、S子が、「なになに」と聞いてきた。「シャンシャン音がする。」と答えると、「あんただけだ。」と言われた。
なので、「聞こえるのはしょうがない。だったら窓閉めて。」と言って結局閉めさせた。
みんなは調子に乗って焼酎をキープすると言い出した。家からめっちゃ離れていてめったに来ないのに「キープ?」と驚いたが、注文した。
すると、若い男の店員さんがボトルを運んできた。ボトルを置いてキープのネームをテーブルに置いた瞬間、窓の方を見て、肩がびくっと震えた。それを見たS子が「なに?」と突っ込んだ。店員さんは「いえ、何でもないです。」と震えていた。私がその子に「見えるんでしょ。」と言うと、「見えますか?」と聞いてきたので、「うん、いるいる。」と答えた。
聞くと、系列でもう一軒居酒屋があって、店員さんはどちらにも出るそうだが自分は怖いのでなるべくこちらには出ないようにしているそうだ。
A子が「え、みえるの?ってか、いるの?」と聞いてきたので「いるいる。」と答えた。
店員さんが「はっきり見えますか?」と聞くので「はっきり見える。」と答えると、A子が「どんなのが居るの?」と聞くので、二人同時に「すんごいババア」とぴったり合って答えた。
みんなが「えー」と驚いた。店員さんが「すんごいババアですよね。」と確認するので「すんごいババアだよね。」と答えた。
「え、どんな感じなの?どこにいるの」と聞くので、窓から半分身を乗り出したしぐさを二人でした。
「もー、いやー」とみんなが叫んだ。
そうこう言いながら、最後まで飲んだのは、みんなすごいと思った。
この投稿は、180話以上アップしてあるブログ「霊子の日記」からの抜粋です。
YouTubeにも「霊子さんの心霊体験」として投稿しています。