加害者になるということ(1)
voicyで、いつもご自身のお子さん達の育児を通して感じておられる事を発信している、
特別支援の本棚のパーソナリティさおりさんの、有料放送を聴きました。
この放送を聴いて、加害者になってしまうという事について、弟のエピソードを思い出しました。
弟は小さい時から一輪車が大好きでした。
出かける時も、犬の散歩をする時も、常に移動は一輪車でした。
まぁ、すごく変わった子に見られていましたが、本人は、寝ても覚めても一輪車という感じでした。
そんな弟ですが、大きくなり、ついに大人の年齢になっても、一輪車に乗っていました。
想像してください。
身体がごつくて無表情のおっさん(当時まだ10代後半でしたが)が、毎日一輪車に乗って、うろうろしているのです。
不審者ですね。
中学生くらいから、一輪車に乗っている君の姿は、不審者であり、周囲に恐怖を与える事になるよ。と伝えていました。
もちろん聞く耳は持ちません。
高校を何とか卒業し、あろう事か、弟は保育士になりたい。と専門学校に進学を決めました。
しかも一人暮らしをしなければいけなくなったのです。
この決断をした時、私は母に強く反対をしました。
まずは特性として、保育士というマルチタスクが必要で、コミュニケーションが必須な職業にはつけないという事。
一人暮らしをする十分なスキルが、まだ身についていない事。
一人暮らしについては、何年もかけてスキルを身につける練習をすれば、もしかしたら可能かもしれない。
しかし保育士に関しては、不可能だと私は判断しました。
母に何度も、弟ときちんと向き合って、現実を本人にしっかりと伝えなければいけない。
辛い想いをするのは弟本人だ。
と伝えましたが、子どもの気持ちを尊重したい母は、弟の決断を受け入れました。
一人暮らしのため、家を出る弟。
当然一輪車を持って行ってしまいました。
過去に私は一輪車を隠した事があるのですが、怒り狂った弟に見つかり、根負けてしまったことがあります。
そのため、一輪車だけは持って行かない様に。と忠告だけはしましたが、変わらず聞く耳を持っていませんでした。
事件は、引っ越しをして1ヶ月も経たずに起こりました。
まずは保育士の専門学校は、適正が無いという判断で、入学早々、自主退学を勧められました。(入学金は返ってきません)
そして、一人暮らしについては、炊飯器でご飯は炊ける事は出来たので、何とかかんとか数日過ごしていたみたいですが、
毎日毎日、近くの公園で一輪車に乗って、うろうろしていた様です。
公園には小学生達が毎日、放課後に遊びに来ていました。
小学生は無邪気で純粋です。
そして弟は、保育士になりたいくらい、子どもが好きでした。
子ども達を笑わせて、喜ばせようとしたのでしょう。
白目をむきながら、一輪車で小学生達を追いかけたのです。
最初はきゃー!という程度で、小学生達も逃げたんでしょうね。
これを喜んでいると勘違いした弟は、3日間ぐらい、この行為を繰り返しました。