【24時間テレビ:虹色のチョークの感想】障害者と共に働くことの難しさを感じたお話
24時間テレビみなさん見ましたか?
テレビ離れなど諸々あり、見る人も以前に比べ減っていると報道されていますが見なくても名前は知っている人も多いのではと思っております。
私も全てを見たわけではなかったのですが、今回のスペシャルドラマ
【虹色のチョーク】がとても気になっていたのでドラマを見ました。
今回は、このスペシャルドラマ【虹色のチョーク】についての感想などを書いていきたいと思います。
気になった理由
まず、なぜこのスペシャルドラマ【虹色のチョーク】が気になったのかというと内容が知的障害者がチョーク工場で働いているという話だったためです。
障害者福祉全般に興味がありますが、特に障害者の雇用については興味を強く持っており、大学でもメインで学んでいました。
そのため、実際にこの会社で知的障害者が働いていることも知ってはいました。
ただ、詳しい内容は把握していなったことや世間に障害者雇用をどのように表現するのかが気になっていました。
ドラマを見て
普段ドラマを見ないのですが、このドラマを見て単純に面白かったな〜と思いました。
典型的な知的障害者の特徴を捉えている演技や、障害者の労働だけでなく日常生活を描いていることなど、きちんと表現されているように感じました。
特に気になった3箇所について見ていきます。
①広翔が父の彰男が社長を務める『大日本チョーク』で働くことになった場面
留学後初めて、会社に来て社員の50%が知的障害者でありそれに驚く広翔が描かれていましたが確かに驚くべきことだと思います。
一般的な企業で障害者を社員の50%を雇うことは普通はあり得ません。
民間企業では障害者雇用率が現状、2.3%でありこの基準を守っている企業はおよそ50%である日本において、まして中小企業で50%もの障害者を雇っていることはとてもすごいことです。
また、広翔が社員の誰が障害者であるかわからない場面も印象的でした。
知的障害者は、身体障害者のように見た目で障害を持っているのか判断がつきにくい人もいます。
中にはダウン症という特徴的な障害もあり、見た目で判断することもできますが、知的障害者を見た目で判断することは難しいこともあります。
明らかに行動が何処かおかしいという部分で判断することもできるのかも知れませんが、働いている場面から判断することは難しいことだと思います。
もちろん見た目で障害者であるか判断することや、そもそも障害者と判断して障害者だから優しくしなきゃというような考えを持つことが違うことではあるのですが。。。
②知的障害者のグループホームでの生活
グループホームでの生活場面もとても興味深かったです。
おそらく、あまり障害者を知らない人にとっては広翔と同じような感情になった人が多いと思います。
障害者なのに、お酒を飲むんだとか恋愛するんだとか・・・。
当たり前のことのはずが、障害者というフィルターが通ることで驚きに変わることがやっぱりあるんだなと思いました。
また、結がグループホームに入っている理由もおばあちゃんが面倒をいつか見れなくなるから連れてきたということがとても私の胸に刺さりました。
おばあちゃんに限らず、親は基本子供より先に亡くなってしまう。
その時に、1人で生活していくことが難しい知的障害者は施設やグループホームに預けることが多いのです。
私の家族も同じだよな・・・と思うと考えさせられるものがありました。
③広翔と結の水族館デート
この場面は、こだわりが強いことや苦手な部分を強調して描いていたように感じました。
ずーっと自分が気になった魚を見ていることやお金の計算が苦手で小銭がたまってしまうこと、なかなかメニューを選ぶことができず時間がかかってしまうことなど。
それに広翔は振り回されながらも、気づきを得ていく場面でした。
ただ、私がここでとても共感したのがこだわりが強い部分や一緒に出かけると自分の好きなことややりたいことはできず、全部合わせるしかないということが、私も兄と出かけると全く同じだなと共感しました。
障害者と共に働くこと
最終的には、広翔が結が働きやすいように工夫をしたり会社を救うために障害者と一丸となってキットパスを試行錯誤しながら作るという展開でした。
もちろん、この過程を障害者と一緒に乗り越えたことはとてもすごいことだと思います。
ただ、私がこのドラマを見て一番考えさせられたのが障害者の支援をしていた中嶋が社長は「障害者のことしか見ていない」と言い放ち、退職してしまう場面でした。
この場面を見て、障害者と共存することはそう簡単に実現できるものではないし、障害者をサポートする人達がいて成り立つことであると感じました。
別に障害者が悪いということではありません。
ただ、障害者を支援する人も人間です。
支援することが、仕事であるため大変なことも当たり前ではあると思いますが同じ社員という立場で常に障害者優先で物事を考えられていたら嫌になるのも当然です。
かといって障害者が支援する人を気遣うことは難しい中で誰がその支援者を気遣うのかということは働く場面以外でも障害者ともに共存する上で考えないといけないことだと感じました。
最後に
障害者雇用率のためというよりも、一人ひとり障害者を持つ社員と向き合い一緒に仕事を作っている大日本チョークの会社はとてもすごいと思いました。
このドラマを通して、障害者雇用の難しさや課題を改めて考える機会になりました。
また、障害者が働く環境を経営的に守っていくことも難しい現状があるということを知れました。
障害者雇用が広がり、働きたい障害者が満足に働ける環境を作るにはいくつもの課題があると思いますが、このドラマをきっかけに促進されるといいなと思いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?