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ハルカの歌詞の世界

今回はアルバム「DINOSAUR」に収録されている「ハルカ」の歌詞についてです。
この曲も(?)稲葉さんの歌詞に良く登場するちょっと相手にリードされている子が主人公です。
とってもキャッチーな曲で、車の中で聴いているとハンドルを叩きながら口ずさんでしまう、そんな曲です。

出だし部分はついに付き合うことになった!という歓びを描いています。
ですが!
たった一行でその歓びは終わり、「そう思ったのも束の間 君はちょいとレベルが違う」となるんですね。
付き合ってる!って感じているのは自分だけで、相手はそこまで真剣に自分のことを考えてくれていない。
そんなことに気付いて焦っちゃうっていう内容なんですよね。
なんでこんな!と焦っているんですが、それには理由があるんですよね。
それは彼女は「遥か彼方の星」のような存在だということなんです。

星というのは皆さんご存じの通り、地球からすごく離れた場所にあり、そして光を放っている存在です。
とっても優しい存在で、思わず見とれてしまう瞬間が訪れるようなもの、ではないでしょうか?
夜空を見上げるのが大好きな私にとってはそんな感じです。
地上に届く星の光は柔らかく優しいですが、でも実際の星はすごく大きなエネルギーを放っている存在でもあるんですよね。
だからこそ、多くの人を魅了しそして幸せにしてしまうような存在でもあるんです。
そんな星に彼女を例え、「そうか、魅了されているのは自分だけじゃないんだ!」と気付くのがこの歌詞の世界なんですよね。

そしてそんな彼女の存在に気付いた自分は
「これは夢 これは幻 これは嫉妬 これはきっと羨望
と自己分析を始めるんです。
この部分のフレーズの感じがとっても稲葉さんらしいというか。
耳に残りやすくなっていますよね。
この耳に残ったフレーズがこれからも何度も繰り返していくんですが、その繰り返しも一筋縄でいかないところが素敵。

2メロでは素晴らしい存在の彼女が他の誰かといちゃついてるなんていう噂を聞いてオロオロしてしまう自分を描いています。
だけどそれを表に出すのはカッコ悪いから何でもない風を装っている自分。
でも1人になるとそのことばっかり考えて眠れなくなっちゃうんですよね。

そしてあのフレーズの繰り返しですよ。
「これは夢 これは幻 これは焦燥 これはきっと絶望
ついに感情が嫉妬から焦燥に。
そして羨望から絶望にかわってしまうんです。
嫉妬から焦燥っていうのはすごいですよね。
自分の彼女だと思ってた人が違うのかも?!って気付いて焦っちゃうんですから、そりゃ羨望から絶望に代わってしまうってものですよ。

ですが!
「ハルカ」の世界はここで終わりではありません。
この後「他にはいない」と気付くんです。
自分の中で彼女は他の何にも変えられない存在。
であると同時に、他の人にとっても他の何にも変えられない存在なんだ、と。
だからこそひとりじめにしちゃいけないと気付くんです。
だって彼女は
「君はまさに稀有な才能 壮大な使命 背負ってる
いくら時間が過ぎようとも 揺るがぬ存在なんだよ」

と分かったからです。

だからこそ
「これは夢 これは幻 これは真相 これはきっと希望
と結ぶんです。
最初は付き合えた!という歓びと共に、自分だけのものにならない彼女に嫉妬や羨望を抱いていた自分。
それが絶望に代わり、最後には真相に気付き、それが希望に繋がるんです。
それはきっと彼女を独り占めにしちゃったら離れて行ってしまうということに気付いたということでもあるんじゃないかと思うんですよ。

これで曲は終わるんですが、そんな存在の彼女だからこそ、このタイトルなんだなあと思いませんか?
「ハルカ」って女性の名前でもあるし、「遥か」とも変換できますよね。
遠い存在のようなハルカちゃん。
何とも厄介な相手に恋しちゃったなあなんて思いますが、それでも「他にはいない」んだから・・・という自分の覚悟の歌でもあるんですね。
本当に稲葉さんの恋の歌は報われない自分やちょっと情けない自分、(有名なのは「Give me your love」かな?)が多いなあと思います。
でも、そんな自分をキャッチーなメロディの曲で歌うあたり・・・。
「これぞB’z」だと思うのはやっぱり私だけでしょうか?

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