【障害の重さ】重度でも軽度でもそれぞれ問題があると感じたお話
私の兄は、重度の知的障害がある。
障害の重さ(程度)ってどうやって判断するのか難しいところであるが、
判断する基準はあるようです。
基準があるとはいえ、これまで障害者と関わってきて障害者を障害の程度を聞いてそれを持って判断したりしたことはありません。
でも、やっぱり支援がたくさん必要な人とそんなに必要のない人が
いることはどこか自然に見分けているのもしれません。
その1つに幼い頃、兄と同じ知的障害を持っているの同学年の人が
いつも兄の面倒を見てくれていました。
私はそんな人たちを見てどこに障害があるのか全くわかりませんでした。
このように、同じ知的障害者でも一見どこに障害があり
どんな支援が必要があるのか見えない人もいて
もちろん兄のようにたくさんの支援がないと生活が難しい人もいるのです。
今回は、知的障害の重さの程度について
これまで私が感じてきたことを書いていきたいと思います。
兄の障害(重度知的障害)
冒頭でも書いたように兄は、重度の知的障害があります。
大体、知的レベルは3歳児ぐらいだそうです。
これは検査を受けての医学的な判断になります。
もちろん、社会的に見ても大体は重度の知的障害と見られることが
多いです。
同じ知的障害者が集まる学校やサークルなどでも
基本的に兄は支援が多く必要です。
その中で1番重度なのかと言われれば、おそらくそこまででもないですが
支援をたくさんいただいていること変わりはありません。
障害が重いと、周りの支援をする人たちも大変です。
軽度の人より手がかかるのは当然でありますが
身体的にも大変だなと感じます。
私の親の場合、兄は身体的には問題がないため成長するごとに
成人男性の体に成長していきますが
母は女性であること父も兄が成長するごとに老いていくこともあり
兄が力づくで行動すれば誰も止めることができないのです。
何か興味を示して、外で急に走り出してもそれに母は追いつくことが
できません。
問題行動を幼い頃は親や支援者が止めることができても、
本人の体が成長することで問題行動を抑えられないこと
怪我をすることもあるのです。
やっぱり重度と言われることもあり、苦労や大変さが目に見えて
感じることが多いです。
軽度の知的障害
障害が軽度の人の場合は多くの支援が必要なく、
ほとんど健常者と同じように生活していれる人も多いです。
知的障害という障害上、外見に見える障害ではないので
軽度の場合は周囲から見れば障害を持っていると思われない人もいると
思います。
正直、これは良くも悪くもあるなと思っています。
良い面で言うと、障害者であることをカミングアウトしなければ
健常者と同様に扱われ、差別や偏見を受けることはありません。
まだまだ社会は障害者に対して差別・偏見があります。
障害があるだけで、周りに迷惑をかけていなくても色眼鏡で見られることがほとんどです。
そんな社会であるため、障害者であることを気づかれなければ
普通に生活できることが良いところだと思います。
悪い面で言うと、支援が受けにくい点です。
障害者の集まる場所では、どうしても重度の障害を持つ人ばかりに
支援がいき、軽度の人は支援が薄くなってしまいます。
また、障害者であることをカミングアウトしていなければ、
障害上苦手なことがあってもなかなか支援を求めづらいものかと思います。
また、カミングアウトをしていないことで健常者と同じレベルを求められ
できないとあいつは使えない奴というレッテルを貼られてしまう
可能性もあります。
別の観点で言えば、知的障害者で軽度の人は詐欺や犯罪に巻き込まれやすく
加害者にも被害者にもなる可能性が極めて高いのも事実です。
このように障害が軽度であると、問題が見えにくい部分もありますが
問題は様々なことろに存在しているのです。
障害の重さの程度
重度の障害者と軽度の障害者について簡単に記載しましたが、
障害がある以上、社会生活を送る上で何かしら問題があることは
いわば当然のことだと思います。
兄のような障害がある家族の人から見れば、
障害があってもあの同級生は障害が軽くていいなって思うかもしれません。
私も少なからず、もう少し兄が軽度の障害だったら
こんなに両親も私も大変じゃなかったのではないかと思います。
でも、障害が軽度の人の話を聞くと
障害が軽度であり物事がよくわかるからこそ危険な目にあったり
問題行動を起こしたりと、いい事ばかりではないのかなと思います。
結局、障害の重さはあまり関係ないということが結論ではありますが、
障害者を障害の種別で判断するのが問題であることと同じように
障害の重さで判断してはいけないなと思います。
最後に
兄の周りの障害者の話を聞くたびに「やっぱりあの人は優秀だな」とか
「あの人は兄と同じ重度だけど兄より大変そうだな」とか
「あの人は1人でなんでもできるからこそ危ないし
周りに迷惑をかける可能性があるのか」など色々な感情を抱いてきました。
このような色々な人の話を聞いて最近感じるのは
「兄は重度でできることは少ないし、パニックになると大変であるけれど
犯罪に巻き込まれる可能性が低いし、素直であるから兄は兄のままでいいのかな」と感じます。
もちろん、兄が1番いいと言いたいわけではありません。
私が「兄は兄のままでいい」と思えるのは兄のこれまでの努力や
両親の子育て、努力の賜物でしょう。
どんな障害であっても、それを受け入れ
障害と向き合っていくことが大切だと感じました。
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